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033.過ぎる
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モンスター収集家が自分のコレクションを眺めて頬を緩めている。
壁に掛けられた大小いくつもの穴は特区のあらゆる場所に繋がるトンネルや異次元と繋がっているワームホールである。
二つの人頭を持つ犬と胸に人間の顔を持つ犬これは反自治勢力から秘密裏に譲り受けた、犯罪者とモンスターとの移植物。
いくつもの水槽には濁った色、鮮やかな色、様々な色のスライムが泳ぎ、細かい網の中には霧状のモンスターが浮いていた――どちらの容器もモンスターが逃げないように特別な素材に結界が施された特注品である。
胸が打ち震える景色である。収集家はこのコレクションルームに入るたびに、子供のように心が踊り胸が弾むのであった。
奇怪で愛おしい形、それから人間の頭では想像もつかない謎の音を出し威嚇してくる。訪れるたびに姿を変えているのを発見した時は、自分のことを認識しているのだと思い興奮して夜も眠れぬ始末。楽園だった。まさに、収集家にとって、モンスター部屋は楽園。
――このモンスターたちを見て、収集家には日ごろから募る思いがある。
モンスターになりたい。
自分もこの仲間に入りたい。
子供のころから怪異が好きだった。屋敷の警護の隙間をぬって、空き地や路地裏に馳せ参じる。そこで見つけた小さなモンスターや怪異を見るたびに、この愛おしい生物たちと一緒に暮らせたらと毎夜モンスター部屋の構想を練っていた。家を継いでから、その構想を現実にし、特区各地からモンスターや怪異を取り寄せてはこのコレクションルームに囲い込んでいる。
そのうち、気が付いたことがある。自分はモンスターのいる生活に身を置きたいだけではないということ。モンスターや怪異と共に住むだけでは飽き足らず、自らがモンスターになりたいと願うようになっていた。
思いが募ったある日、収集家は自身が所有しているモンスターの目録を持って、移植専門の医療機関へと駆け込んだ。
当然、医者は渋い顔をする。移植と言っても、本来は失われた臓器や身体を移植するための技術であって、好奇心からモンスターと結合したいという欲望を満たすためのものではないからである。また、違う性質のものを移植するということも簡単なことではないだろう。
ただ、医者にも興味はあった。モンスターは人間に移植できるのか。そして、自分の腕は通用するのか。
多額の資金を投じて、人間にモンスターを移植する計画が実行された。資産のある収集家にとってははした金である。
実験は順調だった。
今、収集家はは、腹に穴を付け、背にも違う穴を付けて嬉しそうに生活をしている。
壁に掛けられた大小いくつもの穴は特区のあらゆる場所に繋がるトンネルや異次元と繋がっているワームホールである。
二つの人頭を持つ犬と胸に人間の顔を持つ犬これは反自治勢力から秘密裏に譲り受けた、犯罪者とモンスターとの移植物。
いくつもの水槽には濁った色、鮮やかな色、様々な色のスライムが泳ぎ、細かい網の中には霧状のモンスターが浮いていた――どちらの容器もモンスターが逃げないように特別な素材に結界が施された特注品である。
胸が打ち震える景色である。収集家はこのコレクションルームに入るたびに、子供のように心が踊り胸が弾むのであった。
奇怪で愛おしい形、それから人間の頭では想像もつかない謎の音を出し威嚇してくる。訪れるたびに姿を変えているのを発見した時は、自分のことを認識しているのだと思い興奮して夜も眠れぬ始末。楽園だった。まさに、収集家にとって、モンスター部屋は楽園。
――このモンスターたちを見て、収集家には日ごろから募る思いがある。
モンスターになりたい。
自分もこの仲間に入りたい。
子供のころから怪異が好きだった。屋敷の警護の隙間をぬって、空き地や路地裏に馳せ参じる。そこで見つけた小さなモンスターや怪異を見るたびに、この愛おしい生物たちと一緒に暮らせたらと毎夜モンスター部屋の構想を練っていた。家を継いでから、その構想を現実にし、特区各地からモンスターや怪異を取り寄せてはこのコレクションルームに囲い込んでいる。
そのうち、気が付いたことがある。自分はモンスターのいる生活に身を置きたいだけではないということ。モンスターや怪異と共に住むだけでは飽き足らず、自らがモンスターになりたいと願うようになっていた。
思いが募ったある日、収集家は自身が所有しているモンスターの目録を持って、移植専門の医療機関へと駆け込んだ。
当然、医者は渋い顔をする。移植と言っても、本来は失われた臓器や身体を移植するための技術であって、好奇心からモンスターと結合したいという欲望を満たすためのものではないからである。また、違う性質のものを移植するということも簡単なことではないだろう。
ただ、医者にも興味はあった。モンスターは人間に移植できるのか。そして、自分の腕は通用するのか。
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