55 / 80
小学校で叱られる
しおりを挟む
大人たちは瞬間移動できるため、我が子の様子を小学校の廊下で見ようとする親が、あとを絶たないという。
我が家でも光命がすでにやらかして、教師に注意を受けている。あまりにも忠告を聞かないと、出入り禁止の措置もあるらしい。
しかしそれでも、孔明は尋の様子を見にいくと意気込んでいた。そうして、ある夜、また孔明が張飛に対して、プンプン! になっていたので、痴話喧嘩だと放っておいた。
そうしたら、光命が部屋へやって来て、夕食時のテレビのニュースで孔明のことをやっていたと。内容は、こうだった。
孔明大先生、小学校で元恋人に叱られる――。
本編で笑いとして書いていたことが、現実となってしまった。尋の様子が気になって、孔明は学校の廊下へ瞬間移動したのだろう。しかし、矛盾が生じるのだ。
誰が映像を撮ったのかと。マスコミはもちろん学校へ入れない。そうなると、
張飛が携帯電話で撮ったこととなる。つまりは、
張飛はいつどこに孔明がやって来るのか、元恋人の勘で突き止めて、待ち構えていたということだ。
その映像を 張飛がマスコミに渡したから、孔明はプンプン! になっているということだ。
親バカだなと思った。結果の予測がつくのに、やってしまうのだから。
その数日後。子供たちは学校へ行き、孔明が携帯電話を持ってやって来た。すると、そこには尋からのメールが届いていた。
時刻を見ると、どうやっても授業中。メールを送るのが楽しくて、ずっと携帯電話を操作していたのを最近見かけていた。
そのあとすぐに、私にもメールが届いた。
「どうする?」
孔明に聞かれたが、答えはひとつである。
「返さないでしょ。学校の時間に送って来たんだから、対応しない」
「うん、ボクもそう思う」
数十分後、担任の先生から電話がかかって来た。なぜ、メールが返ってこないのかと、尋が泣いていると。孔明からきちんと説明してもらい、電話はそれっきり切れた。
妻は気になった。尋はどう思っているのだろう。今も泣いてるのだろうかと。そうして、学校へ瞬間移動しようとしたが、
おっと、先生に迷惑かけるから、学校の外から見よう。
校庭の端にある植え込みから、中を見ようとしたら、他の保護者の人たちでいっぱいだった。体育の授業をしている子供を、一眼レフカメラで連写撮りしている人がいる。
距離にして、一メートルも開かないうちに他の人がいるという混雑具合だった。そうして、正門から、
「保護者のみなさん。郊外からの子供の様子を見るのも禁止です~。すぐにお帰りください~」
凛とした澄んだ女性的なのに男性的な響き。
この声は!?
妻はぱっと振り返ると、月命がいた。
「おや? 君もいたんですか~?」
他の保護者が瞬間移動をして、次々といなくなる中で、妻は気まずそうな顔をした。
「すみません。とうとうやってしまいました。しかも、月さんに迷惑かけるなんて」
「先ほど、門のところでゼリーをもらいましたから、今から持って帰ります~」
言伝を聞いて、妻は深く反省しながら家に帰ってきた。しかも、外で注意されていたので、マスコミの人たちのカメラにバッチリ写っていた。
そうして夜となり、夕霧命に、妻は懺悔をしていた。
「光さんと孔明さんのこと親バカだって言ってたけどさ。自分も変わらないんだと思ったよ」
「お前と光、孔明は胸の意識が強いから、心配性だ。そうなる」
「はぁ~。あんなに行かないように気をつけてたのに……。子供に何かあると行きたくなるんだなぁ」
親はしっかり反省したが、尋のメールに夢中はまだまだ治らず、食事などはきちんと摂るが、その他の時間でずっとメールを送っていた。
どうしたものかを思っていたが、他の子供たちがいいことを言っていた。
「先生が言ってたよ。友達の時間もあるって、だからメールと電話はほどほどに!」
それを聞いた尋は、ピタリとメールを必要以上には送らなくなった。教育者というものは、さすがであると思った。
