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心霊探偵はエレガントに〜karma〜
魔導師と迎える朝/11
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語尾を濁したのが、涼介の直感という警報機を鳴らし、少々イラつかせた。
「…………」
(それはさっき見たからわかってる。お前、また罠を仕掛けようとして……)
落ち着け、自分――涼介は深呼吸をさりげなくしながら、結果はダルレシアンが崇剛を抱きしめて寝ている現場だったが、それだけで何かあったと判断するには、だいぶ短絡すぎやしないか――と言い聞かせる。
「一生忘れられない夜になるかもしれませんね」
主人の中性的な唇から出てきた、意味深な発言に、
「どんなことをしたんだ……!?」
とうとうやられてしまい、涼介は思わず椅子から立ち上がり、勢い余ってバタンと椅子が床に倒れた。
目玉焼きを口に運ぼうとしていた瞬は、本当に不思議そうな顔を父に向けた。
「パパ、どうしたの?」
五歳の純粋な世界を、大人の汚れた価値観で踏みにじってはいけない。
「あ、いや……何でもない」涼介は椅子を起こしながら、「素晴らしくさわやかな朝だ。うん」策略的な主人を見ないようにして、窓から入り込む日差しに目を細めた。
「パパ、パン、お代わり」
息子が差し出したカラの皿を、父は素早く受け取って、「あぁ、わかった」カゴに入った山積みの焼き立てパンからひとつトングでつかみ、息子の成長を喜ぶ。
「たくさん食べられるようになったな」
「うん! ありがとう」
平和な親子の会話が展開していると真正面で、ダルレシアンは珍しく真摯な眼差しで、小さく頭を下げた。
「ごめんよ、崇剛」
「やはり、あなたの仕業だったのですね? 私に何をしたのですか?」
部屋へ招き入れたのは、自身の失態だった――。崇剛はそう後悔しながら、原因を知りたがった。自分より先に寝たはずの、ダルレシアンが何かをしたと認めたのだから。
「あれは……たぶん、俺の寝言が魔法の呪文だったから。前に朝起きたら、まわりの出来事が変わってた時がよくあったから……。それと同じじゃないかな?」
寝言を言う魔導師。危険な香りが思いっきりする――。
被害に遭っていない涼介は、片肘をついたまま、ベーコンエッグにフォークを刺した。
「どんな魔法をかけたんだ?」
「Flothing! Restraent! Aphorodisiac! Maybe?」流暢な英語がもたらされると、
「そちらをかけたのですか……」英語の辞書を丸覚えてしている崇剛は、さすがにゲンナリした。
ダルレシアンと一緒に眠るのは危険であるという可能性が99.99%――
主人の心の中で、警報が強く鳴っていたが、感覚的な執事は知る由もなく、またイラッときた。
「何で、そこだけ花冠語で言わないんだ? 気になるだろう、そういうことされると……」
あの衝撃的な朝の光景を見せられた挙句、ふたりにしかわからない言葉で話している。主人が千里眼を使って、瑠璃と話しているのと何ら変わらない。
「翻訳してほしいのですか?」崇剛はそう聞き返しながら、心の内はしっかり策略的だった。
「…………」
(それはさっき見たからわかってる。お前、また罠を仕掛けようとして……)
落ち着け、自分――涼介は深呼吸をさりげなくしながら、結果はダルレシアンが崇剛を抱きしめて寝ている現場だったが、それだけで何かあったと判断するには、だいぶ短絡すぎやしないか――と言い聞かせる。
「一生忘れられない夜になるかもしれませんね」
主人の中性的な唇から出てきた、意味深な発言に、
「どんなことをしたんだ……!?」
とうとうやられてしまい、涼介は思わず椅子から立ち上がり、勢い余ってバタンと椅子が床に倒れた。
目玉焼きを口に運ぼうとしていた瞬は、本当に不思議そうな顔を父に向けた。
「パパ、どうしたの?」
五歳の純粋な世界を、大人の汚れた価値観で踏みにじってはいけない。
「あ、いや……何でもない」涼介は椅子を起こしながら、「素晴らしくさわやかな朝だ。うん」策略的な主人を見ないようにして、窓から入り込む日差しに目を細めた。
「パパ、パン、お代わり」
息子が差し出したカラの皿を、父は素早く受け取って、「あぁ、わかった」カゴに入った山積みの焼き立てパンからひとつトングでつかみ、息子の成長を喜ぶ。
「たくさん食べられるようになったな」
「うん! ありがとう」
平和な親子の会話が展開していると真正面で、ダルレシアンは珍しく真摯な眼差しで、小さく頭を下げた。
「ごめんよ、崇剛」
「やはり、あなたの仕業だったのですね? 私に何をしたのですか?」
部屋へ招き入れたのは、自身の失態だった――。崇剛はそう後悔しながら、原因を知りたがった。自分より先に寝たはずの、ダルレシアンが何かをしたと認めたのだから。
「あれは……たぶん、俺の寝言が魔法の呪文だったから。前に朝起きたら、まわりの出来事が変わってた時がよくあったから……。それと同じじゃないかな?」
寝言を言う魔導師。危険な香りが思いっきりする――。
被害に遭っていない涼介は、片肘をついたまま、ベーコンエッグにフォークを刺した。
「どんな魔法をかけたんだ?」
「Flothing! Restraent! Aphorodisiac! Maybe?」流暢な英語がもたらされると、
「そちらをかけたのですか……」英語の辞書を丸覚えてしている崇剛は、さすがにゲンナリした。
ダルレシアンと一緒に眠るのは危険であるという可能性が99.99%――
主人の心の中で、警報が強く鳴っていたが、感覚的な執事は知る由もなく、またイラッときた。
「何で、そこだけ花冠語で言わないんだ? 気になるだろう、そういうことされると……」
あの衝撃的な朝の光景を見せられた挙句、ふたりにしかわからない言葉で話している。主人が千里眼を使って、瑠璃と話しているのと何ら変わらない。
「翻訳してほしいのですか?」崇剛はそう聞き返しながら、心の内はしっかり策略的だった。
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