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旦那さんたちの名言
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――旦那さんたちは私の心を読める。
だが、これはきちんと法整備がされていて、ある資格を取り、許可を得ないと読むことができない。
私がいる世界と、旦那さんたちのいる世界は色々と法則が違うのである。
たとえば、こんな感じだ。
人はトイレに日に、7、8回は行くだろう。
すると、数時間に一度はトイレへ行くことになる。
そんな私の姿を見た光命は、
「なぜ、何度もトイレへ行くのですか?」
という質問を投げかけてくるほど、法則が違うのである。
彼らは、2日に1度しか行かない。
そういうわけで、誤差を認識するための、資格である。
この資格を取りに行くことにも色々あった。
蓮とは言い争いになった。
「資格もないのに口出して! 言いたいなら、資格取ってからにしてよね!」
そうしたら、翌日大きな荷物を持って、資格を取りに出かけてしまったのである。
期間は2週間。連絡は絶対に取れない。どこにいるのかもわからない。そういう決まり。
資格を取ってきた時から、蓮には口出されっぱなしである。
まぁ、しょうがない。
もともと条件をクリアしている人もいる。
たとえば、孔明とか張飛とかである。
あとは、昔条件をクリアしてたが、新しく取り直さないといけない人もいた。
それは、焉貴と月命。
ふたりは一緒に資格を取りに行ったが、あらかじめ子供に何かあった時には中断してほしいと願い出ていた。二日目で、子供が倒れたので途中で帰ってきた。
だが、考慮されて、資格は無事ゲットである。
夕霧命は修業バカなので、当然、結婚する前から自ら取りに行っていた。
明引呼と貴増参は、15年前のとあることがあり、それが認められていて、彼らも持っている。
独健は持っていなかった。だから、彼は最初私のところへ来なかった。
本編で本人が言っていたが、
「知らなくて、お前を傷つけることもあるかもしれないだろう? だから、資格を取るまではそばに来ないって決めてたんだ」
本当に優しい人だと思う。
そうして、光命。
彼は当然持っていない。
取りに行くと言うのだが、というか、取らなくてはいけないのだが……。
彼は倒れるので、私は心配なのだ。
本人も、過去から可能性を導き出すので、予測がつかない。
どうやっても、対策が見つからない。
言動が導き出せない。
「考えても、人生は自分の思う通りにはいかないですよ」
と、何度言っても、言い返してくるの繰り返しで、とうとう叫んでやった!
「そんなに可能性、可能性、いうのなら、間違えたらすぐに別の可能性を導き出して、対応すればいいじゃないですか! それでもだめなら、また違う可能性を導き出して、ずっと可能性導き出して、抗い続ければいいじゃないですか!」
「そのような考え方があったのですね――」
光命はいつだって冷静で、私の熱くなった気持ちはすぐにクールダウンする。
「これを、光さんに知らせるために、神様が今の言葉を私に言わせたのかもしれないですね?」
私は自分でもあきれるのだ。
光命のことをどれだけ好きなのだろう、と。
資格を取りに行くのはたった2週間だ。
あっという間に過ぎるだろう、そんな日数。
他の人ならば、心配しない。
行ってらっしゃいと、笑顔で平気で見送る。
それなのに、光命がいなくなるのは耐えられないのである。
バカバカしいと思う。
死ぬこともない世界なら、待っていれば帰ってくるのである。
光命に出かける前に抱きしめられて言われた。
「離したくない。離れたくない。このままあなたを私の中へ連れ去りたい」
いつも丁寧語なのに、遊線が螺旋を描く優雅で芯のある声は違って、彼もまた自身であきれるほど、恋に落ちているのだ。
他の人にとっては、大した言葉ではないのだろう。
だが、私にとっては名言であり、もうすぐ1年が経とうとするのに、色あせない言葉だ。
こうやって、いつも、光命――いや旦那さんたちは私の心を魅了するのである。
光命と一緒にいることが多いから、彼の名言は多い。他には、
「私の性器はあなたのためにある」
「あなたがいないと私が困るのです」
「甘え合いましょうか?」
「あなたはいつも一生懸命。何事からも逃げ出しませんでした。ずっと見ていましたよ」
私はこの世界に生きていない。旦那さんたちが生きている世界に生きている。
そんな時、月命が、
「一生懸命生きているから、死にたいと思うのではないんですか? ですから、君は生きているんです」
わかりやすく優しい導きをする、300億年も生きている小学校教諭。
すっと心の隙間に入り込むように、焉貴が、
「お前は心配しなくていいの。俺たちがやることだから」
感情という名の鎖で拘束されても、伝説の剣で叩き割る、無機質――振り回される感情がまったくない最強の皇帝みたいな、300億年も生きている数学教師。
「倫ちゃん! 倫ちゃん!」
いつもそばに瞬間移動をわざとしないで、少し離れたところから全速力で走ってくる孔明。
帝国一の頭脳を持つ大先生は、家では可愛い旦那さんだ。
光命と私に気を遣って、寄ってこない、貴増参と独健、張飛。それでも、時々会うと、優しい笑みで、言葉をかけてくるし、普通に話ができる旦那さんたち。
仕事が終わったあと、毎日私のそばにきて、たわいのない会話をする明引呼。
最近在宅勤務に変わって、話をよくするようになった。そんな子育てをするのかとか、そんなプレゼントを他の旦那さんにしたのか。新しい発見ばかり。
結婚当初、トランス状態に陥った光命のそばについていようとした時の、夕霧命。
「俺とこいつで見ているから、お前はいい」
こいつ?
あれ? いつの間にそんなに仲良くなったんだ?
いつも、夕霧命の中では、私たちの仲は勝手に進展しているのである。
次々に名前しか聞いたことのない人と、了承なく結婚してゆく日々。戸惑いだらけ。蓮が俺様全開で、
「おまけのお前に、拒否権も賛成権もない。黙って従え」
相変わらず、ズケズケと言って!
かちんと来るな! である。
この先も、旦那さんたちの名言をぜひ聞きたい。
2019年7月21日、日曜日
だが、これはきちんと法整備がされていて、ある資格を取り、許可を得ないと読むことができない。
私がいる世界と、旦那さんたちのいる世界は色々と法則が違うのである。
たとえば、こんな感じだ。
人はトイレに日に、7、8回は行くだろう。
すると、数時間に一度はトイレへ行くことになる。
そんな私の姿を見た光命は、
「なぜ、何度もトイレへ行くのですか?」
という質問を投げかけてくるほど、法則が違うのである。
彼らは、2日に1度しか行かない。
そういうわけで、誤差を認識するための、資格である。
この資格を取りに行くことにも色々あった。
蓮とは言い争いになった。
「資格もないのに口出して! 言いたいなら、資格取ってからにしてよね!」
そうしたら、翌日大きな荷物を持って、資格を取りに出かけてしまったのである。
期間は2週間。連絡は絶対に取れない。どこにいるのかもわからない。そういう決まり。
資格を取ってきた時から、蓮には口出されっぱなしである。
まぁ、しょうがない。
もともと条件をクリアしている人もいる。
たとえば、孔明とか張飛とかである。
あとは、昔条件をクリアしてたが、新しく取り直さないといけない人もいた。
それは、焉貴と月命。
ふたりは一緒に資格を取りに行ったが、あらかじめ子供に何かあった時には中断してほしいと願い出ていた。二日目で、子供が倒れたので途中で帰ってきた。
だが、考慮されて、資格は無事ゲットである。
夕霧命は修業バカなので、当然、結婚する前から自ら取りに行っていた。
明引呼と貴増参は、15年前のとあることがあり、それが認められていて、彼らも持っている。
独健は持っていなかった。だから、彼は最初私のところへ来なかった。
本編で本人が言っていたが、
「知らなくて、お前を傷つけることもあるかもしれないだろう? だから、資格を取るまではそばに来ないって決めてたんだ」
本当に優しい人だと思う。
そうして、光命。
彼は当然持っていない。
取りに行くと言うのだが、というか、取らなくてはいけないのだが……。
彼は倒れるので、私は心配なのだ。
本人も、過去から可能性を導き出すので、予測がつかない。
どうやっても、対策が見つからない。
言動が導き出せない。
「考えても、人生は自分の思う通りにはいかないですよ」
と、何度言っても、言い返してくるの繰り返しで、とうとう叫んでやった!
「そんなに可能性、可能性、いうのなら、間違えたらすぐに別の可能性を導き出して、対応すればいいじゃないですか! それでもだめなら、また違う可能性を導き出して、ずっと可能性導き出して、抗い続ければいいじゃないですか!」
「そのような考え方があったのですね――」
光命はいつだって冷静で、私の熱くなった気持ちはすぐにクールダウンする。
「これを、光さんに知らせるために、神様が今の言葉を私に言わせたのかもしれないですね?」
私は自分でもあきれるのだ。
光命のことをどれだけ好きなのだろう、と。
資格を取りに行くのはたった2週間だ。
あっという間に過ぎるだろう、そんな日数。
他の人ならば、心配しない。
行ってらっしゃいと、笑顔で平気で見送る。
それなのに、光命がいなくなるのは耐えられないのである。
バカバカしいと思う。
死ぬこともない世界なら、待っていれば帰ってくるのである。
光命に出かける前に抱きしめられて言われた。
「離したくない。離れたくない。このままあなたを私の中へ連れ去りたい」
いつも丁寧語なのに、遊線が螺旋を描く優雅で芯のある声は違って、彼もまた自身であきれるほど、恋に落ちているのだ。
他の人にとっては、大した言葉ではないのだろう。
だが、私にとっては名言であり、もうすぐ1年が経とうとするのに、色あせない言葉だ。
こうやって、いつも、光命――いや旦那さんたちは私の心を魅了するのである。
光命と一緒にいることが多いから、彼の名言は多い。他には、
「私の性器はあなたのためにある」
「あなたがいないと私が困るのです」
「甘え合いましょうか?」
「あなたはいつも一生懸命。何事からも逃げ出しませんでした。ずっと見ていましたよ」
私はこの世界に生きていない。旦那さんたちが生きている世界に生きている。
そんな時、月命が、
「一生懸命生きているから、死にたいと思うのではないんですか? ですから、君は生きているんです」
わかりやすく優しい導きをする、300億年も生きている小学校教諭。
すっと心の隙間に入り込むように、焉貴が、
「お前は心配しなくていいの。俺たちがやることだから」
感情という名の鎖で拘束されても、伝説の剣で叩き割る、無機質――振り回される感情がまったくない最強の皇帝みたいな、300億年も生きている数学教師。
「倫ちゃん! 倫ちゃん!」
いつもそばに瞬間移動をわざとしないで、少し離れたところから全速力で走ってくる孔明。
帝国一の頭脳を持つ大先生は、家では可愛い旦那さんだ。
光命と私に気を遣って、寄ってこない、貴増参と独健、張飛。それでも、時々会うと、優しい笑みで、言葉をかけてくるし、普通に話ができる旦那さんたち。
仕事が終わったあと、毎日私のそばにきて、たわいのない会話をする明引呼。
最近在宅勤務に変わって、話をよくするようになった。そんな子育てをするのかとか、そんなプレゼントを他の旦那さんにしたのか。新しい発見ばかり。
結婚当初、トランス状態に陥った光命のそばについていようとした時の、夕霧命。
「俺とこいつで見ているから、お前はいい」
こいつ?
あれ? いつの間にそんなに仲良くなったんだ?
いつも、夕霧命の中では、私たちの仲は勝手に進展しているのである。
次々に名前しか聞いたことのない人と、了承なく結婚してゆく日々。戸惑いだらけ。蓮が俺様全開で、
「おまけのお前に、拒否権も賛成権もない。黙って従え」
相変わらず、ズケズケと言って!
かちんと来るな! である。
この先も、旦那さんたちの名言をぜひ聞きたい。
2019年7月21日、日曜日
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