17 / 47
14 真祖の眷属と防衛兵器
しおりを挟む
レイジは、間近で見るその巨体に思わずに圧倒されていた。
「おぉ・・・改めて見ると、でけぇなワイバーン。」
「そうだね。私も、こんなに近距離で動いているワイバーンを見たのは初めてだよ。」
しみじみとそう言いながら、ワイバーンを撫でるリリィ。
つい先程まで今にも死にそうであったワイバーン達は、今はもう全ての傷が治っていた。
「凄まじいんだな、吸血鬼の再生能力ってのは。みるみる傷が無くなって行ったぞ。」
「この子達も、さすがに驚いているみたいだけど・・・ちゃんと私の言うことは聞いてくれるみたい。」
「ふむ・・・言語を持たない存在相手にも、眷属としての上下関係はしっかり通用するみたいだな。」
大人しく座るワイバーン。気のせいか、その瞳には理知的な光が浮かんでいるようにも見える。
「なんつーか・・・さっきまでは暴れる獣って感じだったが・・・」
「元々、竜の一族は知能は高いはずだよ。さっきまでは隷属の魔法で縛られていたから、正気じゃ無かったんだと思う。」
「隷属の魔法・・・そんなもんまであるのか。今はそれは無くなったのか?」
「うん。どうも、隷属の魔法より吸血鬼の上下関係の方が強いらしくて・・・眷属にした時に、勝手に消えたみたい。」
リリィの言葉に合わせるように、ワイバーンが短く吠える。
「グロォゥン」
そして、甘えるようにその大きな頭をリリィに擦り付ける。
「わっ・・・ふふっ、どうしたの?」
「感謝してるのかもな。こいつらも、望んであいつらに利用されてた訳じゃねえだろうし。」
「そう、だよね。結果論だけど、この子達を助けられて良かったかな。」
リリィはワイバーンの頭を撫で、優しく笑う。
その姿に、レイジは感嘆の声を漏らす。
「ほぅ・・・なんか、随分と様になってるな。竜を従える乙女か。神話や童話みたいだな。」
「か、からかわないでよ・・・」
照れたように頬を染めるリリィ。
と、その時レイジの後方から声が聞こえてくる。
【始祖。】
「ん、なんだ、パンドラ?」
レイジに声をかけたのは、未だ巨大な武装に身を包んだパンドラであった。
現れた少女の姿をした防衛兵器に、二頭のワイバーンは硬直する。
そして、その巨体を可能な限り小さく縮めて小刻みに震え始めた。
分かりやすく恐怖を覚えているワイバーンに、レイジは苦笑する。
「よっぽど怖かったみたいだな。まあ、パンドラはイカれた火力してたから当然かもしれないが。」
「それはそうだね。・・・というか、今更かもしれないけど・・・その子、一体何者なの?ガーディアンって言ってたけど、武装以外はただの女の子にしか見えないけど・・・」
「あー・・・確かに、わかんねえことだらけの存在ではあるな。・・・んで、パンドラ、何か言いたいことがあるのか?」
改めて問い返されて、パンドラは小さく頷く。
【現在、周囲一定範囲に敵性存在の反応はありません。当機は現在、装着兵装を展開していますが、エネルギーの浪費を防ぐため当武装の解除を推奨します】
「ふむ・・・その敵性存在ってのは、さっき俺が指定した存在以外も索敵対象にしてるのか?」
【肯定。現在当機に設定されている敵性存在は、始祖及びそれに従う吸血鬼以外の全ての存在です。】
「それ、ほとんど全ての生物が敵性存在ってことになるじゃねぇか・・・まあいい、要はこの辺には俺たち以外の生き物はいないってことか。・・・ところで、パンドラの言うエネルギーってのはなんだ?まさか電力じゃねえとは思うが・・・」
【当機の武装は、神殿より供給される魔力によって駆動しています。神殿には潤沢に魔力が保存されていますが、既に生産が停止しているため限りがあります。】
「ほぅ・・・魔力、魔力ねぇ・・・。」
パンドラの言葉を頷きながら聞くレイジ。
しかし、すぐに首を横に振る。
「いや今更だけど魔力ってなんだよ。なんかここまで流してたけどよ。生産って・・・電力みたいなものだって思っていいのか?」
【当機の武装には、電力駆動の物は存在しません。】
「電力の概念自体は分かるわけか・・・余計にややこしいな。・・・まあ、とりあえず限りのあるエネルギーで動いていることはわかった。パンドラ、武装を解除しろ。」
