17 / 39
14
しおりを挟む
「王妃、私はまだ結婚する気なんてありませんよ。」
殿下は苦笑まじりにそう言った。
「貴方、そうは言うけどそろそろ婚約者ぐらいは決めなさい。毎日のように候補者の上申書が届くでしょう?良い条件の方は沢山いるはずよ。」
「それですよ、私は条件などで相手を決めたくは無いんです。恋愛結婚とまでは言わなくても、せめて尊敬しあえる相手と結婚したいと思っています。」
殿下は強い眼差しでそう言った。
「殿下のお妃になられる方は幸せですわね」
私は気付くとそう言っていた。
多分これは私の本音だった。前世の男運の悪さから恋愛なんてもう無理だ!と今や思っている私もかつては好きな人がいたりもしてそんな想い想われ幸せな恋愛をしたい
と憧れていた。まぁ叶わなかったケド。
「ミリア孃は婚約者などはおられないのですか?大体の貴族の婚約などは王家が把握しておりますが、マクシミリアン家はそういった話は出ていないようですが」
「ええ、わたくしは結婚などは考えておりませんわ。家の事を考えましたら婿養子を取るのが一番なのでしょうが、見た目もこの通り地味でございますし。誰からも見初められることも無いと思いますので。その代わりといってはなんですが一人でも生きて行けるようこうして職を持ちましたの、これでマクシミリアン家に養子を貰ってわたくしが邪魔になったとしまして、家を出される事になっても大丈夫ですわ!」
私は胸を張って答える。
「…ふっ…くっくっくっ」
「何でしょうか…」
突然笑いだした殿下に少しはムッとしてたずねる。
「いえ、失礼しました。あまりな内容をあまりにも堂々とおっしゃられるもので。少々驚いてしまいました…ふっ」
「……」
「でもマクシミリアン様でしたらミリア孃を追い出すなんて心配はいらないと思いますけどね。そんな事をおっしゃられるとお父上が悲しまれますよ」
「そうですわね。こんな娘でも父も母もとても大事にしてくれていることは分かっています」
私はお父様とお母様を想い思わず微笑んでいた。その場の空気が柔らかくなったような気がした。
「ミリア孃は素敵なお嬢さんね」
王妃様にそう言われ私は嬉しいような恥ずかしいような。
「是非、うちの息子のお友達になって頂戴!」
ん?????
聞き間違いか?お友達?
向かいの殿下の顔も思わぬ発言にポカンとしているようだ。あぁ、王子様もこんな顔するんだなぁ。
殿下は苦笑まじりにそう言った。
「貴方、そうは言うけどそろそろ婚約者ぐらいは決めなさい。毎日のように候補者の上申書が届くでしょう?良い条件の方は沢山いるはずよ。」
「それですよ、私は条件などで相手を決めたくは無いんです。恋愛結婚とまでは言わなくても、せめて尊敬しあえる相手と結婚したいと思っています。」
殿下は強い眼差しでそう言った。
「殿下のお妃になられる方は幸せですわね」
私は気付くとそう言っていた。
多分これは私の本音だった。前世の男運の悪さから恋愛なんてもう無理だ!と今や思っている私もかつては好きな人がいたりもしてそんな想い想われ幸せな恋愛をしたい
と憧れていた。まぁ叶わなかったケド。
「ミリア孃は婚約者などはおられないのですか?大体の貴族の婚約などは王家が把握しておりますが、マクシミリアン家はそういった話は出ていないようですが」
「ええ、わたくしは結婚などは考えておりませんわ。家の事を考えましたら婿養子を取るのが一番なのでしょうが、見た目もこの通り地味でございますし。誰からも見初められることも無いと思いますので。その代わりといってはなんですが一人でも生きて行けるようこうして職を持ちましたの、これでマクシミリアン家に養子を貰ってわたくしが邪魔になったとしまして、家を出される事になっても大丈夫ですわ!」
私は胸を張って答える。
「…ふっ…くっくっくっ」
「何でしょうか…」
突然笑いだした殿下に少しはムッとしてたずねる。
「いえ、失礼しました。あまりな内容をあまりにも堂々とおっしゃられるもので。少々驚いてしまいました…ふっ」
「……」
「でもマクシミリアン様でしたらミリア孃を追い出すなんて心配はいらないと思いますけどね。そんな事をおっしゃられるとお父上が悲しまれますよ」
「そうですわね。こんな娘でも父も母もとても大事にしてくれていることは分かっています」
私はお父様とお母様を想い思わず微笑んでいた。その場の空気が柔らかくなったような気がした。
「ミリア孃は素敵なお嬢さんね」
王妃様にそう言われ私は嬉しいような恥ずかしいような。
「是非、うちの息子のお友達になって頂戴!」
ん?????
聞き間違いか?お友達?
向かいの殿下の顔も思わぬ発言にポカンとしているようだ。あぁ、王子様もこんな顔するんだなぁ。
4
あなたにおすすめの小説
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
彼は亡国の令嬢を愛せない
黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。
ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。
※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。
※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。
※新作です。アルファポリス様が先行します。
【完結】愛されないと知った時、私は
yanako
恋愛
私は聞いてしまった。
彼の本心を。
私は小さな、けれど豊かな領地を持つ、男爵家の娘。
父が私の結婚相手を見つけてきた。
隣の領地の次男の彼。
幼馴染というほど親しくは無いけれど、素敵な人だと思っていた。
そう、思っていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる