84 / 98
番外編
イバキ市奪還作戦 12
しおりを挟む
ハベードは自身の身長よりも長い杖で、再度地面をコツンとついた。同時に周辺の空一面に無数の魔法陣が出現する。
ホリンとターニャは周囲の警戒を強めた。
「なんだよ、やめたんじゃないのかよ?」
ターニャが面倒そうに愚痴をこぼす。
「そう、焦るな」
ハベードは「ククッ」と嗤うと、地面を杖でコンコンと2回ついた。途端に無数の魔法陣が一ヶ所に集まり、大きな魔法陣へと融合していく。
それに伴い落ちていた様々な武器や鎧の破片、抉れた岩盤等がガチャガチャと集合し、一匹の巨大な大蛇を形作る。
そうして大蛇は鎌首をもたげると、一気にホリンへと襲いかかった。
ホリンは光槍で大蛇の頭を横に薙ぐが、ガキーーンと甲高い音が鳴るだけでビクともしない。そのまま大蛇の勢いは止まらず、まるで噛み付くように大口を開けてホリンに突っ込んだ。
喰いつかれる寸前に、ホリンは槍を地面につき、オーラを伸ばす反動を利用してその場から離脱する。
大蛇は地面を抉り取るように突き進んだ後、再び鎌首をもたげ、ホリンの方に顔を向けた。
「成る程…厄介。魔法陣に固定さてるせいで、弾き飛ばせない」
ホリンはサッと周囲を確認すると、ターニャのそばに寄っていく。
「おい、コッチ来んな!オレも狙われるだろうが」
ターニャが慌てて距離を取った。しかし大蛇は、執拗にホリンを狙い続ける。
「なんで…ボクばっかり」
ホリンは大蛇の攻撃をかいくぐりながら、愚痴るように呟いた。
「ターニャ、今のうちにサッサとソイツ倒してよ」
「それがコイツ、なかなか堅ーんだよ!」
ターニャの攻撃は全て、ハベードの防護壁に阻まれてしまい本体まで届かない。
「地獄の業火!」
その瞬間ハベードの足下に、円形の魔法陣がパッと広がった。
「ぬ!」
魔法陣から噴き上がった炎の柱に、ハベードの姿が飲み込まれる。同時にターニャの目前に立ちはだかっていた防護壁が突然消え去った。
「え、やったのか?」
ターニャがパチクリと目を瞬かせる。
「まだですわ!」
直後に駆けつけたソアラが、鋭い声を発した。
やがて噴き出した炎が消滅すると、球状の防護壁に包まれたハベードが、フワリと宙に浮いていた。
~~~
「ボクを…警戒してるのか?」
何処に逃げても自分だけを執拗に狙い続ける大蛇の攻撃に、ホリンはひとつの仮説に辿り着く。
「だとしたら、ボクだけがコレを止められる?」
ホリンは周辺の様子を探った。この場で自分だけが持っているものと言えば、最初に思いつくのは闘気以外にない。
「コッチだ、そのまま来い!」
そのとき、凛とした女性の力強い声がホリンの耳に届いた。
「あれは…」
確か、黒い幻影。
ホリンは言われるがまま、真っ直ぐに駆け抜けた。
「電磁網」
「粘土壁!」
その瞬間、大口を開けてホリンに肉迫していた大蛇の顔を電気の網が絡め取り、さらに粘土の壁が受け止めた。
「今だ」
ホリンは瞬時に振り返ると、棒高跳びの要領で大蛇の頭上に躍り出る。そして真上から、光槍を大蛇の魔法陣目掛けて突き刺した。
次の瞬間、パリーンと魔法陣が砕け散り、大蛇の巨躯がバラバラと崩れ落ちていく。
「やはり、子ども騙しでは倒せぬか」
その様子を遠巻きに見ていたハベードが、落胆する素ぶりもなく嗤った。
直ぐさまホリンやアサノたちも合流し、ハベードの周りを取り囲む。
「親玉クラスだ、必ず倒すぞ!」
「やれやれ…頑張り過ぎたこと、後悔するが良い」
そのとき宙に浮いてるハベードが、杖の先端を地上に向けた。すると巨大な魔法陣が地面に描かれスーっと広がっていく。
同時に大地が大きく振動し、ゴゴゴと地響きをたてて岩石が迫り上がっていった。
「あらー…」
ターニャがポカンと口を開けたまま、背中を反らすように仰ぎ見る。
10mを超すであろう巨大な岩石の巨兵が、夜空をバックに佇んでいた。
ホリンとターニャは周囲の警戒を強めた。
「なんだよ、やめたんじゃないのかよ?」
ターニャが面倒そうに愚痴をこぼす。
「そう、焦るな」
ハベードは「ククッ」と嗤うと、地面を杖でコンコンと2回ついた。途端に無数の魔法陣が一ヶ所に集まり、大きな魔法陣へと融合していく。
それに伴い落ちていた様々な武器や鎧の破片、抉れた岩盤等がガチャガチャと集合し、一匹の巨大な大蛇を形作る。
そうして大蛇は鎌首をもたげると、一気にホリンへと襲いかかった。
ホリンは光槍で大蛇の頭を横に薙ぐが、ガキーーンと甲高い音が鳴るだけでビクともしない。そのまま大蛇の勢いは止まらず、まるで噛み付くように大口を開けてホリンに突っ込んだ。
喰いつかれる寸前に、ホリンは槍を地面につき、オーラを伸ばす反動を利用してその場から離脱する。
大蛇は地面を抉り取るように突き進んだ後、再び鎌首をもたげ、ホリンの方に顔を向けた。
「成る程…厄介。魔法陣に固定さてるせいで、弾き飛ばせない」
ホリンはサッと周囲を確認すると、ターニャのそばに寄っていく。
「おい、コッチ来んな!オレも狙われるだろうが」
ターニャが慌てて距離を取った。しかし大蛇は、執拗にホリンを狙い続ける。
「なんで…ボクばっかり」
ホリンは大蛇の攻撃をかいくぐりながら、愚痴るように呟いた。
「ターニャ、今のうちにサッサとソイツ倒してよ」
「それがコイツ、なかなか堅ーんだよ!」
ターニャの攻撃は全て、ハベードの防護壁に阻まれてしまい本体まで届かない。
「地獄の業火!」
その瞬間ハベードの足下に、円形の魔法陣がパッと広がった。
「ぬ!」
魔法陣から噴き上がった炎の柱に、ハベードの姿が飲み込まれる。同時にターニャの目前に立ちはだかっていた防護壁が突然消え去った。
「え、やったのか?」
ターニャがパチクリと目を瞬かせる。
「まだですわ!」
直後に駆けつけたソアラが、鋭い声を発した。
やがて噴き出した炎が消滅すると、球状の防護壁に包まれたハベードが、フワリと宙に浮いていた。
~~~
「ボクを…警戒してるのか?」
何処に逃げても自分だけを執拗に狙い続ける大蛇の攻撃に、ホリンはひとつの仮説に辿り着く。
「だとしたら、ボクだけがコレを止められる?」
ホリンは周辺の様子を探った。この場で自分だけが持っているものと言えば、最初に思いつくのは闘気以外にない。
「コッチだ、そのまま来い!」
そのとき、凛とした女性の力強い声がホリンの耳に届いた。
「あれは…」
確か、黒い幻影。
ホリンは言われるがまま、真っ直ぐに駆け抜けた。
「電磁網」
「粘土壁!」
その瞬間、大口を開けてホリンに肉迫していた大蛇の顔を電気の網が絡め取り、さらに粘土の壁が受け止めた。
「今だ」
ホリンは瞬時に振り返ると、棒高跳びの要領で大蛇の頭上に躍り出る。そして真上から、光槍を大蛇の魔法陣目掛けて突き刺した。
次の瞬間、パリーンと魔法陣が砕け散り、大蛇の巨躯がバラバラと崩れ落ちていく。
「やはり、子ども騙しでは倒せぬか」
その様子を遠巻きに見ていたハベードが、落胆する素ぶりもなく嗤った。
直ぐさまホリンやアサノたちも合流し、ハベードの周りを取り囲む。
「親玉クラスだ、必ず倒すぞ!」
「やれやれ…頑張り過ぎたこと、後悔するが良い」
そのとき宙に浮いてるハベードが、杖の先端を地上に向けた。すると巨大な魔法陣が地面に描かれスーっと広がっていく。
同時に大地が大きく振動し、ゴゴゴと地響きをたてて岩石が迫り上がっていった。
「あらー…」
ターニャがポカンと口を開けたまま、背中を反らすように仰ぎ見る。
10mを超すであろう巨大な岩石の巨兵が、夜空をバックに佇んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる