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緋い記憶
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肘を掴む教師に微笑を浮かべた彬は、他人の同行を拒絶した。
「一人で行けます」
歩き出した彬の後ろ姿を暫く見送っていた体育教師は、その足がふらついていない事を確認して視線を逸らせた。
ピィーと背後から笛の音が響き、サッカーの試合が再開された気配に彬は振り返った。
先程、自分と縺れるようにして転んだ男を視線で追う。
――あの足さばきは、『俊介』のもんだぞ。
信じられない思いで見つめ、手が無意識に体操着の左胸の部分を鷲掴みにした。
あの少し強引なボールの奪い方。あれは、他の奴に真似れるようなモンじゃねぇ。
しかし、そんな筈はない。あいつが俊介の訳はないし、そもそも俊介は死んだのだから。
――俺の、目の前で。
彬の視界が、緋く染まる。血が流れるように、上からゆっくりと……。
思い出すのは、血のように緋い夕陽。
人形のように、横たわるあいつの姿。
いつもの帰り道。普段よもり早く部活が終わったその日は、途中の公園でボールを蹴り合いながら、二人で帰っていた。
何気に蹴ったボール。予想以上の勢いで、それは道路へと飛び出した。
「一人で行けます」
歩き出した彬の後ろ姿を暫く見送っていた体育教師は、その足がふらついていない事を確認して視線を逸らせた。
ピィーと背後から笛の音が響き、サッカーの試合が再開された気配に彬は振り返った。
先程、自分と縺れるようにして転んだ男を視線で追う。
――あの足さばきは、『俊介』のもんだぞ。
信じられない思いで見つめ、手が無意識に体操着の左胸の部分を鷲掴みにした。
あの少し強引なボールの奪い方。あれは、他の奴に真似れるようなモンじゃねぇ。
しかし、そんな筈はない。あいつが俊介の訳はないし、そもそも俊介は死んだのだから。
――俺の、目の前で。
彬の視界が、緋く染まる。血が流れるように、上からゆっくりと……。
思い出すのは、血のように緋い夕陽。
人形のように、横たわるあいつの姿。
いつもの帰り道。普段よもり早く部活が終わったその日は、途中の公園でボールを蹴り合いながら、二人で帰っていた。
何気に蹴ったボール。予想以上の勢いで、それは道路へと飛び出した。
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