悪役令嬢は呑んだくれ放浪の旅に出たい

はるみ

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3.ハイボール濃いめでっ

カッピカピのチータラ

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予想外のことに完全にパニックになっている私。


ギムレットはそんな私に王子様全開モードで、手渡そうとした干し肉を掴んでいる私の手を取り挨拶をしてきた。


「ヴァレンタイン王国第一王子、ギムレットです。麗しき御令嬢、お名前を頂戴してもよろしいでしょうか。」


・・・・・。


「ぎゃぁーーーっつ!!!」



思わず楳図かずお的な絶叫を上げてしまった。

カシスの強烈な叫び声に驚いて、ギムレットを始めとする周囲一同が固まる。


そんな中、グルグルのカオスな私の頭の中に昨晩キールと決めた事項が蘇る。

『第一王子には自分からは絶対に話しかけず、話しかけられても手短に応対し、カシスの印象を残さないこと。』


って、手短な応答っ、手短っ・・・・


「・・・よっ・・・良きにはからへっ!!」



なんじゃぃ、それっ!!!


ツッコミ所満載の訳のわからない上、完全に王族に対しての暴言を吐き捨て、私はその場を脱兎の如く走り去った。


その後、王宮の中を暴走し、走り疲れ倒れているところを捕獲され、お茶会の会場に戻された頃にはお茶会は解散していた。


帰りの馬車の中で、精神的にも肉体的にもクタクタな私に、お父様とお母様のお説教が追い討ちをかけた。


心配して屋敷の門の前まで来て待っていたキールの腕の中に帰ってきた私は、あの伝説の漫画の主人公、矢吹丈のようだった。


燃えたよ・・・
まっ白に・・・
燃えつきた・・・。




後日、
キールにお茶会での出来事を赤裸々に報告した。

全ての報告を受けたキールは、深く、、、それは深ぁーーく溜息をついた。


・・・決め事を守れず、目立った行動をとってしまいすいませんねぇ。。


しかし目立ったにせよ、婚約者候補として目立った訳では何処を捉えても決して無さそうなので、とりあえず様子見ということになった。


あんな挙動不審で無礼極まりない行動をとった令嬢を、誰が自分の婚約者にと考えるか。

大変疲れたお茶会だったが、自分では第一王子の婚約者という破滅フラグを完全にへし折ったと考えていた。



・・・・1週間後までは。。



「カシス、でかしたっ!!! お前が第一王子の婚約者に選ばれたぞっ!!!」


愛人の家から?喜び勇んで帰っていきたお父様に、第1の破滅フラグが立ったことを宣告された。





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