【了承。非戦闘形態に移行します。】
パンドラがそう言うと、その体を覆っていた数多の武装が光とともに消えた。
「・・・もう、その辺の現象に突っ込むのはやめとくか。」
諦め気味に呟くレイジ。
その視線の先では、全ての武装を解除して身軽になったパンドラの姿があった。
「わぁ・・・きれい・・・!」
思わず感動の声を漏らすリリィ。
先程まではバイザーに隠されていたパンドラの顔が顕になっていた。
まるで美術品のような輪郭と、完璧に左右対称のパーツ。
そして美しい青い髪が、腰まで流れている。
リリィは最初、人工物のような冷たい印象を受けた。
しかし、パンドラの放つ雰囲気とその顔は恐ろしい程に噛み合っていた。
武装を解除したパンドラは、リリィの胸ほどまでしか身長が無い。
無表情で小柄な少女は、まるで妖精のような非現実的な美しさを感じさせた。
「パンドラ、あなたそんなに綺麗なのにどうして顔を隠していたの?」
【頭部のバイザーは、武装を統括するデバイスです。戦闘状態では、各武装の連動性や効率を向上させる効果があります。】
「ば、ばいざー?でばいす?」
リリィは聞きなれない言葉に、混乱の表情を浮かべる。
「リリィ、その辺の疑問はまた今度確認するとしようぜ。」
「う、うん、そうだね。今ここで聞いても分からないと思うし・・・」
「それで、パンドラ。俺たちはそろそろここを出ようと思うんだが。この神殿を調べようかとも思ったが、管理者のおっさんのおかげである程度情報も得られたしな。お前はどうする?ここにいると、またさっきの兵士みたいな奴らが来ると思うが・・・」
レイジのその問いに、パンドラは相変わらずの無表情で答える。
【当機は特殊領域防衛兵器です。防衛対象に設定されている地点を離れることは出来ません。】
「あー・・・それって、防衛地点を変更したりとか・・・は、無理か。さっきの話だと、それをすると武装が使えなくなるだろうしな。」
【否定。始祖の権限であれば防衛地点の変更は可能です。変更した場合でも、始祖から直接魔力供給を受けることで装着兵装のみ使用可能です。】
「その言い方だと、さっき使った物以外にも武装があるのか?」
【肯定。当機は神殿内の防衛機構を全て統括、管理しています。神殿内の防衛機構についての説明を致しますか?】
「いや・・・今はいい。いずれにしろ、ここを離れると十全な力を発揮できなくなるのはわかった。」
レイジは少し考こむ。
そして、初めてパンドラが現れた時のことを思いだす。
「そういえば、パンドラは俺が起動するまではどこにいたんだ?」
【当機は休眠状態の際は、地下に存在する格納庫で待機しています。】
「その休眠状態は意識的に入れるものか?」
【肯定。】
「なるほど、な。よし、パンドラ。お前は一旦休眠状態に戻って格納庫で待機していろ。この神殿の機能をいずれ使わないとも限らないからな。」
【了承。特殊領域防衛兵器、『パンドラ』休眠状態に入ります。】
レイジの指示を受け、パンドラは頷く。
そして直後その体が光り・・・
光が消えた時には、パンドラの姿は消えていた。
「よし・・・とりあえず、これで今後来るであろう奴らとパンドラが戦闘状態に入ることは防げただろう。となれば、長居は無用か。・・・なぁ、おっさんは別にここじゃなきゃ話せない訳じゃねえよな?」
レイジは再び虚空に話しかける。
すると、すぐに返答が返ってきた。
『ああ。私の声を届かせる上で場所の制限はない。ただ、いつでも、なんにでも答えられる訳では無いが・・・』
「別にそれは構わねぇよ。必要な情報さえくれればな。」
『そこは心配しなくていい。先も言ったが、私は汝を全力でサポートする。そこを違える気はない。』
淀みないその答えに、レイジは愉快そうに小さく笑う。
「くくっ、まあ頼らせてもらうさ。・・・さて、リリィ。とりあえずここを離れるぞ。目的地は、さっき言っていたお前の同胞が居るっていう隠れ里だ。」
「あ、うん。わかった。えっと・・・この子達はどうする?」
