マネジメント！

two aspects ３

  とはいえ、俺が望むままにシウを汚しまくってもいいものか･･･。

「万里は俺のスケジュール把握してるんだろ。仕事に影響無いなら何してもいいから。･･･だからはやくして。じゃないと俺、我慢できなくてまた自分から求めちゃう」

  シウは足を擦り合わせ、控えめに下半身を もぞもぞと動かす。


「俺からじゃなくて･･･万里に求められたい」


  ブツン  と頭の中で重い音が響いた気がする。


  シウの両耳を抑え唇を塞ぎ、割り込ませた舌で敏感な上顎をなぞる。時折強くシウの舌を吸うと、苦しげに低く短い喘ぎを漏らして、両手で俺の肩を押し返し抵抗しようとする。
  再び上顎を擽ってやると抵抗の手は緩み、鼻にかかった甘い音に変わるシウの喘ぎ。

  いつもするように咥内をくまなく蹂躙するのではなく、確実に弱い部分だけを徹底的に舌で責め立てる。

「ん、･･･んんぅ、や･･･ぁ」

  キスだけで快感に溺れさせるのは意外に難しい。けれど弱点さえ見つけてしまえば、そこを責め続ける事でエクスタシーを与える事は不可能じゃない。

  が、決定的な刺激が与えられない状態で緩い快感の波に揺らされているシウはもどかしそうに身を捩る。

「ばん･･･も、さわ･･･て」

  薄く瞼を開き、求めるような手つきで俺の首筋を滑るシウの手。

「俺の好きにしていいんだろ？」

  言い返すと、諦めたように俺のTシャツの腰辺りを ぎゅっ と掴み目を閉じる。

  執拗に上顎を責め立てながら、パジャマの上をなぞり突起を掠めるように胸を撫でると、小さいながらに主張するそこが硬く尖り、俺の指が当たる度 シウの腰が少し跳ねる。

  下はというと、重なる俺のスウェットパンツにまで染みを移すほどに先走りで濡れていて、これで本当にイッてないのかと思うほど。

  首元に唇を落とし喉仏を挟んで軽く吸い付くと

「あ･･･っ」

  と大きく漏れる声。

  痕を付けられると思って反射的にそうなったんだろうけど、見える所にまざまざと痕を残すほど俺も馬鹿じゃない。

「つけてないから安心しろって」

「･･･つけてくれたらいいのに･･･」

  そんな訳いくか。

「代わりにココ、思いっきり吸ってやる」

  ボタンを外しパジャマの前を開いて、舌先で片方の突起を ツン と啄く。

「すっげぇコリコリ。前よりちょっとデカくなったよな。こんなんじゃもう、服の上からでもわかるんじゃねぇ？」

「･･･っ、万里のせいだろっ」

「自分の体よく見ろよ。カメラの前で爽やかに笑ってんのに、ベッドじゃ乳首コリコリに立たせて、まだ触ってもないのに下からガマン汁垂らしまくって男欲しがって。おまえがスケベなのは俺のせいじゃないだろ」

「万里のせい！ 男が欲しいんじゃない、万里が欲しいからこうなってるんだよ！」

  胸元にある俺の頭を ぎゅうぅ っと抱え込むシウ。

  あー、胸熱、ってこの事だな。シウが言ってくれる言葉全てが欲しい部分にピッタリとハマって満たされる。


  シウがあまりにも強く頭をホールドしてくるのが苦しくなって「離せ」と言うと、「嫌だ」と更に力を入れてくる。

  仕返ししてるつもりか？･･･マジでガキだ。

  シウが可愛くて堪らず、自分のものだと我儘になる欲望を抑えきれずに、白い胸を強く吸った。

  内腿をそっと撫でると、「んっ」と掠れた声。

  シウの弱い所なら全て知っている。感じている表情も、普段は低い声が上擦る瞬間も。

  腿の付け根まで撫で上げて、指で会陰を摩るようにすると、頭に巻きついていたシウの腕の力が ふっと抜ける。

「ん、･･･ぅ」

  もどかしくて堪らない様子で腰を震わせるシウ。

  シウの胸に紅く映える痕を見て満足している俺は、マネージャーとして完全にアウトだ。けれど、どこかほっとしたようにその痕を指で撫でるシウを見て、そんな事はすぐにどうでも良くなった。


  パジャマのボトムは漏らしたかのように染みを作っていて、カウパー腺液の分泌が多いシウは女の体より濡れやすいんじゃないか、と思う。

  ･･･女とはヤッた事無いからわかんねぇけど。

  前触れなくボトムを下着ごと引き下ろすと、そこそこの大きさがあるシウのそれは、ぶるっ と立ち上がり、勢いで自身の腹を叩き先走りを散らす。

「こんなに良いもん持ってたら、女に挿れたいって思うだろ」

  俺なんかに捕まってなきゃ、きっと今頃それを、思う存分活用できてたんだろうに。

「思ってたけど･･･もういい。万里が触ってくれるなら。それに俺、万里じゃないともうイケない･･･たぶんだけど」

  少し考えた後の「たぶんだけど」は何だ。

「どうせ挿れるなら、万里がいいな」

「はあっ!?」

  シウは好奇心に満ちた瞳をキラキラにして俺を見る。

  ･･･勘弁してくれよ。俺は掘られるのは趣味じゃない。


  ベッド上の棚に並んでいるチューブを1本取り、掌に絞り出し両手で馴染ませるように擦り合わせると、ジワッ と手の中が熱くなる。

  これって、温感ジェル･･･？

  潤った指先でシウの両胸の突起を擦ると、いつもと違うとわかったのか、ビクビクと肩が揺れる。

「な･･･に、これ」

「何、って自分で買ってんだろ？」

  窄まりを指で解しながらシウの亀頭を包んでジェルを塗りつける。

「買ってる･･･っけど･･･適当にレビューが、っ･･･高評価なの、注文してる、だけ」

  ジェルが馴染んだ部分が熱くなっているせいで、中を擦ると少しの刺激でもシウは きゅうきゅうと俺の指を締め付けてくる。


「うぁ、･･･あっ、･･･っ熱･･･」

  始めのうちは快感に腰を揺らしたが、十分に解れる頃には自分で動けなくなるほど感じているらしく、シウは目元を腕で覆ってされるがままになった。

「･･･、あ･･･っあ、･･･あ」

  指の動きに合わせて跳ねる腰と止まらない喘ぎに、堪らなくなってシウの中に自分の屹立を深く沈める。

「ぁあっ、･･･や、･･･っ」

  ゆるゆると奥まで押し入ると、勢い良くシウの白濁が吐き出される。

「んぁ･･･、やあっ、ちんこ･･･あつ、い」

「ちょ･･･っ、マジで締めすぎだって！」

  コンドームに覆われている俺のそれは、ジェルの影響はさほど無いにしろ激しく収縮するシウの動きで容易く達してしまいそうになる。

  遅漏のシウを早漏にグレードアップさせたのはいいけど、お陰で自分も早漏になってしまうかもしれない危機。


  込み上げてくる射精感を一旦鎮めてから、腰を打ち付けると

「ばんりっ、ねぇ、出ちゃう、も無理･･･あ、出ちゃうっ」

  俺が剥ぎ取った掛け布団を手繰り寄せ抱きかかえるシウ。

  じわじわと濡れて重くなる布団がシウの体とベッドからずり落ちていく。

「ばんりっ、ばんりぃ･･･」

  涙声で名前を呼ばれて、胸が熱くなるのと同時に俺は達してしまう。


「は･･･っ、はぁ･･･、･･････もっと、が･･･いい」

  大きな瞳から涙を零しながら、全身で求めてくれるシウが愛おしい。



  俺の好きなように･･･は、シウに求められるがままに、なのかもしれない。


  ･･･ネコになるのは断固拒否だけど。