幽霊と神様にこんにちは

明智　颯茄

文字の大きさ

大中小

28 / 35

魂の見た目

しおりを挟む

　こんなことを考えたことはないだろうか。

　死後、肉体は滅び魂だけが霊界へゆく。つまり、遺伝子や血のつながりがなくなる。そうなると、物質界で見た目を形成していたものは何もなくなる。それでは、魂の姿形――霊体の見た目はどうなるのだろうか。

　心霊写真や霊視などで見たことはあると思うが、生前の姿のままであることが多い。しかし、とある理由で、見た目が大きく変わることは実際によくある話だ。

　それでは何が原因で変わるのかの話をしていこう。

　人間は見た目で判断するとよく言われる。

　見た目が素敵だったり、綺麗だったりすると惹かれるものだ。しかし、相手と話してみると、自分の好みと違うということは、誰でも感じたことがあるのではないだろうか。

　これは仕方がないことだ。この世界は一番厳しい修業をする場所である。そのため、見た目ではなく、心を大切にすることを学ぶために、このような誤差が生じるのである。

　そういうわけで、肉体と魂のギャップが存在する。霊感を持つと、若く素敵な人の魂が、醜みにくい老人ということはよくある。すなわち、霊層が低いということだ。

　これはどういうことかというと、幽霊や神様は心のままが見た目――霊体である。心が澄んでいる人は見た目も美しい。そのため、この世界とは違って、誤差が生じない。

　そうなると、神の領域ともなれば、どのような人たちがいるかは想像がつくだろう。その通り、神は全員、美男美女ばかりである。

　この世のどのような俳優や女優、アニメなどよりも美しい。これでも言葉が足りないが、この世界で言い表す言葉がないほどだ。

　あえて言うなら、神がかりとしか言いようがない。

　男性神でも女性神でも、思わず見とれてしまうほど美しい。著者もたまに黙ったまま、ビジュアルのよさにただただ感心をしてしまうことがある。

　しかし、神様にはその声が聞こえていることは、しっかり心得ておこう。

　個性がそのまま、見た目となるため、男性でも髪の長い方がいる。著者の守護神十人の中でも三人は肩よりも長く、一番長い方は結い上げてもなお腰までの長さがある。

　髪が長いことを悩んでいる男性神一人がいた。女性的だからだそうだ。髪を切ればいいと思うかもしれないが、それが個性である以上、切っても一週間で元の長さに戻ってしまうのである。

　自身の心の性質が変わらない限り、見た目も変わらないと言うことである。

　急に見た目が変わる人もいる。著者の体験談だ。その神様と十五年前に会った時、勇猛果敢な武者で、我先にというタイプであり、暑苦しい男性神だったが、つい最近出会ったら、別人かと思うほど変わっていた。

　背はすらっと高く、人懐っこそうな、やんちゃな好青年に変わっていたのである。これは結婚によって、変わったのだと本人が言っていた。

　神様の結婚については別の章で詳しく書くことにしよう。

　それから、これは幽霊でも起こることだが、自身の過去世の方と人生を共に歩んでいきたいと望んだ時は、過去世の姿に戻ることもできる。もちろん名前も、その当時使っていたものへと変わる。

　こんなこんなことも起こる。神の領域で武術の修行をすると、姿形を自身の好きなように変える方法を編み出せる。これはかなり特殊な例だが、武術が好きな方は試してみる価値はあるだろう。

　ただし、自分がいくら望んでも、自身の中にその容姿を再現できる性質や性格がないとできないということは心得ておこう。心がともなっていないのに、美男美女には決してなれないのである。

　それから、これは霊界と神界の常識だが、男性への褒め言葉は可愛い・・・であり、女性への褒め言葉は格好いい・・・・である。

　私たち日本人からすると、逆のような印象を受けるかもしれない。素敵だと思った時に神様に伝える言葉には十分気をつけよう。物質界の価値観で伝えると、微妙な表情もしくは、苦笑されてしまうかもしれない。

　それから背丈だが、平均的に私たち人間よりも高い。女性は百八十センチ代、男性は百九十センチ代後半、二メートルに近づきそうな身長である。

　著者の守護神のうち、三人は二メートルを超している。肉体が存在しないうえ、重力が十五分の一であるため、全体的に体は大きくなっている。もちろん、八頭身や九頭身である。

　時折、女性の神様で百六十センチ代の方を見かける。これも個性であるため、平均より低い人もいる。

　しかし、神様の子供に言わせると、大人の身長では百九十センチ代は低いらしい。なぜなら、龍族や他の種族がいるからである。彼らの身長は何百メートルの世界である。どちらかというと、体長という意味合いが大きいかもしれないが。

　肉体の欲望のひとつである食欲は適度しかないため、肥満体型の人は誰もいない。体格ががっしりしていたり、線が細いという違いは当然存在する。

　それから最後に、長年生きている男性神の中には笑いを取りたいがために、わざと背を低くして、七十センチという方もいる。この方はもちろん、先ほど書いた武術の達人である。

　それでは次は、霊的に見て、運命の人はいるのかという話をする。

しおりを挟む