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カーテンの向こうの方もとい皇太子殿下目線
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私は朝から不機嫌だった。
城に私と同じ年の令嬢を呼ぶなんて!
王妃は一体何を考えているんだ。
コンコンコン!
私は急ぎ王妃の私室のドアを叩く。
「どうぞ」
中からはおっとりとした王妃の声。
「どういうつもりですか?」
「あら、挨拶も無しに入って来て貴方こそどういう事かしら?」
穏やかな笑みからかんじる寒気!
私は一旦深呼吸をする。
「申し訳ありません、失礼いたしました。しかしながら城にご令嬢を呼ぶなんて一体どういう事ですか?常々申しておりますがまだ結婚する気などありませんよ」
そう一気に捲し立てた。
「…わたくし、今日お呼びした令嬢が貴方のお客様だと言いましたかしら?」
ニッッッコリ!
「?!」
この笑顔。…怒っている。
「…それは、本日来られるご令嬢は王妃のお客様だということでしょうか?」
「ええ、その通りよ。貴方も聞いた事位はあるでしょう?マクシミリアン家のご令嬢が開発なさったとかいうフレーバーティーの事を。一度どのようなご令嬢なのか見てみたくてね。あのマクシミリアン家のご令嬢であるにもかかわらず今までご令嬢がいたなんて噂にも出て来なかったのに。一体どんなご令嬢なのかしらね?ふふふ」
怖い!微笑んでいるところがまた怖い!
私はまだ見ぬご令嬢に同情した。
どんなけばけばしいご令嬢が来るのかと警戒していたら(婚約者にしてくれなどと言ってくるかもしれん)現れたのは本当に貴族のご令嬢か?と疑いたくなるような地味ーなご令嬢だった。まぁ身に纏っているドレスは地味ながら質の良い物だったし本当なのだろう。しかしながらこんな地味で気が弱そうに見えるご令嬢があの王妃の相手が出来るのだろうかと心配になり、私は王妃と同行する事にした。
話をしてみると貴族の娘らしく受け答えもしっかりしている、流石に商売をしている者は違うなと思っていると、そのご令嬢の声に何やら聞き覚えが………。
何処で聞いたのだったか…最近のような気がするのだが。
!!!!
そうだ!あの夜会!年齢も私と同じ年だ!
そうだそうだ!しかしながらこのようなご令嬢と話をしただろうか?うーん。
……カーテン!そうだカーテン令嬢の声に似ている。
私は夜会で出会ったご令嬢の話をする。
じっとご令嬢の顔を見る。
!!!
反応した!どうやら本人はしらばっくれるつもりらしいがこの反応!絶対にそうだ!
顔を見た訳ではないがあの日の護衛騎士の話によるとその令嬢は女神かと思う程の美人だったらしいがこの見た目はどういうことだ?私は後ろ姿しか見ていないが髪の色も違っている。
……ふっ、面白い。この令嬢なにかあるな。と考えていたら、その考えを見通したようにそのご令嬢に友達になってくれと王妃が切り出していた。
おいおいおい。皇太子殿下の友達になったご令嬢なんて聞いた事ないぞと思ったがこのご令嬢の秘密を暴くには丁度良い。
今度家に行く約束をミリア孃に取り付けて私はミリア孃を見送った。
「貴方が興味をもつなんて珍しいわね」
隣の王妃が探りを入れてくる。
「…先ほど申し上げたカーテン令嬢がどうやらミリア孃らしいのですよ。しかしその事をしらばっくれようとしているので何かあるのかと思いまして」
「あら、そんな理由なの?もっと色気のある理由なら良かったのに」
王妃がそう言って興味が失せたかのようにその場を去っていく。
これから面白くなりそうだとミリア孃が去った方向を振り返った。
********************************************
王妃様優しかったはずなのに王子様目線を書いたとたん腹黒に。
不思議現象。
城に私と同じ年の令嬢を呼ぶなんて!
王妃は一体何を考えているんだ。
コンコンコン!
私は急ぎ王妃の私室のドアを叩く。
「どうぞ」
中からはおっとりとした王妃の声。
「どういうつもりですか?」
「あら、挨拶も無しに入って来て貴方こそどういう事かしら?」
穏やかな笑みからかんじる寒気!
私は一旦深呼吸をする。
「申し訳ありません、失礼いたしました。しかしながら城にご令嬢を呼ぶなんて一体どういう事ですか?常々申しておりますがまだ結婚する気などありませんよ」
そう一気に捲し立てた。
「…わたくし、今日お呼びした令嬢が貴方のお客様だと言いましたかしら?」
ニッッッコリ!
「?!」
この笑顔。…怒っている。
「…それは、本日来られるご令嬢は王妃のお客様だということでしょうか?」
「ええ、その通りよ。貴方も聞いた事位はあるでしょう?マクシミリアン家のご令嬢が開発なさったとかいうフレーバーティーの事を。一度どのようなご令嬢なのか見てみたくてね。あのマクシミリアン家のご令嬢であるにもかかわらず今までご令嬢がいたなんて噂にも出て来なかったのに。一体どんなご令嬢なのかしらね?ふふふ」
怖い!微笑んでいるところがまた怖い!
私はまだ見ぬご令嬢に同情した。
どんなけばけばしいご令嬢が来るのかと警戒していたら(婚約者にしてくれなどと言ってくるかもしれん)現れたのは本当に貴族のご令嬢か?と疑いたくなるような地味ーなご令嬢だった。まぁ身に纏っているドレスは地味ながら質の良い物だったし本当なのだろう。しかしながらこんな地味で気が弱そうに見えるご令嬢があの王妃の相手が出来るのだろうかと心配になり、私は王妃と同行する事にした。
話をしてみると貴族の娘らしく受け答えもしっかりしている、流石に商売をしている者は違うなと思っていると、そのご令嬢の声に何やら聞き覚えが………。
何処で聞いたのだったか…最近のような気がするのだが。
!!!!
そうだ!あの夜会!年齢も私と同じ年だ!
そうだそうだ!しかしながらこのようなご令嬢と話をしただろうか?うーん。
……カーテン!そうだカーテン令嬢の声に似ている。
私は夜会で出会ったご令嬢の話をする。
じっとご令嬢の顔を見る。
!!!
反応した!どうやら本人はしらばっくれるつもりらしいがこの反応!絶対にそうだ!
顔を見た訳ではないがあの日の護衛騎士の話によるとその令嬢は女神かと思う程の美人だったらしいがこの見た目はどういうことだ?私は後ろ姿しか見ていないが髪の色も違っている。
……ふっ、面白い。この令嬢なにかあるな。と考えていたら、その考えを見通したようにそのご令嬢に友達になってくれと王妃が切り出していた。
おいおいおい。皇太子殿下の友達になったご令嬢なんて聞いた事ないぞと思ったがこのご令嬢の秘密を暴くには丁度良い。
今度家に行く約束をミリア孃に取り付けて私はミリア孃を見送った。
「貴方が興味をもつなんて珍しいわね」
隣の王妃が探りを入れてくる。
「…先ほど申し上げたカーテン令嬢がどうやらミリア孃らしいのですよ。しかしその事をしらばっくれようとしているので何かあるのかと思いまして」
「あら、そんな理由なの?もっと色気のある理由なら良かったのに」
王妃がそう言って興味が失せたかのようにその場を去っていく。
これから面白くなりそうだとミリア孃が去った方向を振り返った。
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王妃様優しかったはずなのに王子様目線を書いたとたん腹黒に。
不思議現象。
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