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白い影
序2
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「この前のは、『どのキーパーにも取れないシュート』だったよな?」
笑いを堪えながら、なんとか言葉を吐き出す。
「そりゃ、どのキーパーにも取れないよなぁ? だって、蹴り出しもしねぇんだから」
そう言って笑う彬に、俊介は拗ねたように顔を顰めた。
「うっさい」
「まーまー。この後じっくり見せてもらうからさ。その新技ってのを」
箸を揺らしながら言った彬に、俊介は何かを思いついたようにニヤリと笑ってみせた。
ズイと体を乗り出し、箸の先端で彬の顔を指し示す。
「お前にも、ゼッテー取れねぇ」
「――なんだと?」
その挑発に面白いくらい乗った彬が、好戦的に笑った。
「一度、どっちが上か、はっきりさせるべきだな」
「上等」
満足げに頷いて身を引いた俊介の肘が、弁当にあたった。カラランと軽い音と共に、弁当箱と中身が床に散らばる。
「ああぁーッ」
この世の終りのように叫んだ俊介に、彬は笑いながらおかずを自分の口へと入れた。
「神様ってのはさぁ、見てるモンだよなー」
笑いを堪えながら、なんとか言葉を吐き出す。
「そりゃ、どのキーパーにも取れないよなぁ? だって、蹴り出しもしねぇんだから」
そう言って笑う彬に、俊介は拗ねたように顔を顰めた。
「うっさい」
「まーまー。この後じっくり見せてもらうからさ。その新技ってのを」
箸を揺らしながら言った彬に、俊介は何かを思いついたようにニヤリと笑ってみせた。
ズイと体を乗り出し、箸の先端で彬の顔を指し示す。
「お前にも、ゼッテー取れねぇ」
「――なんだと?」
その挑発に面白いくらい乗った彬が、好戦的に笑った。
「一度、どっちが上か、はっきりさせるべきだな」
「上等」
満足げに頷いて身を引いた俊介の肘が、弁当にあたった。カラランと軽い音と共に、弁当箱と中身が床に散らばる。
「ああぁーッ」
この世の終りのように叫んだ俊介に、彬は笑いながらおかずを自分の口へと入れた。
「神様ってのはさぁ、見てるモンだよなー」
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