老舗カフェ「R」〜モノクロの料理が色づくまで〜

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第24話 買い出し再開!

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 楽しいお寿司の時間をおえ、莉子とエルフ4人は再び移動を始める。
 しかしながら、莉子はまわりの視線が気になるようだ。

 特に女性からの視線が、痛い!

「何でこんなに見られるんですかね……」
「それは簡単だ。リコが美しいからだ」

 莉子が頬を撫でるイウォールの手を払うと、ケレヴが振り返った。

「ここの女は金持ちばっかで、エルフを飼うのが趣味なんだよ」
「飼う……?」
「エルフはブランドバックと一緒なんですよ」

 アキラが肩をすくめて言うが、時代はそんなことになっていたとは……。
 莉子の知らない世界がここにはまだまだあると思い知らされる。
 たくさんの人に会って、話をしているつもりだった莉子だが、井の中の蛙であることを改めて理解した。

「だからリコ、私の腕をつかんでかまわない。そうすれば、リコを守れる」
「守るって、どう言う意味ですか?」

 ウキウキで腕をからめてくるイウォールを押しのけながら尋ねると、トゥーマが笑う。

「そのまま。人間慣れしてるエルフは珍しいから、リコを蹴落として、エルフを手に入れようって魂胆。巷じゃ、エルフと付き合うと若返るとか噂があったりさ。とにかくエルフは重宝されてんの」
「なななんですか、それ」
「だから、リコ、大人しくイウォールの腕つかんどけ。ある程度俺も虫は避けてやるが、人間は貪欲だからなぁ……」
「魔法使えるように法律変えた方がいいと、私、思います。と言うか、そんなに危険な場所なら、別なところにいきましょうよ」

 莉子が4人へ懇願するように言うが、みんなは首を小さく傾げている。

「ここじゃないといいのないし、オレたちがリコを守ればそれでいいじゃん」
「なんでそんなにトゥーマさんはあっけらかんってしてるんですか」
「こういうのはトゥーマに任せてください」

 アキラは優しく微笑み、トゥーマの横へ。
 すると、数人の若い女性がトゥーマにかけよっていった。

 何事かと見つめる莉子に、トゥーマはツーショット写真を撮り、さらには雑誌にサインを入れている。
 アキラはその女性とトゥーマのフォローをしていて、なんてファンサービス旺盛な人たちなのでしょう。

 ……が、意味がわからない!

 無理やり腕を組まされたイウォールに、莉子は尋ねた。

「トゥーマさんって、……モデルさん、なんですか?」
「リコ、聞いてなかったか? あれでもうちの会社の社長だ。よく雑誌に取り上げられてる。私はそうは思わないが、トゥーマは美しい青年社長なんだそうだ」
「え、なにそれ聞いてないです。雑誌も見てるようで見てないから……はぁ……すみません、世間知らずすぎました……」

 がっくりと項垂れた莉子の頭をイウォールが優しく撫でた。

「そんなに落ち込まないで、リコ。私たちは普通に接してくれるリコがいいんだ。エルフでも特別じゃないっていうのが、いいんだ」

 あまりに優しく微笑まれるので、莉子は手を退かせられない。
 瞬間、人がぶつかった。
 とっさに莉子は謝るが、相手は逃げるように去っていく。
 それで思わず莉子は振り返った。
 高いヒールを履きこなす清楚なマダムだ。
 はみ出るような歩き方はしていなかったはずだが、ぶつかったのは申し訳ない。

「……なんだろ、びっくりした」

 前を見ると、スムージーがべっとりと服に……

「ついてない! なにこれ?」

 イウォールが人差し指でくるりと円を描くと、少し離れた街路樹にびちゃりと流れていく。

「ね、リコ。危ないだろ? 私にしっかりくっついて歩いているといい」

 振り返ったケレヴはニコニコと笑うだけだ。

 改めて、とんでもない人たちといっしょにいるんだと、莉子は覚悟を決めた。

「あ、リコ、ここのセレクトいいんだよ。ここでカップ買おうぜ!」

 トゥーマの声についていくと、そこは裏路地にある、小さなセレクトショップにたどり着いた。
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