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「て、照……?」
学が照の名を呼んだ。その言葉も聞こえないかのように、ぶるぶるとか身体を震わせながら学とアルファたちの方へ大股で照が歩いて来る。途中、椅子を掴んだかと思うと、そのまま、机をフルスイングして傍にいたアルファをなぎ倒した。
「えっ」
その椅子をアルファに投げつけて、もう一人なぎ倒す。学の周りにいた二人のアルファが教室の端まで吹っ飛ばされた。
他のアルファは呆然としていた。しかし、照が近づいて来ると、はっとして、それを迎え入れるように立ち上がった。
「てめえ、ぶっとばすぞ!」
学の拘束する手アルファの手が緩む。アルファ達は学を犯すのを忘れて照に掴みかかろうとしていた。
「照!」
照に襲い掛かろうとするアルファの足を学は引っ張た。すでにアルファは照の腕と足を抑え込んでいる。学もよろよろと照に近づき、アルファの背中をこぶしで殴る。照が壊される──! そう思いながら、学はアルファと照の間に入り込んだ。今度は学がアルファに殴られる。
どうにもならない、と覚悟したその時だった。
がたんと再び大きな音が教室に響く。今度は、大きくドアを開く音だった。「中へ!」という大きな声と共に、入ってきたのは照のSPたちだった。
黒いスーツ姿が次々とアルファたちを後ろ手にする。アルファたちはひとまとめに取り押さえられ、教室の片隅に投げ出されていた。
教室の中はSPに制圧され、何事かと教師たちもやって来て、惨状に驚く。野次馬として学生も押し寄せていた。
女のSPが学と照に近づく。助け起こされ、怪我がないか確認をされた。
「大丈夫、だと思う。……照!」
SPへのジェスチャーもそこそこに、照は女性SPを横に追いやると隅で拘束されているアルファたちにずかずか近づいていった。そして、その一人一人に強い平手打ちを食らわせていく。ぱあん、という音がいくつも響いた。
学の耳に震えた声が聞こえた。
「二度と学に近づかないで」
照が学を振り向いた。仁王立ちでぶるぶる震えている。アルファに向けて怒り、歪んでいた顔は、学を見ると泣き顔に変わってしまった。目が合うなりぼろぼろと涙があふれていく。
照は泣きながら立ったままだった。学のところに来るのをためらっているようで、一歩二歩歩こうとするものの、足がすくんで上手く進まない。
自分のせいで危ない目に合わせた、学はそう思っていた。同時に、照も同じことを考えていそうだな、と思っていた。照のしぐさは、なんとなく学ぶにはわかるのだ。
学は照を呼んで手を差し出した。
「照、おいで」
学のその言葉で照りは弾かれたように駆けてくる。座っている学に抱き着き、うっうっと泣いて、身体はがくがくと震えていた。学も身体は震えていたが、照をきつく抱きしめる。
「怪我してない?」
首を縦に振ってうんうん、と頷く照の頭を、学は撫でていた。誘拐、目の前で友人が暴行されそうになること、自分が振るった暴力、それを短い時間に経験して、そうとう怖かったに違いない。
照が絞り出すように声を出した。
「学が、怪我しなくてよかった」
それからえーんと声を上げて、照は泣き始めてしまった。
SPにタオルを羽織られつつ、学はしばらく照の身体を抱きしめていた。
学が照の名を呼んだ。その言葉も聞こえないかのように、ぶるぶるとか身体を震わせながら学とアルファたちの方へ大股で照が歩いて来る。途中、椅子を掴んだかと思うと、そのまま、机をフルスイングして傍にいたアルファをなぎ倒した。
「えっ」
その椅子をアルファに投げつけて、もう一人なぎ倒す。学の周りにいた二人のアルファが教室の端まで吹っ飛ばされた。
他のアルファは呆然としていた。しかし、照が近づいて来ると、はっとして、それを迎え入れるように立ち上がった。
「てめえ、ぶっとばすぞ!」
学の拘束する手アルファの手が緩む。アルファ達は学を犯すのを忘れて照に掴みかかろうとしていた。
「照!」
照に襲い掛かろうとするアルファの足を学は引っ張た。すでにアルファは照の腕と足を抑え込んでいる。学もよろよろと照に近づき、アルファの背中をこぶしで殴る。照が壊される──! そう思いながら、学はアルファと照の間に入り込んだ。今度は学がアルファに殴られる。
どうにもならない、と覚悟したその時だった。
がたんと再び大きな音が教室に響く。今度は、大きくドアを開く音だった。「中へ!」という大きな声と共に、入ってきたのは照のSPたちだった。
黒いスーツ姿が次々とアルファたちを後ろ手にする。アルファたちはひとまとめに取り押さえられ、教室の片隅に投げ出されていた。
教室の中はSPに制圧され、何事かと教師たちもやって来て、惨状に驚く。野次馬として学生も押し寄せていた。
女のSPが学と照に近づく。助け起こされ、怪我がないか確認をされた。
「大丈夫、だと思う。……照!」
SPへのジェスチャーもそこそこに、照は女性SPを横に追いやると隅で拘束されているアルファたちにずかずか近づいていった。そして、その一人一人に強い平手打ちを食らわせていく。ぱあん、という音がいくつも響いた。
学の耳に震えた声が聞こえた。
「二度と学に近づかないで」
照が学を振り向いた。仁王立ちでぶるぶる震えている。アルファに向けて怒り、歪んでいた顔は、学を見ると泣き顔に変わってしまった。目が合うなりぼろぼろと涙があふれていく。
照は泣きながら立ったままだった。学のところに来るのをためらっているようで、一歩二歩歩こうとするものの、足がすくんで上手く進まない。
自分のせいで危ない目に合わせた、学はそう思っていた。同時に、照も同じことを考えていそうだな、と思っていた。照のしぐさは、なんとなく学ぶにはわかるのだ。
学は照を呼んで手を差し出した。
「照、おいで」
学のその言葉で照りは弾かれたように駆けてくる。座っている学に抱き着き、うっうっと泣いて、身体はがくがくと震えていた。学も身体は震えていたが、照をきつく抱きしめる。
「怪我してない?」
首を縦に振ってうんうん、と頷く照の頭を、学は撫でていた。誘拐、目の前で友人が暴行されそうになること、自分が振るった暴力、それを短い時間に経験して、そうとう怖かったに違いない。
照が絞り出すように声を出した。
「学が、怪我しなくてよかった」
それからえーんと声を上げて、照は泣き始めてしまった。
SPにタオルを羽織られつつ、学はしばらく照の身体を抱きしめていた。
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