2019年10月24日、木曜日
我が家でも光命がすでにやらかして、教師に注意を受けている。あまりにも忠告を聞かないと、出入り禁止の措置もあるらしい。
しかしそれでも、孔明は尋の様子を見にいくと意気込んでいた。そうして、ある夜、また孔明が張飛に対して、プンプン! になっていたので、痴話喧嘩だと放っておいた。
そうしたら、光命が部屋へやって来て、夕食時のテレビのニュースで孔明のことをやっていたと。内容は、こうだった。
孔明大先生、小学校で元恋人に叱られる――。
本編で笑いとして書いていたことが、現実となってしまった。尋の様子が気になって、孔明は学校の廊下へ瞬間移動したのだろう。しかし、矛盾が生じるのだ。
誰が映像を撮ったのかと。マスコミはもちろん学校へ入れない。そうなると、
張飛が携帯電話で撮ったこととなる。つまりは、
張飛はいつどこに孔明がやって来るのか、元恋人の勘で突き止めて、待ち構えていたということだ。
その映像を 張飛がマスコミに渡したから、孔明はプンプン! になっているということだ。
親バカだなと思った。結果の予測がつくのに、やってしまうのだから。
その数日後。子供たちは学校へ行き、孔明が携帯電話を持ってやって来た。すると、そこには尋からのメールが届いていた。
時刻を見ると、どうやっても授業中。メールを送るのが楽しくて、ずっと携帯電話を操作していたのを最近見かけていた。
そのあとすぐに、私にもメールが届いた。
「どうする?」
孔明に聞かれたが、答えはひとつである。
「返さないでしょ。学校の時間に送って来たんだから、対応しない」
「うん、ボクもそう思う」
数十分後、担任の先生から電話がかかって来た。なぜ、メールが返ってこないのかと、尋が泣いていると。孔明からきちんと説明してもらい、電話はそれっきり切れた。
妻は気になった。尋はどう思っているのだろう。今も泣いてるのだろうかと。そうして、学校へ瞬間移動しようとしたが、
おっと、先生に迷惑かけるから、学校の外から見よう。
校庭の端にある植え込みから、中を見ようとしたら、他の保護者の人たちでいっぱいだった。体育の授業をしている子供を、一眼レフカメラで連写撮りしている人がいる。
距離にして、一メートルも開かないうちに他の人がいるという混雑具合だった。そうして、正門から、
「保護者のみなさん。郊外からの子供の様子を見るのも禁止です~。すぐにお帰りください~」
凛とした澄んだ女性的なのに男性的な響き。
この声は!?
妻はぱっと振り返ると、月命がいた。
「おや? 君もいたんですか~?」
他の保護者が瞬間移動をして、次々といなくなる中で、妻は気まずそうな顔をした。
「すみません。とうとうやってしまいました。しかも、月さんに迷惑かけるなんて」
「先ほど、門のところでゼリーをもらいましたから、今から持って帰ります~」
言伝を聞いて、妻は深く反省しながら家に帰ってきた。しかも、外で注意されていたので、マスコミの人たちのカメラにバッチリ写っていた。
そうして夜となり、夕霧命に、妻は懺悔をしていた。
「光さんと孔明さんのこと親バカだって言ってたけどさ。自分も変わらないんだと思ったよ」
「お前と光、孔明は胸の意識が強いから、心配性だ。そうなる」
「はぁ~。あんなに行かないように気をつけてたのに……。子供に何かあると行きたくなるんだなぁ」
親はしっかり反省したが、尋のメールに夢中はまだまだ治らず、食事などはきちんと摂るが、その他の時間でずっとメールを送っていた。
どうしたものかを思っていたが、他の子供たちがいいことを言っていた。
「先生が言ってたよ。友達の時間もあるって、だからメールと電話はほどほどに!」
それを聞いた尋は、ピタリとメールを必要以上には送らなくなった。教育者というものは、さすがであると思った。
2019年10月24日、木曜日
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる