職場が宇宙の国際都市で、私があいつに恋をして。

プライドと実力と優しさと。

日が沈むと、亜美の心の闇は晴れた。
結果がどうなろうと、ここでの仕事が無くなったとしても、帰る場所は私がつくる。

待ってはいられない。
誰も待ってはくれない。
ただ、私は圭を越すのだ。

いつになるかは分からない。
でも、きっとできる。

勉強も頑張ろうと思う。

帰寮するとロビーでリアが新聞を読んでいた。
こんな時間に残っている理由は一つだ。

リアが亜美の姿を捉えるとすぐに歩み寄った。

「お疲れ。頑張ってるね。
これ、圭からの手紙。
さっき渡そうか迷ったんだけどさ、まだ顔が不本意そうだったから、私が勝手に止めてた。
ごめん。
でも、今の亜美ならこれ渡せるかなって」

亜美が手紙をゆっくりと開く。
小さな一筆箋に丁寧な字が並んでいた。