それだけは絶対にお断りします!

きんのたまご

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王宮のパーティー会場に入ると何とも言えない居心地の悪い視線に晒される。
1年に1度この日だけはこの視線に耐えなければならない。
普段引きこもっている不器量な嫁がどんなものか皆気になっているのだろう気持ちは分からなくも無い。


実はとても美人だと噂される夫人が見られるのは年に一度のこの日だけなので皆こぞって見に来ているだけなのだがそんな事には気付かない



「もう少しこちらに」
夫に側に寄るように言われたが夫と一緒にいるととても目立つので遠慮したい。
「いいえ、このままで」
そう言って私は夫の5歩ほど後ろを前だけ見て歩く。
私の態度に夫がため息をついたのは気付いていたが今更仲の良い夫婦のように寄り添いながら歩くなんて事は出来るわけが無い。虚しいだけだ。
目的の人物の前に着き流石に私は夫の隣に並ぶ。
「本日はお招きに預かりまして大変喜ばしく光栄にございます」
私達が挨拶するのはこの王宮の主、国王である。恭しくお辞儀をして挨拶を述べる。
「そなた達夫婦を見るのも1年ぶりだ、そなた達を見るとあれからもう1年が経ったのかと実感するわ!はっはっはっ」
この国の国王はとても優しい方でとても気安い方だ勿論国民からもとても慕われる賢王様だ。
「国王様におかれましてもご健勝なようで国民全てが喜んでおります」
「ふっそうだろうか?」
「勿論でございます」
「…奥方も1年振りだな」
「はい、ご無沙汰しております、わたくしもこうして1年ぶりに国王様にお会いすると無事に1年過ごせたのだと実感致します」
「1年に1度と言わずもっと夜会に出ればいいものを」
「いいえ、わたくしには荷が重いですわ。こんなにも美しい夫と並び立つのは」
私がそう言うと隣の夫はびっくりした顔をしていて国王様は豪快に笑った。
実は私と国王様の子供である皇女は同じ歳で同じ学園に通った友人同士である、なので国王様とも少し気安く話が出来るのだ。
「皇女も来ている後で会ってやってくれ」
「はい」
私達のこの会最大の仕事は終わった。夫と共に国王様の前から移動する。
「そうか君は皇女様とは学友だったね」
「はい」
そんなにやり取りをしたタイミングで夫の会社関係の貴族から声を掛けられる。
私では分からない仕事の話になったので軽く挨拶だけして私はその場を離れた。
「皇女様を探しに行こう」
思えば彼女と会うのも1年振り…そう思うとこの夜会も面倒ばかりではないなと思えた。

夜会の人並みを掻き分けながらお目当ての皇女を探す。夫と離れてほっとしているのを感じ私も大概薄情だなと笑いが起こる。
すると歩く先にお目当ての人物が人に囲まれているのが見えた。
周りの人が引くのを待っていようとそちらを見ていた私に皇女様か気付きちょっと失礼と言って私の方へと来てくれた。
「もう!久しぶり!本当に1年に1度しか現れないんだから。今日はきっと会えると思って楽しみにしていたのよ」
「お久しぶりです!私も会えるかと思って楽しみにしていました」
1年振りに会う友人に久々に気持ちが浮き足立った。
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