老舗カフェ「R」〜モノクロの料理が色づくまで〜

yolu

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第1話 今の現代世界のこと

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 洋館風の建物だが、ここはカフェになる。
 漆喰の壁にヒビがはしるが、それを隠すように蔦がはしり、木枠の窓の黒い艶が年数を物語っている。
 今では『老舗カフェ』の位置づけとなったcafe「R」。
 孫にあたる莉子が、このカフェを1人で切り盛りしている。

 莉子が玄関前の掃き掃除をしているところに、ちょうど朝刊が届いた。

「あら、莉子ちゃん、おはよう。はい、今日の新聞」
「おはようございますー。佐藤さん、今日も暑くなりそうですねー」

 挨拶と一緒に手渡された朝刊を莉子は開く。
 一面にあったのは、

【ゲートが現れて40年───】

「……40年かぁ……」

 そう、たった40年前だ。
 この現代の日本に、エルフが治める【フィールヴ】という異世界が【ゲート】と呼ばれる扉で繋がった。
 この40年は、彼らとの距離感をつかむために費やした時間といってもいい。

 多少のいざこざはあったが、互いに世界を侵略することなどはなく、それなりに平和的に進んできた。
 現代からは、建築技術や農業技術の提供とともに、企業として進出。
 エルフは日本に製薬会社を立ち上げ、難病に効く薬の開発から美容に至るまで、薬の調合においてかなりの技術を提供してくれている。
 さらに美しい種族でもあるためモデルやタレントとしてテレビで見ない日がないほどだ。


 40年かけて、お互いの立場を理解しあえたことから、異世界と現代の行き来は自由だ。
 ただ、いろいろ制約もあり、移動するための金額も高額なため、そうやすやすと行き来できないのが現実ではある───
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