「せっかく鹵獲したから、連れていくつもりだが・・・この世界に、指定した相手を追跡するような道具や魔法はあるのか?さすがに隠れ里が見つかるリスクは犯せない。」
レイジの問いに、リリィは少し考える。
「追跡する魔法も道具もあるにはあるけど・・・魔法の方は難しいから全部のワイバーンには使えないはず。あるとしたら道具だけど・・・」
リリィは、ワイバーンに付けられている首輪を見る。
「あの首輪、かな。あの首輪は隷属効果のあるものなんだ。今、隷属の魔法は無効化されてるけど・・・あの首輪に、場所を追跡する細工がされている可能性は高いかも。」
「なるほどな。破壊したり、取り外したりは出来るか?」
「取り外すのはちょっと難しいかも・・・壊せないことは無いと思うけど、爆発したりするかも。」
リリィの言葉を聞き、レイジはあっけらかんと言い放つ。
「じゃあ、ぶっ壊すか。」
「えぇっ!?い、今爆発するかもって言ったのに?」
「おいおい、忘れたのかよリリィ。今この場に、爆発程度で死ぬやつが居るか?」
「そ、それは・・・」
「よし、決まりだな。」
一方的に話を決めると、レイジはなんの迷いもなく、再度神像を動かした。
光とともに現れるパンドラ。
【ご命令を、始祖】
「おう、何度も悪いな。早速だが、ワイバーン達に付けられてる首輪を壊してくれ。」
【了承。】
頷くパンドラと、ワイバーンに向けられる銃口。
驚くリリィと恐怖するワイバーンに一切構わず。
パンドラは、高火力の銃撃をワイバーンに撃ち込んだ。
十数秒後。
「いやー、爆発とかしなくて良かったじゃねぇか。無事に壊せたしな。」
「・・・その、あなた達、大丈夫?」
楽しそうなレイジと心配そうなリリィの前には、全身を先程以上に縮こまらせた哀れなワイバーンの姿があった。
「おぉ・・・改めて見ると、でけぇなワイバーン。」
「そうだね。私も、こんなに近距離で動いているワイバーンを見たのは初めてだよ。」
しみじみとそう言いながら、ワイバーンを撫でるリリィ。
つい先程まで今にも死にそうであったワイバーン達は、今はもう全ての傷が治っていた。
「凄まじいんだな、吸血鬼の再生能力ってのは。みるみる傷が無くなって行ったぞ。」
「この子達も、さすがに驚いているみたいだけど・・・ちゃんと私の言うことは聞いてくれるみたい。」
「ふむ・・・言語を持たない存在相手にも、眷属としての上下関係はしっかり通用するみたいだな。」
大人しく座るワイバーン。気のせいか、その瞳には理知的な光が浮かんでいるようにも見える。
「なんつーか・・・さっきまでは暴れる獣って感じだったが・・・」
「元々、竜の一族は知能は高いはずだよ。さっきまでは隷属の魔法で縛られていたから、正気じゃ無かったんだと思う。」
「隷属の魔法・・・そんなもんまであるのか。今はそれは無くなったのか?」
「うん。どうも、隷属の魔法より吸血鬼の上下関係の方が強いらしくて・・・眷属にした時に、勝手に消えたみたい。」
リリィの言葉に合わせるように、ワイバーンが短く吠える。
「グロォゥン」
そして、甘えるようにその大きな頭をリリィに擦り付ける。
「わっ・・・ふふっ、どうしたの?」
「感謝してるのかもな。こいつらも、望んであいつらに利用されてた訳じゃねえだろうし。」
「そう、だよね。結果論だけど、この子達を助けられて良かったかな。」
リリィはワイバーンの頭を撫で、優しく笑う。
その姿に、レイジは感嘆の声を漏らす。
「ほぅ・・・なんか、随分と様になってるな。竜を従える乙女か。神話や童話みたいだな。」
「か、からかわないでよ・・・」
照れたように頬を染めるリリィ。
と、その時レイジの後方から声が聞こえてくる。
【始祖。】
「ん、なんだ、パンドラ?」
レイジに声をかけたのは、未だ巨大な武装に身を包んだパンドラであった。
現れた少女の姿をした防衛兵器に、二頭のワイバーンは硬直する。
そして、その巨体を可能な限り小さく縮めて小刻みに震え始めた。
分かりやすく恐怖を覚えているワイバーンに、レイジは苦笑する。
「よっぽど怖かったみたいだな。まあ、パンドラはイカれた火力してたから当然かもしれないが。」
