中2女子が夏休みに、異世界を救うことになりました!〜RPGにようこそ〜

さこゼロ

文字の大きさ
2 / 98
序章

夏休みの求人募集

しおりを挟む
夏休みに入った。

亜衣とお菊は駅前にあるショッピングモールに買い物に来ていた。とくに目的の物があった訳ではないが、お菊はとある文具店でノートとシャーペンを買っていた。

もうすぐ午後3時ということもあり、コーヒーショップで飲み物をテイクアウトする。日陰になってるベンチを見つけると、二人はそこに腰を下ろした。

「毎日暑いね。勉強する気も起きないよ」

亜衣がウンザリしたように愚痴を零す。

「宿題はしないとダメよ。去年の亜衣のこと知らないけど、今の一言で予想がつくよ」

お菊が「ふう」と溜め息をついた。夏休みの終盤に訪れるであろう自分の未来についても、同時に見えた気がしたからだ。

「私、考えたんだー」

亜衣はお菊の顔を覗きこんだ。

「毎日ダラダラ過ごしてるから、逆に宿題も捗らないんだよ」

亜衣とお菊は部活に入っていない。なので、こうして会うことでもなければ、ほとんど家から出ることはない。

「だからさお菊、何か一緒にやらない?」

亜衣はお菊の手をとると、熱い眼差しで見つめてきた。お菊は心の中で「私は順調なんだけど」と、とりあえず反論してみたが、敢えて口には出さなかった。亜衣と会う機会が増えるのは、お菊にとっても嬉しいことであるからだ。

「亜衣がやるなら、やってもいいよ」

ちょっとぶっきら棒に返事をする。こんなに仲良くなった友達はいないので、接し方が分からない。

「ホント?やりぃ!」

亜衣はそんなお菊の心の機微などお構いなしに、素直にワッと喜んだ。お菊はホッと一安心する。

「で、なにやる?」

亜衣はキラキラした期待の眼差しで、お菊を真っ直ぐに覗き込んだ。

(それを私に聞くのかよっっ!)

お菊は心の中で渾身のツッコミを入れた。

亜衣といると、お菊の内心はとても饒舌になる。でもこれが「とても亜衣らしい」とお菊の気持ちは暖かくなるのだ。

「そうねー」

お菊はとりあえず周りをキョロキョロする。するとベンチから少し離れたところに、ひっそりと佇む掲示板を見つけた。

何故だか惹き寄せられるような感覚になる。

「何かしら?」

お菊が急に歩きだしたので、亜衣は後からついていった。ふたりは掲示板の前に並んで立つ。

そこには1枚の求人広告が貼ってあった。

   ~~~

求人募集

あなたの正義の心で
世界を救ってみませんか?

特別な資格や年齢の制限なし
やる気と正義の心のある方大歓迎!

4時間以上勤務出来る方
日給 五千円~ 応相談

竜宮市役所 異世界支援課

   ~~~

「何これ?ゲームのバイト?」

亜衣は不思議そうに首を傾げた。

「でも市役所よ。ゲームなんてあるかしら?」

お菊もさすがに首を傾げる。

「よし!市役所ならここから近いし、今から行ってみよ」

「え?でも…」

お菊は少し戸惑いの表情を見せたが、亜衣はお構いなしにその手を引いて歩き始めた。

こんな怪しい求人広告見たことない。本当に大丈夫なの?お菊のなかで問答が飛び交う。

だけど、ワクワクしている自分も確かにいてる。亜衣と一緒なら、きっと楽しい。お菊は亜衣の横に追いつくと、吹っ切れた笑顔を亜衣に見せた。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...