5 / 12
5話 ディナータイムの前に……
しおりを挟む
ぬるい紅茶を飲み干して、私はひと息つく。
となりのオフィクスは全く動じてないし、今までこう言うスキンシップだったでしょ? と過去の記憶が教えてくれる。
が、おい、レイヤ、こんな美味しい過去がありながら、どうして、お前は!
と思っても仕方がないので、今は私がレイヤ。
しっかりと、推させていただきますっ!!!!!!
でも、本当にオフィクスは優しいし、声はイケボだし、落ち着く。
私の高校生活が霞んでくるなー……
こんなイケメンの男子なんて、うちの学校にはいなかったし、通学途中の電車のなかでも見かけなかったなぁ。
この世界は美しいもので構築されてるのがすごくわかる。
きっとこのキラキラが普通だから、眩しいとも美しいとも思わないのか………
「ちょっと寂しいね」
もう1杯紅茶を淹れようかと、ポットを手に取り呟いた。
すぐにオフィクスがすりより、
「どうかしたか?」
「いえ、あー……ホームシック、みたいなものです」
「明日からは忙しい。今日の予定はあとはディナーだけだから、ゆっくり過ごそう」
カップを持った私の肩を優しく抱きとめ、ソファへと腰掛けさせるあなたは、私の彼氏かなんかですか!?!?
はぁぁぁぁ~………勘違いする!!!!!!!
まだ熱い紅茶を飲み込んだとき、ドアがノックされた。
「はい」
『あ、あたし! ソ、ソフィア! お菓子、一緒に食べない?』
ドア越しにでも大きな声だとわかる。
ドアを開けた先にいたのは、ソフィアと、双子座の神、ジェーとミニだ。
「レイヤの部屋、青でカッコいい! すごい素敵ねっ!」
ソフィアはトレイに載せたクッキーを落とさないように器用に運びながら入ってくる。
「ジェーもお呼ばれだよ!」
「ミニも来たよ! ね、レイヤはジェーとミニの見分けはつく?」
「ジェーは癖っ毛、ミニはストレート。しっかり見分けてます」
「「さすがだね!」」
なだれ込んできた子犬のような彼らに、私は紅茶を淹れて差し出した。
すぐに3人から歓声があがる。
「「「いい香りぃー」」」
目を輝かせる3人に呆れたため息をつきながら私は聞く。
「あんたたち、兄妹かなんか?」
「違うよ、レイヤ。あたしは一人っ子」
「ジェーはミニと兄弟!」
「ミニもジェーと兄弟だよ」
騒がしく紅茶を飲み、クッキーを頬張る彼らに、オフィクスが睨みをきかせた。
「少しは静かにしろ。レイヤが休めないだろ」
だがその鋭い視線もなんのその。
「だって、クッキー食べたかったもんね、ミニ?」
「うん、ジェーとミニは食べたかったの!」
紅茶のおかわりを催促され、注ぎ足してやると、ソフィアが顔を上げる。
「ね、レイヤ、レイヤはどこから来たの?」
「ん?」
「あたしさ、北海道の高校だったんだけど」
ちょ、今それ、ここで言う!?!?!?
となりのオフィクスは全く動じてないし、今までこう言うスキンシップだったでしょ? と過去の記憶が教えてくれる。
が、おい、レイヤ、こんな美味しい過去がありながら、どうして、お前は!
と思っても仕方がないので、今は私がレイヤ。
しっかりと、推させていただきますっ!!!!!!
でも、本当にオフィクスは優しいし、声はイケボだし、落ち着く。
私の高校生活が霞んでくるなー……
こんなイケメンの男子なんて、うちの学校にはいなかったし、通学途中の電車のなかでも見かけなかったなぁ。
この世界は美しいもので構築されてるのがすごくわかる。
きっとこのキラキラが普通だから、眩しいとも美しいとも思わないのか………
「ちょっと寂しいね」
もう1杯紅茶を淹れようかと、ポットを手に取り呟いた。
すぐにオフィクスがすりより、
「どうかしたか?」
「いえ、あー……ホームシック、みたいなものです」
「明日からは忙しい。今日の予定はあとはディナーだけだから、ゆっくり過ごそう」
カップを持った私の肩を優しく抱きとめ、ソファへと腰掛けさせるあなたは、私の彼氏かなんかですか!?!?
はぁぁぁぁ~………勘違いする!!!!!!!
まだ熱い紅茶を飲み込んだとき、ドアがノックされた。
「はい」
『あ、あたし! ソ、ソフィア! お菓子、一緒に食べない?』
ドア越しにでも大きな声だとわかる。
ドアを開けた先にいたのは、ソフィアと、双子座の神、ジェーとミニだ。
「レイヤの部屋、青でカッコいい! すごい素敵ねっ!」
ソフィアはトレイに載せたクッキーを落とさないように器用に運びながら入ってくる。
「ジェーもお呼ばれだよ!」
「ミニも来たよ! ね、レイヤはジェーとミニの見分けはつく?」
「ジェーは癖っ毛、ミニはストレート。しっかり見分けてます」
「「さすがだね!」」
なだれ込んできた子犬のような彼らに、私は紅茶を淹れて差し出した。
すぐに3人から歓声があがる。
「「「いい香りぃー」」」
目を輝かせる3人に呆れたため息をつきながら私は聞く。
「あんたたち、兄妹かなんか?」
「違うよ、レイヤ。あたしは一人っ子」
「ジェーはミニと兄弟!」
「ミニもジェーと兄弟だよ」
騒がしく紅茶を飲み、クッキーを頬張る彼らに、オフィクスが睨みをきかせた。
「少しは静かにしろ。レイヤが休めないだろ」
だがその鋭い視線もなんのその。
「だって、クッキー食べたかったもんね、ミニ?」
「うん、ジェーとミニは食べたかったの!」
紅茶のおかわりを催促され、注ぎ足してやると、ソフィアが顔を上げる。
「ね、レイヤ、レイヤはどこから来たの?」
「ん?」
「あたしさ、北海道の高校だったんだけど」
ちょ、今それ、ここで言う!?!?!?
1
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが
侑子
恋愛
十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。
しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。
「どうして!? 一体どうしてなの~!?」
いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
【長編版】悪役令嬢は乙女ゲームの強制力から逃れたい
椰子ふみの
恋愛
ヴィオラは『聖女は愛に囚われる』という乙女ゲームの世界に転生した。よりによって悪役令嬢だ。断罪を避けるため、色々、頑張ってきたけど、とうとうゲームの舞台、ハーモニー学園に入学することになった。
ヒロインや攻略対象者には近づかないぞ!
そう思うヴィオラだったが、ヒロインは見当たらない。攻略対象者との距離はどんどん近くなる。
ゲームの強制力?
何だか、変な方向に進んでいる気がするんだけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる