ファンタスティック吉田

天野 みろく

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第9話 佐藤

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引きこもり歴20年。どうも、吉田です。

まず手前の部屋から確認する事に…
すると1Fから誰か上がってくる足音が聞こえる。

ビクッとする。侵入者?

『そこにいたのか。おい、5階からだよ。着いてこい行くぞ!』

『さ、佐藤さん?私、吉田と言います…』

『自己紹介は後でいい。5階の端から始めるぞ!』

少しだけ心細かった俺は安心した。

『は、はい。宜しくお願いします!』

一通り巡回が終わり、1階に降りて来た。

『じゃあ俺は忙しいから帰るよ。今の要領でやれば問題ないから』

『えっ!えー!まじっすか?』

『大丈夫だよ。問題ない。それじゃまた!』

そう言うと佐藤さんは敷地から出て行ってしまった。

『なーんだ。色々話ししたかったのに…』

『まぁ、要領は分かったし、基本ここは1人の現場だろうしな。』

恐らく佐藤さんは俺の為に自分の現場を抜け出して来てくれたのかもしれない。
慌ただしい様子からそう感じた。

後日、改めて礼を言う事にした。

肝試しや、YouTuberなど現れず無事朝を迎えた。

もしかしたら、週末に現れるのかもしれない…

『楽勝だな。良い仕事見つけたな。さすが俺!オーレ!』

一通りパソコン作業を終わらせた俺は戸締りをしコンビニに向かう事に。

『篠原さ~ん❤️今から会いに行きます~』

なんて独り言。
何だかワクワクしている俺がいた。

コンビニ店員 『イラッシャイマーセ』

篠原さんがいない。代わりに外国人の男性がレジに立っていた。

少しガッカリした俺。

『そんな上手い話し…』

その時背後から肩を叩かれた。

篠原 『おはよう!吉田さん!私6時でバイト終わりなの。』

吉田 『そうだったんですね!でも2時間以上も待ってもらって…』

篠原 『あー全然大丈夫。車で来てるから少し仮眠してたの』

吉田 『そうですか…実はあの現場何ですが…』

篠原 『お腹すいた。朝ごはんまだでしょ?とりあえずファミレス行こう!話しはそこで。さ、車に乗って!』

俺は大した事がない現場だったし、何のエピソードも無いことに申し訳なく思い断ろうとしたのだが、やはり少し強引な彼女に負け車に乗り込んだ。

『いらっしゃいませ~お二人様ですか?どうぞ~』

篠原 『朝定2つお願い!』

吉田 『すみません。篠原さん。何事も無く無事仕事終わって…』

俺は、プレハブで寝過ごしそうになった事、会社の佐藤さんが来てくれた事など
話した。

篠原 『……吉田さんさ、自分で霊感あると思う?』

吉田 『そんなの無いですよ。信じてもいないし…突然なんですか?』

篠原 『……佐藤さんって…本当に佐藤さんだった?顔とか覚えている?』

何を言ってるんだろう。篠原さんはもしかして変な人なのか?やばいかな…

篠原 『ねぇ、どうなの?』

月明かりと言えど薄明かりだし顔…
懐中電灯持つていたが相手の顔に向けたりしないし…
考えるとあまり覚えていない。

吉田 『でも、不審者では無いですよ。巡回の仕方教えてもらったし、テキパキ仕事する感じの人でしたけど?』

篠原 『……私ね、じ実はね、見えるの』

何でも子供の頃から霊感が強く生きている人と区別がつかないんだとか…
今はある程度修行して霊感スイッチのオンオフが出来るんだとか…

やばい。スピ系女子か…マジかよ。
多分、彼女の妄想だと俺は思った。

篠原 『疑ってるでしょ?変な女だと思ってるでしょ?』

吉田『えっ!い、いや~…俺、そう言うの信じないから…昨夜の人は佐藤さんじゃ無かったとしても、ちゃんとした人ですよ!』

篠原 『果たしてそうかしら?どうして断言出来る?』

吉田 『……』

物は言いようだ。多分、何を言ってもそこに繋げるに違いない。

すると突然俺の携帯が鳴った。

知らない番号だったが、でなければいけない気がした。

吉田 『もしもし。はい。あっ、佐藤さん?ゆ、昨夜はありがとうございました。』

佐藤 『どう言う事です?昨日電話が無いから心配していたんだけど、俺も現場でさ…』

俺の顔から血の気が引いていく……

佐藤さんによると何かあった時の為にパソコンの横に電話番号と簡単なメモ書きを置いていたらしいのだが…

連絡がなかったので心配して社長から番号を聞いて電話したのだと言う。

とりあえず無事巡回は終わった事を伝え、やんわりと誤魔化して電話を切ったのだった。

何はともあれファンタスティック!

続く
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