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41「二人なら(エロ)」

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「あぁぁぁ、あっ」

 キャサリンは身体を痙攣させて、快感に酔いしれている。絶頂に達したのだろう。肉壁が収縮し、男根に強い圧力が加わる。
 ぼくも絶頂に達した。男根の先から精液をキャサリンの中に注ぎ込む。

「あっ、あっ、あぁーーー」

「出てる、私の中にいっぱい。クリスの精子がーー」

 精液を全て吐き出す。男根を引き抜くと、それは肉壺から溢れ出て白いシーツを汚した。

「キャサリン、愛しているよ」

「私もよ、クリス」


♦︎♦︎♦︎


「起きるのが遅いな。もう昼だぞ。自分たちは寝ているくせに、あたしにばかり仕事回すんじゃねえよ」

 寝室から出てくると、バサラが王座に腰掛けながらぼくたちを待っていた。

「悪い、バサラ。で、ペンシルタウンの件はどうなった?」

「ああ、やっぱりタエとカオルの仕業だったよ。あたしが直に会ってきたんだが、タエは置いてけぼりにされたことをひどく恨んでいてな……。それで盗賊になって街を襲っていたんだよ。カオルと組んでいるのが謎だったんだが、あいつも大鯨くんの中でお前に置いていかれたことがあったそうじゃねえか。それであいつはタエに同情してな。二人で街を襲い、お前の気を引こうって作戦のようだ」

「そうか……。やれやれ、迎えにいってやらないとな」

 ぼくはキャサリンに向き直り、キスをする。

「お熱いことで。じゃあ、あたしは次の仕事があるから。またな」

「ああ、また頼むよ」

 バサラは鳥に変身して窓から飛び立っていった。彼女は忙しい方が向いているのかもしれない。魔王って結構退屈だから、あの時は暴走してしまったのだろう。 
 ぼくとキャサリンはゆっくりと歩き出す。ペンシルタウンへ。タエとカオルを迎えに。
 城門から出ると、外はよく晴れていて、鳥が鳴いていた。
 空を見上げる。そこには青い地球が浮かんでいた。

「もうあそこに戻ることもないだろうな」

 ぽつりと呟くと、隣でキャサリンがクスリと笑った。

「戻りたいの?」

「いや、そうじゃない」

 ぼくは笑って首を振る。少し、嘘をついた。ぼくにはまだ地球に戻りたい気持ちがあった。しかし魔王になった今、それも難しいだろう。それにぼくにはキャサリンがいる。この女性を置いてはいけない。

「キャサリン、これからもずっと一緒にいてくれるかい?」

「もちろんよ」

 ぼくは魔王になった。これからいろいろな事があるだろう。しかしどんな困難も、幸福も、この女性と二人で共に歩んで行こう。
 一人では難しくても、きっと二人なら、できないことはない。
 二人は手を繋いで歩き出した。長い、長い旅路を。

終わり
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みんなの感想(1件)

なかしゅん
2020.03.28 なかしゅん

めちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました

解除
1 / 5

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