聖女になれなくて

明智 颯茄

文字の大きさ
23 / 27
出会い編

パンツの色へダイス

しおりを挟む
 一条に案内されるまま、瑞希は廊下の角をまた曲がった。銀の月明かりは窓の外にポツリと取り残されていて、ドアが立ち並ぶ長い通路へやって来た。

 男物の香水が鼻をくすぐり、瑞希は夢見がちに目を閉じ、妄想世界で再び王子とダンスを楽しもうとした時、

瑞希み~ずきちゃん?」

 背後から男に声をかけられたが、子供が一緒に遊ぼうと誘いにきたみたいだった。一条と同じタイミングで振り返ると、ドアも何もない廊下に突然現れたように、男がひとり立っていた。

 口調は柔らかいが、瑞希は警戒心を強く持った。

「今度はどんな罠ですか?」

 男は気にした様子もなく、一条をちらっと見て、瑞希のほうへかがみ込んだ。

「彼に何か言われちゃったの~?」

 彼女は唇を噛みしめて、御曹司を視界に映していたが、できるだけ簡潔に質問に答えた。

「モノマネの話です」
「他には~?」
「名前の話です」
「あとは~?」
「何も言われてないです」

 男から瑞希への、質疑応答は長い廊下に響き渡っていたが、終わりを迎えた。しかし、彼は間延びした言い方で、こんな単語を口にする。

「あれあれ~? パンツの話は出てこなかったの~?」
「…………」

 瑞希はピンクのミニスカートを落ち着きなさげに、両手で触った。一条は慌てるでもなく、怒るでもなく、優雅だが冷ややかな声で問いかけた。

「なぜ、下着の話になるのですか?」

 男と一条の視線はまっすぐに絡まり合うが、男はふんわり微笑みながら、問題発言を放った。

「彼女、僕にパンツの色教えてくれたんだよね」

 男ふたりの間で、瑞希は頭の上で両手を大きく横へ振った。

「いやいや! 一条さん、違います!」

 御曹司は心の中で密かに思う。この男は確かに嘘をつくが、人を困らせるような嘘はつかないと。つまりは、男と女の間でまた意見の食い違いが起こっていると。

「どのように違うのですか?」

 瑞希は思う。御曹司がどんな人物か多少は知っている。だからこそ、

「一条さんにならわかっていただけると思います。教えたのではなく、言ったんです! いや言わされたんです!」

 冷静な水色の瞳には温かみはどこにもなく、唯一の女に同情するわけでもなく、手を差し伸べるわけでもなく、絶対零度を通り越してまで冷たかった。

 タイムループのうち一回は、一条のターンだったのはもちろんで、彼女の言葉を勝手な解釈をせず、そのまま受け取り、男に中性的な顔を向けた。

「学んだみたいですが、あなたはどのように思いますか?」

 決して一条は瑞希の味方ではない。ふたりの男の間で彼女は品定めされる。男は首をかしげて、ずいぶん間延びした声で明るく言う。

「ん~? 十て~ん!」
「それって、十点満点中ですか?」

 今まで出て来た男よりも、一番背の高い彼を、瑞希は期待をして見上げたが、彼は冷酷にも首を横に振って、

「ううん。百点満て~ん!」

 瑞希は打ちしがれて、大理石の廊下の上に座り込んだ。この男が他の誰よりも一番厳しく、容赦ない指摘をしてきて、こってり叱られ、それでもない頭を使って、瑞希なりに頑張ってみた結果が今だった。

「うぐぐぐ……。やっぱり厳しかった。赤点だ」

 それでも、一条も男も瑞希には同情はしない。今の状況を考えれば、男ふたりにはする必要がないのだ。いやこれが彼らの彼女への優しさなのだ。

 一条のブーツが大理石の上で少しだけ動くと、氷の刃のような冷たい声が降り注いた。

「それではあなたに再試験です」
「はい」

 瑞希もへこんでいる暇はない。すくっと立ち上がって、しっかりとうなずいた。彼女には聞き慣れない言い回しだったが、男の考え方からすれば、この言い方が正しかった。一条の優雅な声で、

「他にはどのような罠を、彼に仕掛けられたのかを、きちんと順番通りに事実だけで答えてください」

 スラスラと言われた問題。今までの瑞希なら聞き逃していたところだが、この男たちふたりに彼女はすでに調教――育てられていたが、

「はい。誠に僭越ながら、回答差し上げます!」

 勢いよく右手を斜め上に向かって持ち上げ、妄想世界で、一条王子に瑞希姫は想いを馳せた。いや煩悩だらけの女は笑いを取りにいった――――

    *

 ――――大きな駅の西口。ロータリー前の喧騒の中に、瑞希のデタラメな歌が不意に混じった。

「♪君に会いたし~ 麗しのハルカ――」

 エアコンの冷たく乾いた風は急になくなり、マゼンダ色の長い髪とニコニコの笑みはどこにもなく、瑞希は歌うのをやめて少しだけがっかりした。

「あ……ランジェさん消えちゃった。っていうか、ランジェさんのターン終わっちゃった」

 ついさっきまで目の前で、どこかの貴族みたいに上品に手を振っていた男との時間は、世界でただひとつの宝物のようにとても楽しかった。

 しかも、瑞希がずっと行きたがっていたバー。笑いは取ってくれなくても、唯一の観客だった。

 ハルカコンサートはとりあえず終演を迎えて、瑞希は忘れないうちにと思い、今のターンでの成果を何度も口にした。

「名前、名前!」

 バラバラにゲットした名前たち。瑞希は歩道の柵に腰をかけて、ピンクのミニスカートからはみ出した短い足を組んだ。

「ランジェ リオン? それとも、リオン ランジェ?」

 しっくりくる豪華な響きを前にして、瑞希のテンションは一気に上がった。人混みであることも忘れて、大声で叫ぶ。

「リオン ランジェ! どこかの国のお姫様みたいだ! ランジェさんにぴったり――」

 しかし、すぐに興奮は冷めて、瑞希の声は靴音に紛れた。

「っていうか、ニュアンス的に別々な気がする……。どれが名前でどれが苗字?」

 ランジェもリオンも、どっちでも違っていない気がするのだ。組み合わせるにしても、もうひとつ名前がないと、どうにも答えが出ず、瑞希はがっくりと肩を落とした。

「これはゲットできなかったのと一緒だ……。はぁ~」

 また失敗。ため息が降り積もる、すぐ近くに置いてある、ひとつ増えてしまった荷物――紙袋の上に。中に入っている白いワンピースを、瑞希はしばらく眺めていたが、

「あっ、そうだ! もう一回デパートに行けば、ランジェさんに聞ける――」
「人生、時には諦めることも肝心だぞ」

 瑞希が走り出そうとすると、少しかすれ気味のチビっ子ボイスが説教してきた。もうすでに黄色とピンクのメルヘンチック世界に連れてこられていて、瑞希はシャボン玉クッションに座り直して空を見上げる。

