天然ノンケと同棲しています。

Hiiho

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大人の本気の本気 1

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 今の大学病院での初期研修2年を終えた後に、じいちゃんの病院で後期研修を受ける事に決めた青。
 それに合わせて、オレも今の会社を退職する事に決めた。

 退職まであと1年。



 ゼロから携わった新店もなんとかオープン日を迎え、予想以上の来客と売上があり、上機嫌の部長の奢りで、企画部は、会社近くの居酒屋で打ち上げをする事になった。

「涼太くん、本社に来たばっかりなのに、もう退職なんて早すぎるよ~!」

 先輩の中川さんは、頬を膨らませながらビールを豪快に飲む。

 ・・・彼氏に見せられない姿を、堂々と同僚に見せるのもどうなんだろう・・・女って、なんか不思議な生き物だな。

「あと1年ありますよ。できるだけの事はやりたいんで、ご指導よろしくお願いします」

「うんうん。涼太くんいなくなっちゃったら、また私が企画部の中で一番の若手になっちゃうから・・・あと1年めいっぱいコキ使うから、覚悟しててね!」

「ハイ。覚悟しときます」

 ・・・女って、怖い。


「涼太が会社辞めたら、俺が引っ越した意味無くなるな・・・通勤には便利だけど、あんな高層の部屋にするんじゃなかった」

 はあ、と雄大さんは溜息を吐く。

「マンションはそのまま住むんで、いつでも会えますよ。青とケンカしたら焼肉連れてってくれるんですよね?」

「・・・・・・はあ~・・・」

 雄大さんは、さっきよりも深い溜息を吐いてグラスに残っていたビールを一気に飲み干した。





 帰り道「少し話そう」と言う雄大さんとふたり、マンションの前にある、植え込みを囲んだベンチに座る。

「青くんと、これからもずっと一緒にいるために会社辞めるのか?」

「はい」

「男どうしなんて生産性無いように思えるけど?・・・まだ若いから、熱くなってるだけ・・・なんじゃないか?」

「生産性・・・?」

 それはどういう意味だ?

「子孫が残せない、って意味ですか?」

「まあ、極論はそうだ」

「別にいいです。オレは、青と一緒にいれる以上の事は望んでません。そのために出来ることをやるだけです」

 会社を辞めるのも、そのためだけだし。

「お前は良くても、青くんはどうだろうな?自分の子ども、欲しいとは思ってないのか?」

 ・・・そう言われると・・・、どうなんだろう。
 オレは青の両親に「子供も産めない」って言ったけど、青は・・・どう思ってるんだろう。

「お前が鈍感すぎるから、この際だし言っとくけど、俺は涼太が好きだよ」

「ありがとうございます。オレも雄大さん好きですよ。あ、セクハラさえ無ければですけど」

 そう言ったそばから雄大さんに頭を引き寄せられて、咄嗟に顔を逸らしたけど・・・唇どうしが掠ってしまった感触に、落胆してしまう。

「だから!マジでセクハラやめてくださいって!あーもうショック・・・」

「お前は嫌がらせで、男にキスできるの?」

「は?」

「俺が、本当にセクハラ目的で涼太にキスしてると思ってんのか?」

「え・・・だってそれ以外無いでしょ。だって雄大さんは、美織が好きだったじゃないですか。フラれた腹いせに、同じ顔のオレに・・・」

 あれ、雄大さん・・・なんでそんな苦しそうな顔・・・。

「涼太みたいに、何もかもを諦めるほどの覚悟は無い。でも・・・俺は涼太が好きだ。惹かれ始めたのはそうだったとしても、今は美織さんと重ねて見てるわけじゃない」

 今、目の前にいるのは、誰なんだ?
 余裕の欠片もなさそうな真剣な表情のこの人は、本当にあの雄大さんなのか?

「もう、手加減してやらない。全力でお前を奪いに行く。覚悟しておけ」

 そう言って、オレをベンチに残してマンションに入っていく雄大さん。

 え・・・。なんて・・・?
 オレを、奪いに・・・?

 ・・・・・・・・・・・・まじで?


 オレは、雄大さんの突然の告白に頭が真っ白になって、しばらくその場から動けずにいた。


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