公式 1×1=LOVE

Hiiho

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恋×ノンストップ=暴走 3

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「ごめん、もう無理。挿れるね」

一玖はボトムスと下着を少し下げ、抱えていた架の腰を下ろす。
自分と同様に先走りで濡れた一玖の亀頭が窄まりに擦り付けられ、意識しなくともヒクヒクと収縮する後ろに、架は達してしまいそうな快感が走る。

「だめ・・・っ、やっぱだめ・・・!」

  こっちに帰って来たら、一玖を諦めるって決めたのに。あれだけ一玖とセックスして、もう十分だって思ってたのに。


「『だめだめ』って口ばっかりだね。抵抗もしないくせに。架だって俺と同じ気持ちだから逆らえないんだろ・・・!」

「ぅあっ!・・・っ、・・・ぁっ」

架を抱きしめると同時に腰を沈める一玖。
一玖の形しか知らない架の中が、その感覚を確かめるようにきゅうっと締まる。

「や、    痛っ、ぁあ、あ」

「ちょっ、か・・・ける、ちょ、もうちょい    ゆるめ・・・・・・っ」

架を抱きしめる一玖の腕にぐっと力が入り、体が小さく震える。


「・・・あ・・・、一玖」

「あーもおっ、なんだよ俺!  カッコ悪。架を先にイかせたかったのに・・・」

  向こうで架とヤッてたときは全然余裕だったのに。好きって意識した途端、気持ちも快感も何もかも溢れて我慢が効かない。
  これが『好き』ってこと?

挿入しただけで達してしまった恥ずかしさと情けなさで一玖は顔が上げられず、誤魔化すように架の頬に擦り寄る。

架は頬に当たる一玖の耳が熱いのに気付き、彼がとてつもなく可愛い生き物に思えて

「俺、一玖が好きだ。市太に・・・譲りたくない」

思わず口にしてしまう。

  本当は諦めるなんて思いたくなかった。一玖にまた求められるなんて思ってなかったから、ただ強がってただけだ。
  いちの気持ちを優先するなんて綺麗事、俺にはもう言えない。



「やっと言ってくれた。架、架・・・すごく好き。どうしよう、俺、生きてきた中で一番嬉しいかも」

どうしてもっと早く気付かなかったんだろう、と一玖は後悔する。

「架のこと特別だって思ってたのに、自分の気持ちに気付かなくて勿体無いことしちゃった。こんなことなら初めから大事に抱くんだった」



顔を上げた一玖に見つめられ、架は胸が高鳴りどうしようもない愛しさで目頭が熱くなる。

  初めてこんなに誰かを好きになって、好きだって言ってもらえて・・・俺が絶対に叶えられないって思ってたことを一玖が叶えてくれる。

  市太、ごめん。

「一玖、もう終わり? 俺、もっとして欲しいんだけど」

両手を首に回してくる架の潤んだ瞳が近付いて、一玖は興奮で理性が支配されてしまいそうになる。

「架の泣き顔って、ほんと凶器だよね。もっともっとぐちゃぐちゃにしたくなる」

「ふっ、即イキしたくせに偉そうだな」

「う・・・これはっ、ローション代わりに出したっていうか、まあ・・・意図せず出たっていうか・・・」

「はは、なんだよそれ。くっそ可愛い言い訳じゃん」

「バ、バカにすんなよ!? 今から嫌ってほどイかせてやるんだから、覚悟しなよ!」

「うん。覚悟する。だからめちゃくちゃにして、俺のこと」

  市太への罪悪感が消えるくらいに・・・










「ん、ん・・・っ、・・・や、またイ・・・っ」

ポタポタとシーツの上に落ちる架の精液は、薄い白濁を残しただけで粘度など無いに等しい。

「人って何回イけんのかな?架、自分が何回イッたかわかってる?」

「あ・・・っ、知らな・・・ぁ」

うつ伏せにベッドに伏せ込んだ架の脚を開かせ、一玖は何度打ち付けたかもわからない腰を架の臀部に打ち続ける。


何時間こうしているのかもわからないまま、架は体力の限界を感じて瞼を閉じた。
瞬間

「だめ」

一玖の声と共に一層深く突き上げられ、閉じた架の瞼の裏側にチカチカと光が飛ぶ。

「う──・・・っ、っ、ああっ」

「覚悟してって言ったでしょ。なんか俺今日まだまだ萎えそうにない。架、ちゃんと最後まで感じててよ」

「あ・・・っ、あ」

  嘘だろ・・・、もう無理だって・・・。高校生ってこんな体力と精力あんのかよ。俺もう眠・・・


一玖のなすがままに揺さぶられて、暗闇に落ちてしまいそうな意識を冷静な思考で何とか保とうとする架。
自分の力では到底逆らえないような快感の波が何度も襲って、落ちそうな意識は快楽だけを求めて架は陶酔状態に陥る。

「架。好き、架・・・」

「ん──・・・っ、あ・・・あ、あ」

一玖の声すらも届かず、薄目を開け涙を零し、半開きの架の口の端から唾液が垂れる。

求めるまま、求められるままに繋がり続ける二人。









──────

「ただいま」

「おかえり。遅かったわね」

帰宅した市太をリビングから顔を覗かせた母親が呼び止める。

「また飲み会?付き合いはいいけどお酒飲んでないんでしょーね、あんたまだ未成年なんだからね!」

「飲んでないよ」

「だったらいいけど。・・・あ、そうだ。今日お隣、架だけなのよ。あの子抜けてるとこあるからちゃんと鍵掛けてるか確認してきてくんない?電話も出ないからって親が心配してんのよ。最近この辺空き巣被害出たらしいから」

「は?自分で行けよ」

「やーよ、もうパジャマだしすっぴんだし。誰かに出会ったらどうすんの。あんたが行ってきて」

「・・・めんどくせ」

はあ、と溜息を吐いて市太はさっき入って来たばかりの玄関を出る。


  架に避けられてんのに、なんか気まずいな。施錠されてたらいいけど、開いてたら声掛けなきゃなんないし・・・


思いながらすぐ隣に建つ速水家の玄関ドアを引いてみる市太。
ガチャ、と金属の部品が動く音と共に開くドアに、また溜息が出る。


  ・・・仕方ない。まあ、いつまでも避けられてんのも気分が悪いし、話すのにいい機会だしな。


「架・・・おい、いねーの?」

リビングの電気はついていない。靴を脱いで二階の架の部屋へ行こうと、市太は階段を上がる。


架の部屋の前、市太がドアノブに手を伸ばしたその時

「ぁ、・・・っく、あっ」

  架の・・・声、だよな?


ドアの向こうから漏れてくる、いつもより高く掠れて上擦る架の声。

「架、入るぞ」

市太がドアを開けると、窓から入る街灯で薄暗く照らされた、見覚えのある男二人の重なる姿がそこにあった。






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