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18 不死の検証と襲撃者
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陽の光もあまり届かない森の中を、二体の吸血鬼は進んでいく。
愚かにも襲ってくる魔獣を焔で追い返し、時には灰に返しながら順調にリリィの同胞の住む隠れ里に近付いて行った。
「しかし、魔獣ってのはなかなか面倒な存在だな。自分の同種が為す術もなくやられてるんだから、普通の動物だって距離をとるぞ?」
「魔獣はそんな当たり前が通用する存在じゃないよ。やつらは他の生き物への敵意だけで動いてるようなものだしね。」
「まさに、魔物だな。」
「とはいえ、無闇に殺すと森のバランスが崩れちゃうから・・・」
「だから、追い返してるわけだな。」
「そういう・・・ことっ!」
話している間にも、魔獣は襲ってくる。
「キリがねぇな。ていうか、こんな危険生物がたくさんいる場所によく住めるな。」
「別に、好きで住んでる訳じゃないよ。逃げて逃げて、辿り着いたのがここだっただけ。ここは魔獣が多いし何より辺境だから、人間達も来ないから。」
「なるほどな・・・」
レイジはリリィの説明に頷く。
鬱蒼とした森林は、資源自体は豊富そうだが開拓の難易度は高そうである。
「それで、隠れ里には何人くらいリリィの仲間がいるんだ?」
「今居るのは、二十四人。」
「思ったより少ないな。」
その感想に、リリィは少しだけ言葉に詰まる。
そして、小さくポツリと零す。
「たくさん殺されたし、たくさん捕まったから、ね。」
「それで生き残りが何とか集まって出来たのがその隠れ里ってわけか。・・・ただまあ、殺されたやつはもうどうしようもねぇが、捕まった奴らを見捨てる気は無いんだろ?」
「え?そ、それはもちろんそうだけど・・・突然どうして?」
驚いたように問うリリィに、レイジはむしろ呆れたように返す。
「いや、さっきお前が言ってたじゃねぇか。兵士たちの駐留してる場所を目指してあそこまで来たって。そこに捕まった仲間がいるんじゃねえのか?」
「あ、ああ・・・うん、そうだよ。」
リリィは納得したように頷く。
「私は攻撃魔法とかはみんなより苦手だったけど、魅了で相手を操ることは得意だったから・・・それを上手いこと使って、捕まった仲間を助けようと思ってたんだ。」
「彼我の戦力差をよく知らねぇからなんとも言えないが・・・かなり、無謀なんじゃねえか?」
レイジのその言葉に、リリィは沈痛な面持ちで小さく呟く。
「・・・そんなの、わかってたよ。でも、みんなを見捨てるなんて出来ないから。」
「くくっお優しいことだ。・・・まあ、いずれにしろ情報が欲しいな。最低限、地理を。出来れば敵の戦力も。」
「その辺は、ある程度なら情報は提供出来ると思う。・・・さあ、もうすぐ着くよ。」
リリィの言葉通り、周囲の環境に少しずつ人の生活の痕跡が見え始める。
「煙とかは見えねぇが・・・火は使ってないのか?」
「手に負えない強力な魔獣とかに襲われたら困るからね。熱が必要な時は、火じゃなくて魔法で熱そのものを出してるんだ。」
「便利なもんだな。レンジみたいなもんか。」
「れんじ?」
「いや、気にするな。・・・さて、リリィ、ちょっとそこで『止まれ』」
「えっ・・・?」
突然の命令に、リリィは強制的に立ち止まらされる。
そして、レイジはそんなリリィの前に出た。
困惑するリリィの前で、レイジは愉快そうに笑う。
「くくっお前の同胞はまるきり弱者という訳でもないらしい。」
「ど、どういうこと・・・?」
「ほら、来るぞ。」
レイジがそういった途端。
ヒュヒュンッ!
数本の矢が、レイジを襲った。
当然避けられるはずもなく、レイジの身体に矢が突き刺さる。
「なっ・・・」
驚愕し、言葉を失うリリィ。
対してレイジは、痛みに僅かに顔を歪めるがその口元は笑っている。
「なんだよ・・・頭は狙ってこねぇのか。悠長だな。」
「レ、レイジ!?大丈夫なの!?」
「当然痛ぇが・・・ま、さっきの空の旅の方がよっぽど辛かったな。」
言いながら、レイジは身体に刺さる矢を引き抜く。
引き抜いた瞬間、多量の血が吹き出るが・・・
「改めて見ると、つくづく意味不明な再生能力だな。」
矢によって空いた穴は見るまに塞がり、飛び散った血も蒸発したかのように消え去る。
「よし、『ついてこい』、リリィ。」
「えっ・・・うわわっ!!?」
命令を更新し、歩き出すレイジ。
その後ろを、リリィが付き従うように歩く。
混乱しているその顔が嘘のように、体は迷い無くレイジについて行っている。
「ちょ、ちょっとレイジ!何考えてるの!?」
「俺がリリィを認めたのは、お前の行動に迷いがなかったからだ。逆に、敵を前にしてすぐに行動できない者は満足な力を発揮できないまま死ぬ。」
「え、えっと、何が言いたいの?」
「ある種の試験だ。お互いにな。」
「お互いにって・・・うわっ、また!」
再び襲う矢。今度は手足だけでなく心臓や脳も貫く。
しかし。
まるで内側から押し出されるように、矢はレイジの体から抜けた。
「なるほど・・・明確に一度死ぬと、ひとりでに完全な状態に戻るんだな。」
「な、なんでそんな落ち着いてるの!?」
「検証だ・・・ぐぅっ!」
突然呻くレイジ。
「こ、今度はどうしたの!?」
「即死したら、痛みは感じないのかと思ったが・・・どうも、再生した後に痛みだけ来るみたいだ。くくっ、まさに呪いだな。」
笑うレイジ。
流石のリリィもこれには引き気味になる。
「れ、レイジって・・・痛いのが好きなの?」
「そんな訳ねぇだろ。いつだって痩せ我慢だ。」
「そうは見えないけど・・・」
脳や心臓を貫かれた上でのこの様子がただの見栄やはったりだとしたら、それはもう十分狂気だ。
「まあ、レイジはずっとそういう感じだったよね・・・それで、お互いの試験ってどういう意味?」
リリィもうレイジの常識外れな行動に突っ込むのは諦め、気になった点を聞く。
「まず、リリィの同胞が本当に戦力になるかを見極める。いくら吸血鬼になったとしても、中身が戦えない精神性のやつだったら意味がねぇ。」
「そこは、心配ないと思うけど。」
「そうみたいだな。それともうひとつアイツらが俺を見極める目的もある。脅威や力ってのは、一度敵対した方がわかりやすいからな。」
「そのために、矢の前に身を晒したの?無茶苦茶だよ・・・」
リリィの呆れ声に、レイジは苦笑を零す。
「さすがに、必要も無いのにお前に矢を受けろとは言えねぇからな。」
「必要があったら言うの?」
「当たり前だろ。なんだ、怖気付いたか?」
「冗談。その程度の命令、最初から覚悟してるよ。」
「くくっ、上等だ。」
矢を受けても構わず会話を続けるレイジ達。
と、その時。
「えっ・・・もしかして、リリィ!?みんな、ちょっと待って!」
襲撃者の一人が、レイジの後ろを歩くリリィに気付いた。
止まる矢の雨。
レイジはその声を聞くと立ち止まる。
「ふむ、まあ十分か。んじゃあリリィ、もう俺の後を着いてこなくてもいい。あとは説明頼んだ。」
「ええっ、そんな急に・・・。」
レイジに言われ、リリィはとりあえず前に出る。
「えっと・・・みんな、ただいま?」
そして、木々に隠れる襲撃者達に、その姿をはっきりと見せた。
「やっぱり・・・リリィじゃない!もう、一ヶ月もどこに行ってたのよ!」
すると、隠れていた襲撃者の一人が現れる。
出てきたのは、リリィと同様に角と尻尾を持つ女だった。リリィよりも少し年上らしく、身長はレイジよりも高い。
弓を扱うのに邪魔なためか、長く艶のある黒髪を雑にまとめている。
そして何よりも目を引くのは、その肢体である。弓を扱う為に無骨な服に身を包んでいるが、それでもなお溢れんばかりの豊満な胸部と、対照的に引き締まった身体。
森の中で汚れていながらも、その姿からは隠しきれない色香が漂っていた。
女はリリィに駆け寄り、その手をとる。
「無事みたいね・・・本当に心配したんだから・・・!」
「あ、あはは・・・その、黙って出ていってごめんね。」
バツが悪そうに謝るリリィ。
「ううん、こうやって帰ってきたんだからいいのよ。」
「ありがとう、セシリア。・・・それで、みんなに説明したいことというか、紹介したい人がいるんだけど・・・。」
リリィはレイジに視線を向ける。
それに気付き、レイジは口を開く。
「ともかく、一度落ち着ける場所にいこうぜ。そいつらも、俺がなんなのか気になってるだろうしな。」
「そ・・・そうよ!リリィ、何者なのその男!矢を全身に何度も受けて、脳も心臓も貫いたはずなのにどうしてピンピンしてるのよ!」
レイジの言葉に、今更それを思い出したのか女は詰め寄る。
「そ、それも説明するから・・・とりあえず、レイジはついてきて。私たちの里に案内するから。」
「ああ、わかった。」
そして歩き出すリリィ。その後ろをレイジがついて歩いていく。
「ちょ、ちょっとリリィ!ああもう、全部話して貰うわよ!」
そして置いていかれた女は一度そう言うと、駆け足でリリィ達を追いかけた。
愚かにも襲ってくる魔獣を焔で追い返し、時には灰に返しながら順調にリリィの同胞の住む隠れ里に近付いて行った。
「しかし、魔獣ってのはなかなか面倒な存在だな。自分の同種が為す術もなくやられてるんだから、普通の動物だって距離をとるぞ?」
「魔獣はそんな当たり前が通用する存在じゃないよ。やつらは他の生き物への敵意だけで動いてるようなものだしね。」
「まさに、魔物だな。」
「とはいえ、無闇に殺すと森のバランスが崩れちゃうから・・・」
「だから、追い返してるわけだな。」
「そういう・・・ことっ!」
話している間にも、魔獣は襲ってくる。
「キリがねぇな。ていうか、こんな危険生物がたくさんいる場所によく住めるな。」
「別に、好きで住んでる訳じゃないよ。逃げて逃げて、辿り着いたのがここだっただけ。ここは魔獣が多いし何より辺境だから、人間達も来ないから。」
「なるほどな・・・」
レイジはリリィの説明に頷く。
鬱蒼とした森林は、資源自体は豊富そうだが開拓の難易度は高そうである。
「それで、隠れ里には何人くらいリリィの仲間がいるんだ?」
「今居るのは、二十四人。」
「思ったより少ないな。」
その感想に、リリィは少しだけ言葉に詰まる。
そして、小さくポツリと零す。
「たくさん殺されたし、たくさん捕まったから、ね。」
「それで生き残りが何とか集まって出来たのがその隠れ里ってわけか。・・・ただまあ、殺されたやつはもうどうしようもねぇが、捕まった奴らを見捨てる気は無いんだろ?」
「え?そ、それはもちろんそうだけど・・・突然どうして?」
驚いたように問うリリィに、レイジはむしろ呆れたように返す。
「いや、さっきお前が言ってたじゃねぇか。兵士たちの駐留してる場所を目指してあそこまで来たって。そこに捕まった仲間がいるんじゃねえのか?」
「あ、ああ・・・うん、そうだよ。」
リリィは納得したように頷く。
「私は攻撃魔法とかはみんなより苦手だったけど、魅了で相手を操ることは得意だったから・・・それを上手いこと使って、捕まった仲間を助けようと思ってたんだ。」
「彼我の戦力差をよく知らねぇからなんとも言えないが・・・かなり、無謀なんじゃねえか?」
レイジのその言葉に、リリィは沈痛な面持ちで小さく呟く。
「・・・そんなの、わかってたよ。でも、みんなを見捨てるなんて出来ないから。」
「くくっお優しいことだ。・・・まあ、いずれにしろ情報が欲しいな。最低限、地理を。出来れば敵の戦力も。」
「その辺は、ある程度なら情報は提供出来ると思う。・・・さあ、もうすぐ着くよ。」
リリィの言葉通り、周囲の環境に少しずつ人の生活の痕跡が見え始める。
「煙とかは見えねぇが・・・火は使ってないのか?」
「手に負えない強力な魔獣とかに襲われたら困るからね。熱が必要な時は、火じゃなくて魔法で熱そのものを出してるんだ。」
「便利なもんだな。レンジみたいなもんか。」
「れんじ?」
「いや、気にするな。・・・さて、リリィ、ちょっとそこで『止まれ』」
「えっ・・・?」
突然の命令に、リリィは強制的に立ち止まらされる。
そして、レイジはそんなリリィの前に出た。
困惑するリリィの前で、レイジは愉快そうに笑う。
「くくっお前の同胞はまるきり弱者という訳でもないらしい。」
「ど、どういうこと・・・?」
「ほら、来るぞ。」
レイジがそういった途端。
ヒュヒュンッ!
数本の矢が、レイジを襲った。
当然避けられるはずもなく、レイジの身体に矢が突き刺さる。
「なっ・・・」
驚愕し、言葉を失うリリィ。
対してレイジは、痛みに僅かに顔を歪めるがその口元は笑っている。
「なんだよ・・・頭は狙ってこねぇのか。悠長だな。」
「レ、レイジ!?大丈夫なの!?」
「当然痛ぇが・・・ま、さっきの空の旅の方がよっぽど辛かったな。」
言いながら、レイジは身体に刺さる矢を引き抜く。
引き抜いた瞬間、多量の血が吹き出るが・・・
「改めて見ると、つくづく意味不明な再生能力だな。」
矢によって空いた穴は見るまに塞がり、飛び散った血も蒸発したかのように消え去る。
「よし、『ついてこい』、リリィ。」
「えっ・・・うわわっ!!?」
命令を更新し、歩き出すレイジ。
その後ろを、リリィが付き従うように歩く。
混乱しているその顔が嘘のように、体は迷い無くレイジについて行っている。
「ちょ、ちょっとレイジ!何考えてるの!?」
「俺がリリィを認めたのは、お前の行動に迷いがなかったからだ。逆に、敵を前にしてすぐに行動できない者は満足な力を発揮できないまま死ぬ。」
「え、えっと、何が言いたいの?」
「ある種の試験だ。お互いにな。」
「お互いにって・・・うわっ、また!」
再び襲う矢。今度は手足だけでなく心臓や脳も貫く。
しかし。
まるで内側から押し出されるように、矢はレイジの体から抜けた。
「なるほど・・・明確に一度死ぬと、ひとりでに完全な状態に戻るんだな。」
「な、なんでそんな落ち着いてるの!?」
「検証だ・・・ぐぅっ!」
突然呻くレイジ。
「こ、今度はどうしたの!?」
「即死したら、痛みは感じないのかと思ったが・・・どうも、再生した後に痛みだけ来るみたいだ。くくっ、まさに呪いだな。」
笑うレイジ。
流石のリリィもこれには引き気味になる。
「れ、レイジって・・・痛いのが好きなの?」
「そんな訳ねぇだろ。いつだって痩せ我慢だ。」
「そうは見えないけど・・・」
脳や心臓を貫かれた上でのこの様子がただの見栄やはったりだとしたら、それはもう十分狂気だ。
「まあ、レイジはずっとそういう感じだったよね・・・それで、お互いの試験ってどういう意味?」
リリィもうレイジの常識外れな行動に突っ込むのは諦め、気になった点を聞く。
「まず、リリィの同胞が本当に戦力になるかを見極める。いくら吸血鬼になったとしても、中身が戦えない精神性のやつだったら意味がねぇ。」
「そこは、心配ないと思うけど。」
「そうみたいだな。それともうひとつアイツらが俺を見極める目的もある。脅威や力ってのは、一度敵対した方がわかりやすいからな。」
「そのために、矢の前に身を晒したの?無茶苦茶だよ・・・」
リリィの呆れ声に、レイジは苦笑を零す。
「さすがに、必要も無いのにお前に矢を受けろとは言えねぇからな。」
「必要があったら言うの?」
「当たり前だろ。なんだ、怖気付いたか?」
「冗談。その程度の命令、最初から覚悟してるよ。」
「くくっ、上等だ。」
矢を受けても構わず会話を続けるレイジ達。
と、その時。
「えっ・・・もしかして、リリィ!?みんな、ちょっと待って!」
襲撃者の一人が、レイジの後ろを歩くリリィに気付いた。
止まる矢の雨。
レイジはその声を聞くと立ち止まる。
「ふむ、まあ十分か。んじゃあリリィ、もう俺の後を着いてこなくてもいい。あとは説明頼んだ。」
「ええっ、そんな急に・・・。」
レイジに言われ、リリィはとりあえず前に出る。
「えっと・・・みんな、ただいま?」
そして、木々に隠れる襲撃者達に、その姿をはっきりと見せた。
「やっぱり・・・リリィじゃない!もう、一ヶ月もどこに行ってたのよ!」
すると、隠れていた襲撃者の一人が現れる。
出てきたのは、リリィと同様に角と尻尾を持つ女だった。リリィよりも少し年上らしく、身長はレイジよりも高い。
弓を扱うのに邪魔なためか、長く艶のある黒髪を雑にまとめている。
そして何よりも目を引くのは、その肢体である。弓を扱う為に無骨な服に身を包んでいるが、それでもなお溢れんばかりの豊満な胸部と、対照的に引き締まった身体。
森の中で汚れていながらも、その姿からは隠しきれない色香が漂っていた。
女はリリィに駆け寄り、その手をとる。
「無事みたいね・・・本当に心配したんだから・・・!」
「あ、あはは・・・その、黙って出ていってごめんね。」
バツが悪そうに謝るリリィ。
「ううん、こうやって帰ってきたんだからいいのよ。」
「ありがとう、セシリア。・・・それで、みんなに説明したいことというか、紹介したい人がいるんだけど・・・。」
リリィはレイジに視線を向ける。
それに気付き、レイジは口を開く。
「ともかく、一度落ち着ける場所にいこうぜ。そいつらも、俺がなんなのか気になってるだろうしな。」
「そ・・・そうよ!リリィ、何者なのその男!矢を全身に何度も受けて、脳も心臓も貫いたはずなのにどうしてピンピンしてるのよ!」
レイジの言葉に、今更それを思い出したのか女は詰め寄る。
「そ、それも説明するから・・・とりあえず、レイジはついてきて。私たちの里に案内するから。」
「ああ、わかった。」
そして歩き出すリリィ。その後ろをレイジがついて歩いていく。
「ちょ、ちょっとリリィ!ああもう、全部話して貰うわよ!」
そして置いていかれた女は一度そう言うと、駆け足でリリィ達を追いかけた。
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