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第1章
初めての戦闘 1
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市長は小柄だが恰幅がよく、頭髪はすでに無い。目元はにこやかで、白いちょび髭が生えていた。全体的に優しそうな印象の、初老の男性であった。
「ようこそカタン市へ。今回はエラく可愛らしい娘さんが来たもんじゃな」
市長がアイとおキクに握手を求めてきた。
「はじめまして。アイです」
「おキクです」
ふたりは市長の求めに応じながら自己紹介をする。
「まずはお決まりの事務連絡をしなくちゃならん」
市長の話が始まった。
・魔王軍は険しい山々が連なる北のワガザ連峰を拠点としている。
・国の北側3分の1程の領土は魔王軍に占領されているため詳しい情報は掴めていない。
・ここカタン市は最前線に程近い大型都市なので、前線基地として機能している。
「最後に、ラング国で一番の占い師の言葉を教えておこう」
~魔王は自身の持つ強大な力により、その身を滅ぼすであろう~
「予言を信じるなら、方法はどうあれ人類は必ず勝つという事じゃな。この言葉は我々人類の希望となっておる」
「…確かにそうですね」
おキクは思案顔で頷いた。
「しかも我々には、この希望を裏付ける旧い伝承が残っとるんじゃ」
市長の声に熱がこもり始める。
「反射結界と言ってな、相手の攻撃を倍加して跳ね返すという代物じゃ。魔王の最大の攻撃を引き出して、それを跳ね返すことが出来れば…」
「予言通りになるってことだね!」
アイの声も大きくなった。
「でも、伝承…なんですよね?」
おキクの言葉に、市長は一瞬ピクッとした。
「そうとおりじゃ。おキクさんは鋭いの」
市長は「ふぅ」と溜め息をついた。
「しかしの、最近になってやっと、赤き結界師と白き結界師という存在が必要だと分かったんじゃ」
市長は拳を頭上に振り上げると「これは大きな一歩じゃ!」と煙幕をバックに声を張り上げた。
「ん?」
アイは一瞬ポカンとなった。なんだかつい最近、どこかで聞いたようなワードである。
しかしそのとき、官邸内をサイレンがけたたましく鳴り響いた。続いて館内に放送が流れる。
「イレギュラー警報です。ただ今ここカタン市が魔物の襲撃を受けています!」
「なんじゃと!?」
市長の顔が緊張で強張った。それからアイとおキクに視線を向ける。
(このふたりが来たことが原因か!?)
「失礼します!」
部屋に駆け込んできた女性の秘書官が、市長の耳元に何やら報告している。
「とにかくいつもどおり、冷静に対処するんじゃ」
市長の指示を受け、秘書官は部屋から出ていった。
「この都市には、軍や冒険者の拠点もある。すぐに撃退してくれる筈じゃ。安心するといい」
市長は一度「コホン」と咳払いすると、ふたりに優しく笑いかけた。
「この屋敷も強力な魔法陣で護られておる。ここにおれば安全じゃ」
「ここは安全…て、街の人たちは?」
アイの声が焦って大きくなる。
「それも問題ない。都市の主要機関にも同じ魔法陣が施してある。緊急時にはそこに避難をする手筈になっておる」
「ここには魔王を倒すために来たんだから、私たちだって街の人を護るために戦うよ!」
「ふたりにはロクな戦闘経験もないと、知らせは受けておる。今は無理をするべきではない!」
市長の言うことは最もなのだが、アイには納得することが出来なかった。
「強い武器だって持ってるし、私行ってくる!」
「ま、待つんじゃ!」
アイは市長の制止を振り切って、勢いよく部屋を飛び出していく。
「市長さん。お気持ちは嬉しいのですが、私もじっとはしてられません」
おキクは市長に「ペコリ」と頭を下げると、アイを追いかけて部屋を飛び出していった。
「ようこそカタン市へ。今回はエラく可愛らしい娘さんが来たもんじゃな」
市長がアイとおキクに握手を求めてきた。
「はじめまして。アイです」
「おキクです」
ふたりは市長の求めに応じながら自己紹介をする。
「まずはお決まりの事務連絡をしなくちゃならん」
市長の話が始まった。
・魔王軍は険しい山々が連なる北のワガザ連峰を拠点としている。
・国の北側3分の1程の領土は魔王軍に占領されているため詳しい情報は掴めていない。
・ここカタン市は最前線に程近い大型都市なので、前線基地として機能している。
「最後に、ラング国で一番の占い師の言葉を教えておこう」
~魔王は自身の持つ強大な力により、その身を滅ぼすであろう~
「予言を信じるなら、方法はどうあれ人類は必ず勝つという事じゃな。この言葉は我々人類の希望となっておる」
「…確かにそうですね」
おキクは思案顔で頷いた。
「しかも我々には、この希望を裏付ける旧い伝承が残っとるんじゃ」
市長の声に熱がこもり始める。
「反射結界と言ってな、相手の攻撃を倍加して跳ね返すという代物じゃ。魔王の最大の攻撃を引き出して、それを跳ね返すことが出来れば…」
「予言通りになるってことだね!」
アイの声も大きくなった。
「でも、伝承…なんですよね?」
おキクの言葉に、市長は一瞬ピクッとした。
「そうとおりじゃ。おキクさんは鋭いの」
市長は「ふぅ」と溜め息をついた。
「しかしの、最近になってやっと、赤き結界師と白き結界師という存在が必要だと分かったんじゃ」
市長は拳を頭上に振り上げると「これは大きな一歩じゃ!」と煙幕をバックに声を張り上げた。
「ん?」
アイは一瞬ポカンとなった。なんだかつい最近、どこかで聞いたようなワードである。
しかしそのとき、官邸内をサイレンがけたたましく鳴り響いた。続いて館内に放送が流れる。
「イレギュラー警報です。ただ今ここカタン市が魔物の襲撃を受けています!」
「なんじゃと!?」
市長の顔が緊張で強張った。それからアイとおキクに視線を向ける。
(このふたりが来たことが原因か!?)
「失礼します!」
部屋に駆け込んできた女性の秘書官が、市長の耳元に何やら報告している。
「とにかくいつもどおり、冷静に対処するんじゃ」
市長の指示を受け、秘書官は部屋から出ていった。
「この都市には、軍や冒険者の拠点もある。すぐに撃退してくれる筈じゃ。安心するといい」
市長は一度「コホン」と咳払いすると、ふたりに優しく笑いかけた。
「この屋敷も強力な魔法陣で護られておる。ここにおれば安全じゃ」
「ここは安全…て、街の人たちは?」
アイの声が焦って大きくなる。
「それも問題ない。都市の主要機関にも同じ魔法陣が施してある。緊急時にはそこに避難をする手筈になっておる」
「ここには魔王を倒すために来たんだから、私たちだって街の人を護るために戦うよ!」
「ふたりにはロクな戦闘経験もないと、知らせは受けておる。今は無理をするべきではない!」
市長の言うことは最もなのだが、アイには納得することが出来なかった。
「強い武器だって持ってるし、私行ってくる!」
「ま、待つんじゃ!」
アイは市長の制止を振り切って、勢いよく部屋を飛び出していく。
「市長さん。お気持ちは嬉しいのですが、私もじっとはしてられません」
おキクは市長に「ペコリ」と頭を下げると、アイを追いかけて部屋を飛び出していった。
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