中2女子が夏休みに、異世界を救うことになりました!〜RPGにようこそ〜

さこゼロ

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第2章

2日目終了 1

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タルノ市の宿で一泊した翌朝、アイたちはディアの家に泊まっていたフォーラの元を訪ねた。

「すみません。私たち、今日の夕方までにカタン市に帰らないといけないんです」

今日は4日目である。

おキクは申し訳なさそうに告げた。

「あら、では帰りましょうか」

フォーラは笑って頷いた。

「え、良いんですか?なんでしたら私たちだけで帰りますけど?」

「元々今日帰るつもりでしたから、何の問題もありませんよ」

フォーラは口元に手を添えて「フフ」と笑う。

「すみません。我儘を言ったみたいで」

おキクは申し訳なさそうに頭を下げた。

「おキクさんたちには、本当にお世話になりっぱなしで大変感謝しています。こんな事で気に病まないでください」

「リン、また来いよ」

話を聞いていたナトリが、リンに声をかけた。

「うん、また来る」

「そしたらまたスゲー所に案内してやるからな」

「ホント?やったー!」

ナトリのその言葉に、リンが大喜びで万歳する。

その様子を見ていたディアが、やれやれと天を仰いで溜め息をついた。

   ~~~

午後に入り、アイたちはカタン市に到着した。

フォーラとリンに別れを告げると、アイたちは冒険者の詰所に向かう。

「あ、皆さーん」

詰所に入るとエリサが手を振って挨拶してきた。

「エリサさん!」

3人はエリサのそばに駆け寄ると、お辞儀をしながら挨拶を返す。

「また魔物、討伐してきたよ!」

アイが「エヘヘ」と頬を赤らめた。

「スゴいですね」

エリサが優しい笑顔で笑って返す。

「確認をお願いします」

フランが代表で、エリサに登録証を差し出した。

「はい、かしこまりました」

エリサは軽くお辞儀をすると、フランの登録証を両手で受け取る。それから端末の差込口に登録証を挿入しようとしたところで、一瞬動きが止まった。

(まさか…ないない!)

エリサは首を横に振りながら自嘲する。

たった2、3日でそう何度も驚かされては、長年詰所で働いてきた自身のプライドに関わる。エリサは一度大きく深呼吸をすると、登録証を挿入した。

PT討伐数

「灰色狼」 7体
「黒帝狼」 1体
「石撃鴉」 5体

「こ、黒帝狼!?」

エリサは思わず、大きな声が出た。

優先討伐に指定される危険度特A級の魔物である。

見つけ次第迅速な討伐が必要になるのだが、とても慎重な性格をしており、発見すること自体が困難なのだ。何処かにひっそりと身を隠し、魔物を呼び出し続ける厄介な存在であった。

「フランさんたちは、昨日は何処にいましたか?」

エリサは直ぐさま仕事モードに突入する。

「…タルノ市です。それからアマタノ森にも行きました」

「あんな所に!」

エリサは関連事項を検索する。確かに灰色狼による被害報告が、タルノ市、ネヤガー市周辺で頻発していた。更に灰色狼による襲撃予報も、この地域に偏っている。

コイツが原因であったのは間違いない。

黒帝狼の存在が確認されれば、軍隊が派遣されるケースが普通である。更には黒帝狼の特殊技対策として、高レベルの防護魔法の使い手の随伴が必須条件となっている。

それでも…人員の被害は覚悟しなければならないのが現状なのだ。本来なら、初心者パーティの冒険者3人でどうにかなる案件ではない。

「こんな魔物に…よく勝てましたね」

エリサの口から、呆れたような声が出た。

「あ、違いますよ!狼の魔物と鴉の魔物は、さすがに別々です!」

おキクが慌てて付け足した。

「確かに今思うと、同時だったら絶対に勝てなかった気がする…」

アイも神妙な顔で頷く。

(そういうレベルの話ではないのよ!)

エリサは喉まで出かかったその言葉を、なんとか寸前で飲み込んだ。それからスンと無表情で、別の言葉を口にする。

「へー、それは大変でしたねー」

そのとき響いた乾いた声は、しかしアイたちには気付かれなかった。
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