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9「謎の男の正体」
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翌日。昼過ぎに目を覚まして食事をとる。ガタガタ音を立てている古い窓の外に目をやる。まだ雨は降り続いていて、それは昨日より激しいくらいだった。しかも強風が吹き、雷鳴が時折響いていた。
食事を終えた私は、この天気ではほとんど役に立たないと思われる傘を手に外に出て、人形館への道を歩き出す。途中、傘が風で飛ばされそうになったので、道端に投げ捨てた(本当に役立たずだった)。ずぶ濡れになって走って、やっと人形館に着き、割れた窓から中に入ると、私は昨日の男を探す。
昨日の男。エリカを犯した野郎だ。彼女が男に乱暴されるのを見ていただけ、いや、その様子を見ながら自慰をしていた私が今更何をしようというのか。罪悪感。自分で自分がわからない。しかし私にはやるべきことがあった。それにひとつ、気になることもあった。
地下への隠された入り口を通り、階段を降りる。遠くで雷鳴が聞こえる。寒い。もっと着込んで来ればよかった。地下の部屋に着き、奥へ進んで、鉄の扉を開ける。
はたして、男は一人でまだその部屋にいた。私は無言で彼につかつかと近づき、顎を掴み、顔がよく見えるような角度に持ち上げた。彼は一切抵抗しなかったし、それどころか少したりとも自分から動くことがなかった。それもそのはずだ。彼の口は空気を吐き出すことはなく、その両目はガラス玉で、体はつぎはぎだらけだった。
そう、彼もまた、人形だったのだ。
私は納得して彼から手を放した。エリカは人形に犯されていたのだ。この、今は動かず喋らない、木偶の坊に。
家から持って来た酒瓶を取り出し、男の人形の頭から中身をぶちまける。
「あ~あ、勿体無い。ま、安酒だけどな」
ポケットからライターを取り出して、着火する。炎は一瞬で燃え上がり、人形の顔を火だるまにした。皮膚は溶け、ガラスの目の玉はこぼれ落ち、髪の毛は燃えてなくなった。悪臭が鼻を突く。火の勢いはとどまることがなく、人形の体をのみこみ、30分程度でその全てを燃やし尽くした。
食事を終えた私は、この天気ではほとんど役に立たないと思われる傘を手に外に出て、人形館への道を歩き出す。途中、傘が風で飛ばされそうになったので、道端に投げ捨てた(本当に役立たずだった)。ずぶ濡れになって走って、やっと人形館に着き、割れた窓から中に入ると、私は昨日の男を探す。
昨日の男。エリカを犯した野郎だ。彼女が男に乱暴されるのを見ていただけ、いや、その様子を見ながら自慰をしていた私が今更何をしようというのか。罪悪感。自分で自分がわからない。しかし私にはやるべきことがあった。それにひとつ、気になることもあった。
地下への隠された入り口を通り、階段を降りる。遠くで雷鳴が聞こえる。寒い。もっと着込んで来ればよかった。地下の部屋に着き、奥へ進んで、鉄の扉を開ける。
はたして、男は一人でまだその部屋にいた。私は無言で彼につかつかと近づき、顎を掴み、顔がよく見えるような角度に持ち上げた。彼は一切抵抗しなかったし、それどころか少したりとも自分から動くことがなかった。それもそのはずだ。彼の口は空気を吐き出すことはなく、その両目はガラス玉で、体はつぎはぎだらけだった。
そう、彼もまた、人形だったのだ。
私は納得して彼から手を放した。エリカは人形に犯されていたのだ。この、今は動かず喋らない、木偶の坊に。
家から持って来た酒瓶を取り出し、男の人形の頭から中身をぶちまける。
「あ~あ、勿体無い。ま、安酒だけどな」
ポケットからライターを取り出して、着火する。炎は一瞬で燃え上がり、人形の顔を火だるまにした。皮膚は溶け、ガラスの目の玉はこぼれ落ち、髪の毛は燃えてなくなった。悪臭が鼻を突く。火の勢いはとどまることがなく、人形の体をのみこみ、30分程度でその全てを燃やし尽くした。
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