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白い影

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「本当なんだって。死んだばぁちゃん以外に、俺をそんな呼び方したヤツなんていないんだ」

「ばぁちゃんが、お前の友達になってどーすんだよっ!」

 拳を握って、それをフルフルと震わせる。一瞬といえど楽観視してしまった為に、彬の目は血走る程、怒りに燃えていた。

 それを横目に見た隆哉がユルユルと立ち上がる。付き合っていられないとでも言いたげに、背中を向けた。

「悪いけど。俺、急いでるんだ」

 そう言って数歩足を進めた隆哉が、「ああ、そうだ」と振り返った。

依憑いひょうを聴いたのは俺だけど、俺はこれ以上何もする気はないから。これを解決したきゃ、君が思い出してあげるんだね、彼女の事。ちなみに彼女の依憑は、『失った友達のしるしを見つけて』だから」

 再び背中を向けた隆哉は、手をヒラヒラと振ってゆっくりと歩いて行った。






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