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やっと現れた婚約者

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やはりと言うか当然と言うか、翌日学園ではビッチェさんとドナウドが言っていた事がデタラメだと広まった。
「まぁ当然ね」
私は教室に向かって歩く。あちこちから視線を感じるがまぁそれも仕方ないか。
「おい!ミレニア」
突然私を呼ぶ不躾な声。振り返るとそこには私の婚約者であるドナウドがいた。
「あら、おはようございます。ドナウド様。どうなさいました?ほぼ会った事も無い私を呼び捨てにして何の御用ですか?」
私は穏やかに微笑みながらそう言う。
「き、貴様は俺の婚約者なんだから呼び捨てで何が悪いんだ!」
あらあらあら、なんて頭の悪い事仰っているのかしらこの方。
「ふふふ、私の婚約者であるはずの貴方がさも当然の様に他のご令嬢を連れて歩いているのは何故なんでしょうね?」
私は笑いながら1歩彼に近付く。
「ぐっ・・・」
「貴方に貴様などと呼ばれる間柄では無かったと記憶していますが・・・いかがですか?」
また1歩近付く。
「私があのビッチェさんを虐めた、私が貴方のお母様から嫌われている・・・最近妙な噂ばかりで少々傷付いていますの、ふふふ。一体何処からそんな噂が立つのでしょう・・・ね?全く事実とは違う噂ですのに・・・ね?」
そしてもう1歩彼に近づき耳元に唇を寄せる。
「次はどのような手で来るのか楽しみにしていますわ。精々私を楽しませてね。私の退屈な婚約者様」
そして薄く微笑んだ私は彼から離れる。
「では御機嫌よう・・・ビッチェさんにもよろしくね」



今の彼とのやり取り、きっとまた周りの方達が広めて下さるでしょう。会話は聞こえずとも親密そうに映ったことでしょうね・・・ふふふ。

この噂を聞いてビッチェさんはどうするのかしらね。
楽しみだわ。

私は足取りも軽く教室へと向かうのだった。

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