キミの次に愛してる

Motoki

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「さて、と」

 もう1度姉さんの墓前で手を合わせた裕文さんが、立ち上がる。

 そうしてクスクスと笑い出した。

「結局。めかし込んだ俺達を独り占め出来る女性は、由美だけってことか」

 その言葉には、僕もふふっと笑った。

「それこそ、『当たり前よ』って言ってますよ」

「――では哀しく男2人、今からデートと行きますか」

 せっかくめかし込んだし、と言った裕文さんに「えー」と不満の声を洩らしてみる。

「哀しく、ですか?」

「いえいえ。大変光栄です」

 これは失礼を、とお辞儀した裕文さんが、肘を三角に突き出す。

 ウィンクしてくる彼に、じゃれ付くように腕を絡めた。

「――ところで。俺を裕文さんって呼ぶのはどうなったのかな?」

 揶揄うように言い出した裕文さんに、「さあ?」ととぼけてみせる。

「当分先じゃないですか?」

 こつんと頭を叩いてきた裕文さんに、首を縮めるようにして、笑いながらしがみ付く手に力を込めた。






 この幸せを、運んでくれた姉さんに、とても感謝してる。




 そしてこの幸せを与えてくれる裕文さんには、
 生まれて初めての、狂おしい程の、恋しさを――……。



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