「どうして、子供なのに人生語れるんだろう? これもマジでおかしなことだ」
「だから諦めが肝心だって。あとつかえてっかんな」

 再び、チビっ子から説教という雷が落ちて、強引にダイスタイムへと入り込んだ。

「よし、行くぞ!」
「はい……」

 瑞希がしおらしくうなずくと、地味にコロコロとサイコロが転がる音が、切り取られた世界に響いた。

「…………」
「…………」

 カップラーメンも食べ終わったらしく、最短距離で物事は進んでゆく。サイコロを取り上げるさっという小さな響きがしただけで、

「六番な」

 これで五ターン目。チビっ子も瑞希も慣れてきて、テンションがそこまで上がらなくなっていた。しかし、天から、当たりみたいなことを言われる。

「おう? 瑞希、好みのタイプ一人目きたぞ」

 恋愛するつもりもなく、聖女になりたい煩悩女は、不思議そうに顔を前に突き出した。

「好みのタイプ? 一人目? っていうか、どんな好みのタイプ?」

 性別が違えば、好みも違うわけで、しかも他にもいる感が思いっきり漂っていた。会ったこともないはずの、チビっ子が訝しげな声を上げて、

「あぁ? 瑞希こういうタイプに昔っから弱かっただろ? 頭よくて、こう感情――!」

 煩悩女の性癖がモロバレになりそうだったが、

「っつうか、瑞希あんまし時間かけっと悪戯されんぞ」

 チビッ子の忠告はやけに意味深で、瑞希は思わず動かしたサンダルで、ランジェからのプレゼントの紙袋を少しだけ蹴った。

「悪戯? いや、悪戯されたい趣味はないんですけど……」

 そんなM体質ではないと、瑞希は思っていたが、悪戯の本当の意味がわかって、

「っていうか、罠を仕掛けられるってこと? またっ!」

 絶叫する声が珍しく響き渡った。策士は何人出てくるんだと、瑞希は思うのだ。

 二ターン連続だ。御銫みせねとランジェに散々引っ張り回された彼女に、厳しい現実が突きつけられる。

「他のやつの比じゃねぇぞ。気をつけねぇと、最初っから――!」

 ニヤニヤしているみたいな声が聞こえていたが、途中で途切れて、素っ頓狂なお子様ボイスが轟いた。

「あぁっ!? 書類なくなってんぞ!」

 ガタガタ。ゴトゴト。ガサガサ……。とにかく音というものの全てが、忙しなく聞こえてきた。

「俺が悪戯されてんだろ! 俺にまで罠仕掛けやが――」

 ブツッと電源が切れたような音が響き、それっきりチビっ子の声も物音も聞こえなくなった。

「もしも~し!」

 瑞希は慌ててシャボン玉クッションから立ち上がって、空に呼びかけたが、

「…………」

 いくら待っても、静寂が広がるだけで、黄色とピンクのメルヘンチック世界から解放されることもなかった。

「あれ……。返事が返ってこなくなった」

 内手首につけた香水を嗅いでみる。二重がけしているペンダントヘッドをいじってみる。紙袋の中の白いワンピースをのぞいてみる。

 瑞希なりに時間を潰してみたが、未だに別世界から、駅前の雑踏に戻ることはなく、彼女は遊ぶことにした。

「っていうか、大人の悪戯・・・・・ならされたいかも!」

 思いっきり自身に嘘をついて、ぎこちなく微笑み、

「妄想世界へ! 妄想世界へ!」

 しかし、やはり己に嘘をつくということに、神の赦しは得られず、いつまでもシャボン玉が目の前をふわふわと飛んでいた。

「あれ? 切り替わらない。オカズにできる人がいない」

 恋愛はしないけれども、聖女になるために修道院には行きたいけれども、煩悩女は男たちとの出会いを、それなりに楽しんでいた。

「そういえば、海羅さんと兄貴の性器は想像しなかったなぁ~」

 遠慮も恥じらいもなしに、瑞希は脳裏に鮮やかに蘇らせようとする。

 秀麗のゴスパンクの黒いズボン。
 と、
 兄貴のヴィンテージジーパン。

 のチャックの奥を。目を閉じたまま、苦悩で何度もうなっていたが、

「ん~~? ん~~? ダメだ。今は浮かばない」

 御銫とランジェも個性的だったから、あのふたりもさぞかしと期待を大きく膨らませていたが、瑞希は失敗に終わった。

「じゃあ、次の人のを……?」

 まだ会ったこともない人物を妄想する。しかし今度はなぜか、神から赦しが下りた。

「よし、ピンとひらめいた!」

 瑞希の中で電球がピカンとつき、プチ妄想世界で彼女の手が白いズボンへ向かってウッキウキで伸びてゆく。慣れた手つきでボタンとチャックをはずし、男自身がご開帳――

「…………」

 彼女のどこかずれているクルミ色の瞳に肌色が映っていたが、チャックとボタンを何も言わずにきちんと元へ戻し、手を口の横に添えて思いっきり叫んだ。

「――何本あるんですか~~~!」

 さらなる神秘に出会ってしまった。瑞希は現実へと戻ってきて、両手を頭の上で大きく横へ揺らす。

「消し消し! 煩悩とはおさらばだ!」

 静寂はまだまだ広がり続けていて、黄色とピンクのメルヘンチック世界で、瑞希は両膝に腕を下ろして、大きくため息をついた。

「……むなしいな。一人でエロボケするの」

 白いサンダルで地面を叩いてみる。バッグのチャックを開け閉めしてみる。スカートの裾を引っ張ってみる。

 瑞希なりにまた時間を潰してみたが、落ち着きのない彼女は待ち切れなくなって、天へ向かって呼びかけた。

「すみませ~ん! 外に出られませ~ん! っていうか、行き先聞いてませ~ん!」

 何もかもが中途半端のままだが、まだまだ放置は続く。瑞希はバッグの外ポケットから携帯電話を取り出した。少しだけ傾け、

「今何時? ……十八時すぎだ。やっぱり、十八時から零時までなんだ、一人の持ち時間は……?」

 計算する前に、あたりは一瞬にして夜になり、湿った夏の空気が広がった。瑞希はホッとして、

「あ、元に戻った」

 動くにも動けないと思った矢先、チビっ子の声が瑞希にだけ呼びかけた。また棒読みがやって来る。

「高層ビル群に行こう――だ!」
「よし、行くぞ!」

 瑞希は気合を入れて、歩道の柵からパッと立ち上がった。くるっと振り返って、交差点からのぞく摩天楼の群れを挑むように見上げる。

 チビっ子の鼓舞にも似た忠告が、瑞希の心に響き渡った。

「よく話聞いとかねぇと、やれっちまうかんな!」
「よく話を聞く! オッケーオッケー!」

 肝に命じたが、瑞希は相手の手強さを知らず、のんきに人混みを歩き出す。

「よし! 行ってこい!」

 チビっ子がまるで手を大きく振って見送ってくれているようだった。捕まった赤信号で、瑞希はボソッと文句を言う。

「っていうか出ずっぱりだよね? 私の睡眠はどうなってるんだろう?」

 四×六=二十四。もう一日は過ぎたと思ったが、信号が青になり、瑞希の綺麗になった白いサンダルは紙袋とともにさっそうと歩き出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...