明智さんちの旦那さんは10人いるそうで……

昼寝をする

　ある日、階段を上がって、ドアストッパーで開いている扉から、のぞいた光景を見て、ドキッとしたことがある。

　えぇっ!?
　な、何で、私の布団の上に、イケメンの皇帝が寝てるんだ！

　って、皇帝が家にいるはずもなく。彫りの深い綺麗な顔立ちの、焉貴これたかが昼寝をしていた。しかも、夕食までの間という、おかしな時間帯に。

　しかし、私の部屋に来て寝ているということは、疲れていて、本気で休みたい時なのだろう。基本的に子供たちは、私の部屋には来ないのだから。

　その時は、静かに寝かせておいた。

　昼寝をする旦那さんちは他にもいる。孔明も、よく私の書斎机の背後にあるソファーで寝ている。しかし、彼は、

「むにゃむにゃ、ん～～……」

　寝言が多い。たま～に何か話している時がある。だから、よほど話したりてないのかなと思うのだ。罠を仕掛けたり、情報漏洩を避けるために。

　そうして今、私の布団の上には、昼寝をしている子供を両脇にして、光命が眠っている。しかし、夕霧命が部屋に入っていったのを見た。

　添い寝して、光命の髪をなでていたが、夕霧命は横になると瞬殺で眠る。今のぞいたら、ふたりで並んで綺麗な横顔を見せていた。夕霧命の手は光命に添えられて。

　映画のキスシーン前を見ているみたいだ……。
　
　ふたりとも髪が乱れていたので直して、さらに可愛いので頭をなでた。

　そうして、もれなく、すぐ近くで寝ていた焉貴を見つけて、黒のボブ髪が乱れているのを直して、やはり子供みたいな無邪気な顔で、すべすべの頬を無防備に晒していた。

　思いついてしまった。旦那さんたちが昼寝をしているというシチュエーションで、何か書けないだろうか、と。

　起きたら喜び驚くようなプレゼントを枕元に置いておく。とか、どんな夢を見ているのか？　とか。

　何かを足さないと、本編には使えないかもしれない……。

　2019年8月20日、火曜日