空から熟女がふってきた！？ 〜魔界でエッチなお姉さんハーレム〜

２９「仲間割れ」

「あはは～。精液、精液～」

　カオルは快感を貪るように腰を動かし続けた。

「カオル……。よくもやったわね」

　押しのけられて尻餅をついていたキャサリンがぼくたちをキッと睨みつける。目が怒りの炎で燃えている。

「許さないわ……。だいたいクリス。あんたもなんで抵抗しないのよ。私以外の女とやってんじゃないわよ」

「うぐ……。それはだな……。ま、まぁともかく落ち着けキャサリン。目が怖いぞ」

「落ち着いてられるかっ！」

　キャサリンの手が変形していく。魔法だ。指先が一つになって、腕が伸びる。一瞬のうちにカマキリの鎌みたいな形状になった。

「待て、待て待て待て。それは当たったら切れるぞ。血が出るぞ。下手したら死……」

「うるさいっ！」

　シャキン。

　カオルの髪が半分なくなった。

「あはは、何やってんだよキャサリン、外すなよ」

　バサラが笑っている。仲間割れが面白いらしい。

「ちょっと、何するのよ、キャサリン～！私の髪……。うわ～ん！」

　カオルは泣き出した。涙がポロポロこぼれる。頬を伝ってぼくのお腹の上まで滴り落ちてきた。

「こっちだって許さないんだから……。女の命をよくも……。てやー！」

　短くなった髪を変形させる。針のように固くなったそれを機関銃のように打ち出す。お前は妖怪の子か。　
　どうしよう。完全に仲間割れだ。

「どうりゃあー！」

「うにゃー！」

　　　◆◆◆

「どうしましょう、バサラさん。止めたほうがいいですかね？」

「ほっとこう。あいつらの問題だ。あいつらが解決するしかないさ。ーーにしても、情けないよなあ」

「ですね。クリスくんがもう少ししっかりしてくれるといいんですが」

　　　◆◆◆

　殺気立った空気。全身がピリピリする。これは、完全に殺し合いだ。キャサリンが鎌を振るい、カオルが針を打つ。両者は一歩も譲らない。彼女たちは血まみれになりながら戦っている。

「やめろ！二人とも！下手したらどっちかが死ぬぞ！」

「ご主人様は黙ってて！」

「あんたは引っ込んでて！」

　ぼくの言葉を聞く様子がない。どうしたものか。オロオロするしかない自分が情けない。
　その時、ぼくは閃いた。そうだ。ぼくにも魔法が使えたじゃないか。