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今日は年に1度必ずある王宮での舞踏会。まだ離縁していない私達は共に出かけなければならない。と言っても私と夫が共に出掛ける用事はこれだけなのだが。
暫く帰らないと言っていたけれど流石にこの行事はすっぽかす事は出来ない。
普段私はあまり着飾ったりはしないし、外にも出ない。本当は社交も貴族の妻の仕事であるが私があまり表に出るのは後々の事を考えると躊躇われた。
私がここを去ってその後彼女が夫の妻になった時私が周りに認知され過ぎていると彼女が可哀想だから。社交もせずに屋敷に引きこもっている不出来な妻だと言う人がいることも分かっているが夫もきっと彼女と幸せになれば納得してくれる事だろう。
しかし年に1度のこの催しは私には拷問だわ。
あんなに美しい夫の隣に並び立つ平凡な私…。
まあ、目立たなくていいのかもしれないが…劣等感でどうにかなってしまいそうだ。それこそ夫に愛されでもしていたなら何でも耐えられただろうが……。
鏡の中の冴えない自分の顔に思わずため息が出る。
「さあ、奥様!今日は腕によりをかけて奥様をどこの誰よりも美しく致しましょう!」
そう言って私の後ろに立つのは私が夫と結婚する時に連れてきた私の侍女。
「そんなに頑張らなくてもいいのよ」
「何を仰っているんですか?王宮の舞踏会ですよ?それはもうとびっきり美しく致しませんと!旦那様もきっと美しい奥様にメロメロになりますわ!」
「…旦那様が恥ずかしい思いをしない程度にしてくれたらいいのよ。私なんてそんなに化粧をしてくれても旦那様程美しくなれるわけでも無いのだから」
「…奥様…何故そんなにご自分の事を卑下なさるのですか?奥様は今のままでも十分にお美しいですよ?」
侍女のその言葉に苦笑いを浮かべる。
それこそ私が夫から愛される妻ならば…夫からも愛されない妻が美しい訳は無い。
そうは思ってもそんな事を侍女に言えるはずも無い。
「ありがとう、お世辞でも嬉しいわ」
「…お世辞では無いですよ…」
侍女は納得いかないと言う顔で私の化粧を始めた。
「お待たせ致しました」
玄関ホールで既に待つ夫に向かってそう言う。
振り向いた夫は私の姿を見た途端その動きを止め私をじっと見つめた。
…どうしたのかしら、この格好そんなに変かしら。先程鏡で見てこれならば何とか夫と並び立っても恥ずかしく無いかと思ったけれど…夫が気に入らないならば仕方ない。
「この格好がお気に召さないようですので今回は私は体調不良で参加しないと仰って下さい。これから着替えをするとなると流石に遅れますから。では旦那様行ってらっしゃいませ」
私は降りかけた階段をまた上る。
折角着付けてくれた侍女には申し訳無いけれど…。
すると後ろから腕を取られる。
振り返ると必死な顔の夫。
「どうされました?」
「いや、変では無い!この格好でいい共に行こう」
「……そうですか、分かりました」
気に入らない訳では無かったのね、ならば何であんな顔を…。イマイチ納得のいかない私と一切私の方を見ない夫。
私達は馬車に乗り込んで王宮へと向かった。
「旦那様は何故あそこで綺麗で見とれてしまったんだと言わないのかしら…」
「ね、あんな言われ方だと褒められた気がしないわよね奥様」
「…それにしてもあんなに美しい奥様は何故あんなにも自信が無さげなのかしら」
「本当に…」
あまりにも他人行儀で共にいる事が少ない主人夫婦にこの屋敷の使用人一同はいつも心配しているのだがその気持ちは主人夫婦に伝わる事は無い。
暫く帰らないと言っていたけれど流石にこの行事はすっぽかす事は出来ない。
普段私はあまり着飾ったりはしないし、外にも出ない。本当は社交も貴族の妻の仕事であるが私があまり表に出るのは後々の事を考えると躊躇われた。
私がここを去ってその後彼女が夫の妻になった時私が周りに認知され過ぎていると彼女が可哀想だから。社交もせずに屋敷に引きこもっている不出来な妻だと言う人がいることも分かっているが夫もきっと彼女と幸せになれば納得してくれる事だろう。
しかし年に1度のこの催しは私には拷問だわ。
あんなに美しい夫の隣に並び立つ平凡な私…。
まあ、目立たなくていいのかもしれないが…劣等感でどうにかなってしまいそうだ。それこそ夫に愛されでもしていたなら何でも耐えられただろうが……。
鏡の中の冴えない自分の顔に思わずため息が出る。
「さあ、奥様!今日は腕によりをかけて奥様をどこの誰よりも美しく致しましょう!」
そう言って私の後ろに立つのは私が夫と結婚する時に連れてきた私の侍女。
「そんなに頑張らなくてもいいのよ」
「何を仰っているんですか?王宮の舞踏会ですよ?それはもうとびっきり美しく致しませんと!旦那様もきっと美しい奥様にメロメロになりますわ!」
「…旦那様が恥ずかしい思いをしない程度にしてくれたらいいのよ。私なんてそんなに化粧をしてくれても旦那様程美しくなれるわけでも無いのだから」
「…奥様…何故そんなにご自分の事を卑下なさるのですか?奥様は今のままでも十分にお美しいですよ?」
侍女のその言葉に苦笑いを浮かべる。
それこそ私が夫から愛される妻ならば…夫からも愛されない妻が美しい訳は無い。
そうは思ってもそんな事を侍女に言えるはずも無い。
「ありがとう、お世辞でも嬉しいわ」
「…お世辞では無いですよ…」
侍女は納得いかないと言う顔で私の化粧を始めた。
「お待たせ致しました」
玄関ホールで既に待つ夫に向かってそう言う。
振り向いた夫は私の姿を見た途端その動きを止め私をじっと見つめた。
…どうしたのかしら、この格好そんなに変かしら。先程鏡で見てこれならば何とか夫と並び立っても恥ずかしく無いかと思ったけれど…夫が気に入らないならば仕方ない。
「この格好がお気に召さないようですので今回は私は体調不良で参加しないと仰って下さい。これから着替えをするとなると流石に遅れますから。では旦那様行ってらっしゃいませ」
私は降りかけた階段をまた上る。
折角着付けてくれた侍女には申し訳無いけれど…。
すると後ろから腕を取られる。
振り返ると必死な顔の夫。
「どうされました?」
「いや、変では無い!この格好でいい共に行こう」
「……そうですか、分かりました」
気に入らない訳では無かったのね、ならば何であんな顔を…。イマイチ納得のいかない私と一切私の方を見ない夫。
私達は馬車に乗り込んで王宮へと向かった。
「旦那様は何故あそこで綺麗で見とれてしまったんだと言わないのかしら…」
「ね、あんな言われ方だと褒められた気がしないわよね奥様」
「…それにしてもあんなに美しい奥様は何故あんなにも自信が無さげなのかしら」
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