「それはそうだね。・・・というか、今更かもしれないけど・・・その子、一体何者なの?ガーディアンって言ってたけど、武装以外はただの女の子にしか見えないけど・・・」
「あー・・・確かに、わかんねえことだらけの存在ではあるな。・・・んで、パンドラ、何か言いたいことがあるのか?」
改めて問い返されて、パンドラは小さく頷く。
【現在、周囲一定範囲に敵性存在の反応はありません。当機は現在、装着兵装を展開していますが、エネルギーの浪費を防ぐため当武装の解除を推奨します】
「ふむ・・・その敵性存在ってのは、さっき俺が指定した存在以外も索敵対象にしてるのか?」
【肯定。現在当機に設定されている敵性存在は、始祖及びそれに従う吸血鬼以外の全ての存在です。】
「それ、ほとんど全ての生物が敵性存在ってことになるじゃねぇか・・・まあいい、要はこの辺には俺たち以外の生き物はいないってことか。・・・ところで、パンドラの言うエネルギーってのはなんだ?まさか電力じゃねえとは思うが・・・」
【当機の武装は、神殿より供給される魔力によって駆動しています。神殿には潤沢に魔力が保存されていますが、既に生産が停止しているため限りがあります。】
「ほぅ・・・魔力、魔力ねぇ・・・。」
パンドラの言葉を頷きながら聞くレイジ。
しかし、すぐに首を横に振る。
「いや今更だけど魔力ってなんだよ。なんかここまで流してたけどよ。生産って・・・電力みたいなものだって思っていいのか?」
【当機の武装には、電力駆動の物は存在しません。】
「電力の概念自体は分かるわけか・・・余計にややこしいな。・・・まあ、とりあえず限りのあるエネルギーで動いていることはわかった。パンドラ、武装を解除しろ。」
【了承。非戦闘形態に移行します。】
パンドラがそう言うと、その体を覆っていた数多の武装が光とともに消えた。
「・・・もう、その辺の現象に突っ込むのはやめとくか。」
諦め気味に呟くレイジ。
その視線の先では、全ての武装を解除して身軽になったパンドラの姿があった。
「わぁ・・・きれい・・・!」
思わず感動の声を漏らすリリィ。
先程まではバイザーに隠されていたパンドラの顔が顕になっていた。
まるで美術品のような輪郭と、完璧に左右対称のパーツ。
そして美しい青い髪が、腰まで流れている。
リリィは最初、人工物のような冷たい印象を受けた。
しかし、パンドラの放つ雰囲気とその顔は恐ろしい程に噛み合っていた。
武装を解除したパンドラは、リリィの胸ほどまでしか身長が無い。
無表情で小柄な少女は、まるで妖精のような非現実的な美しさを感じさせた。
「パンドラ、あなたそんなに綺麗なのにどうして顔を隠していたの?」
【頭部のバイザーは、武装を統括するデバイスです。戦闘状態では、各武装の連動性や効率を向上させる効果があります。】
「ば、ばいざー?でばいす?」
リリィは聞きなれない言葉に、混乱の表情を浮かべる。
「リリィ、その辺の疑問はまた今度確認するとしようぜ。」
「う、うん、そうだね。今ここで聞いても分からないと思うし・・・」
「それで、パンドラ。俺たちはそろそろここを出ようと思うんだが。この神殿を調べようかとも思ったが、管理者のおっさんのおかげである程度情報も得られたしな。お前はどうする?ここにいると、またさっきの兵士みたいな奴らが来ると思うが・・・」
レイジのその問いに、パンドラは相変わらずの無表情で答える。
【当機は特殊領域防衛兵器です。防衛対象に設定されている地点を離れることは出来ません。】
「あー・・・それって、防衛地点を変更したりとか・・・は、無理か。さっきの話だと、それをすると武装が使えなくなるだろうしな。」
【否定。始祖の権限であれば防衛地点の変更は可能です。変更した場合でも、始祖から直接魔力供給を受けることで装着兵装のみ使用可能です。】
「その言い方だと、さっき使った物以外にも武装があるのか?」
【肯定。当機は神殿内の防衛機構を全て統括、管理しています。神殿内の防衛機構についての説明を致しますか?】
「いや・・・今はいい。いずれにしろ、ここを離れると十全な力を発揮できなくなるのはわかった。」
レイジは少し考こむ。
そして、初めてパンドラが現れた時のことを思いだす。
「そういえば、パンドラは俺が起動するまではどこにいたんだ?」
【当機は休眠状態の際は、地下に存在する格納庫で待機しています。】
「その休眠状態は意識的に入れるものか?」
【肯定。】
「なるほど、な。よし、パンドラ。お前は一旦休眠状態に戻って格納庫で待機していろ。この神殿の機能をいずれ使わないとも限らないからな。」
【了承。特殊領域防衛兵器、『パンドラ』休眠状態に入ります。】
レイジの指示を受け、パンドラは頷く。
そして直後その体が光り・・・
光が消えた時には、パンドラの姿は消えていた。
「よし・・・とりあえず、これで今後来るであろう奴らとパンドラが戦闘状態に入ることは防げただろう。となれば、長居は無用か。・・・なぁ、おっさんは別にここじゃなきゃ話せない訳じゃねえよな?」
レイジは再び虚空に話しかける。
すると、すぐに返答が返ってきた。
『ああ。私の声を届かせる上で場所の制限はない。ただ、いつでも、なんにでも答えられる訳では無いが・・・』
「別にそれは構わねぇよ。必要な情報さえくれればな。」
『そこは心配しなくていい。先も言ったが、私は汝を全力でサポートする。そこを違える気はない。』
淀みないその答えに、レイジは愉快そうに小さく笑う。
「くくっ、まあ頼らせてもらうさ。・・・さて、リリィ。とりあえずここを離れるぞ。目的地は、さっき言っていたお前の同胞が居るっていう隠れ里だ。」
「あ、うん。わかった。えっと・・・この子達はどうする?」
「せっかく鹵獲したから、連れていくつもりだが・・・この世界に、指定した相手を追跡するような道具や魔法はあるのか?さすがに隠れ里が見つかるリスクは犯せない。」
レイジの問いに、リリィは少し考える。
「追跡する魔法も道具もあるにはあるけど・・・魔法の方は難しいから全部のワイバーンには使えないはず。あるとしたら道具だけど・・・」
リリィは、ワイバーンに付けられている首輪を見る。
「あの首輪、かな。あの首輪は隷属効果のあるものなんだ。今、隷属の魔法は無効化されてるけど・・・あの首輪に、場所を追跡する細工がされている可能性は高いかも。」
「なるほどな。破壊したり、取り外したりは出来るか?」
「取り外すのはちょっと難しいかも・・・壊せないことは無いと思うけど、爆発したりするかも。」
リリィの言葉を聞き、レイジはあっけらかんと言い放つ。
「じゃあ、ぶっ壊すか。」
「えぇっ!?い、今爆発するかもって言ったのに?」
「おいおい、忘れたのかよリリィ。今この場に、爆発程度で死ぬやつが居るか?」
「そ、それは・・・」
「よし、決まりだな。」
一方的に話を決めると、レイジはなんの迷いもなく、再度神像を動かした。
光とともに現れるパンドラ。
【ご命令を、始祖】
「おう、何度も悪いな。早速だが、ワイバーン達に付けられてる首輪を壊してくれ。」
【了承。】
頷くパンドラと、ワイバーンに向けられる銃口。
驚くリリィと恐怖するワイバーンに一切構わず。
パンドラは、高火力の銃撃をワイバーンに撃ち込んだ。
十数秒後。
「いやー、爆発とかしなくて良かったじゃねぇか。無事に壊せたしな。」
「・・・その、あなた達、大丈夫?」
楽しそうなレイジと心配そうなリリィの前には、全身を先程以上に縮こまらせた哀れなワイバーンの姿があった。
0
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件
おおりく
ファンタジー
高校生の桜木 悠人は、不慮の事故で命を落とすが、神のミスにより異世界『テラ・ルクス』で第二の生を得る。彼に与えられたスキルは、他者の能力を模倣する『コピーキャット』。
最初は最弱だった悠人だが、光・闇・炎・氷の属性と、防御・知識・物理の能力を次々とコピーし、誰も成し得なかった多重複合スキルを使いこなす究極のチートへと進化する!
しかし、その異常な強さは、悠人を巡る三人の美少女たちの激しい争奪戦を引き起こすことになる。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる