天然ノンケと同棲しています。

Hiiho

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一度だけのデート 2

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「小林くん、私、オトコの娘は萌えないんだけど」

「すみません」

 オレは今、雄大さんとのデート(?)のために、あさみさんにメイクをしてもらっているところ。

「頼める人があさみさんしかいなかったんで」

「まあいいわ。そのかわり、わかってるわよね?」

「・・・ハイ」

 うう・・・。次はなんのミッションだろ・・・。こえぇ。

「色々シチュは考えてるけど・・・後で青くんにメールしとくから」

「・・・ハイ」

 今回は大人しく従わないとな。しょうがねー・・・。

「できたわよ。どっからどうみても、お姉さんそっくり!さすが私!」

 雄大さんが隠し撮りした美織の写真とオレを見比べて、ドヤ顔のあさみさん。

 黒髪ストレートロングのウィッグに薄めのメイク、シンプルな白の膝丈のワンピースにグレーの薄手のコートとショートブーツ。
 どっからどう見ても、美織以外に見えねぇ!気持ち悪っ!

「声は、ごまかせないわね・・・。風邪ひいてるって事にしてマスクしていった方がいいわ」

 あさみさんのアドバイスでコンビニでマスクを買って、雄大さんと待ち合わせているホテルのラウンジへ向かった。




 店へ入ると、雄大さんが窓際の席に座っているのが見えた。
 雄大さんがオレの方を見たけど、美織は雄大さんと面識が無いから、知らないふりしねーと・・・。

「いらっしゃいませ。ご予約でしょうか?」

「あ、はい。佐々木です」

「かしこまりました。お連れ様、お待ちです。ご案内致します」

 席に案内されて、雄大さんに軽く頭を下げる。

「は、初めまして!涼太くんと一緒に仕事させて頂いております、佐々木です!」

 ひゃ~、いつも余裕ぶっこいてる雄大さんがガッチガチじゃん!・・・ダメだ、ウケる。
 イヤイヤ、笑っちゃダメだろ!

「涼太がいつもお世話になっております。姉の美織です。・・・風邪気味なので、マスクしていても・・・?」

「はい!もちろんです!どうぞ!」

 雄大さんのエスコートで席に座る。
 やめろ~!そんな男前な事して笑わすな~!既に腹筋が痛いんですけど!

「あの、すみません。無理に誘ってしまって。でも、美織さんがご結婚されると聞いて、どうしても一度だけ会って頂きたくて、涼太くんに無理を言ってしまいました」

 涼太、くん!ぶっ!雄大さんが「くん」とか!
あー、ダメだ。笑える。マスクしててよかった~。

「でも、本当にそっくりですね。目なんて涼太そのものですね。こんなに似てるのに、なんで俺、涼太のお姉さんだって気付かなかったんだろう」

 イヤイヤ、今目の前にいるのは涼太そのものですよー!マジで笑わすなって!

「会社の健康診断で病院へ行った時に、美織さんを見かけました。透明感があって姿勢が良くてひとつに纏めた髪が綺麗で、白衣がすごく似合っていて。・・・一目惚れです」

 真剣に話す雄大さんに、笑っちゃいけない気分になってくる。

「あ!でも、婚約者がいる美織さんとどうにかなりたいなんて、思ってないですから!本当は少しだけ思ってますけど・・・。会えてこうして話せただけですごく嬉しいです!ありがとうございます!」

「・・・いえ」

 雄大さん、美織の事本当に好きなんだな・・・。
 美織が雄大さんの気持ちを知ることは無いです。すみません。

 オレ・・・、こんな事して、間違ってねぇのかな・・・?

「で、今日はどこまでお付き合い頂けるんですか?涼子さん?」

「あまり時間が無くて、あと少しだけ・・・」

 ・・・え?・・・雄大さん、今なんて呼んだ?

「風邪なんてひいてないですよね?涼子さんは。マスク取ったらどうです?」

 りょうこさん・・・。やっべ・・・。オレだってバレてる・・・。

「いつ、気付いたんです、か?」

 マスクを外しながら雄大さんに尋ねる。

「うーん。椅子を引いた時かな?座り方が不自然だった。いい年齢の美人女医なのに、エスコートされなれてないなんて、おかしいだろ?」

 そんなとこ見てんのかよ・・・。

「で、俺を騙すなんて生意気な事してくれちゃって。とことん付き合ってくれるんだよな?涼子ちゃん?」

「え・・・イヤ・・・あの、すみません・・・」

 雄大さんの余裕の笑顔が・・・コワイ!
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