悪役令嬢は呑んだくれ放浪の旅に出たい

5．日本酒入ります

今日のオススメ を【side ？？？】

僕には『僕のヒロイン』がいます。

いつも僕が困っていると、颯爽と現れ僕を助けてくれます。

彼女は僕の正義の味方です。
彼女が居てくるおかげで、僕の暗い惨めなだけの人生が花咲き光溢れるものになりました。


僕は5大公爵家の一角、xxx家の4男。
生まれつき右顎から胸にかけて大きな痣があり、その上
、色素が薄いせいで髪は淀んだネズミ色、瞳は朱色が差す灰色とまるで汚いドブネズミのような外観から、兄弟や周囲の者達から気持ち悪るがれていました。

体が小さく、力も無い僕は兄弟や、周りの子供達の格好の玩具とされ、常にいわれもない暴力に曝されてきました。


彼女と初めて会った日も、僕は兄弟達とその友人達に囲まれ暴力を受けていました。

外観の中傷から始まり、ゴミを投付けられ蹴られる。
いつもの事と、ただジッと事が過ぎるのを耐えながら待っていました。
そんな中突然、僕に暴力を加えていた者達が倒れ込みました。人によっては倒れ込んだ時に怪我を負ったようで流血をしていました。

あまりの突然の事に俯いていた顔を上げると、倒れた者達の後ろに妖精の様に美しいが禍々しい雰囲気を持った少女が佇んでいました。
僕は一目で彼女の歪なオーラに引き込まれ、虜になったことを自覚しました。

彼女は倒れ流血しもがく者達を見渡し、無垢な天使のような笑顔で言いました。

「遊ぼうっ！！」


後日、幼馴染みの令嬢に言葉の暴力を受けている時、また彼女が現れました。彼女は幼馴染みの令嬢の顔にケーキを押し付けて黙らせてくれました。

その別の日は、僕をよくいじめる兄の友人の腹を殴って復讐をしてくれました。

いつも僕に酷いことをする者達に報復をしてくれる彼女。
彼女はいつも僕を見ると微笑みかけてくれます。
その微笑みを見る度に僕は彼女と運命で繋がっている事を感じます。


15歳から入る学園の入学試験を受けた際は、彼女と同じクラスに入る為、頑張りました。

そこそこの点数をとるであろう彼女に合わせ、僕もそこそこになるよう点数を調整しました。
彼女の学力は調査済みです。
勿論、それ以外の色々なことも・・・。


彼女はとても魅力的なので、いつも周りの人達を魅了してしまいます。
その様子を見ていて僕は嫉妬で狂いそうになってしまうことが多々あります。

でも彼女は『僕のヒロイン』です。
他の誰にも譲る気はありません。


今は一時的に僕では無い人の婚約者になってしまっていますが、必ず『僕だけの人』になります。

だってそれが運命だから。

早く彼女を宝物のようにしまい込んで、僕だけしか居ない世界で二人だけで暮らしたい。

只今、その為に色々と計画を練っている途中です。