中2女子が夏休みに、異世界を救うことになりました!〜RPGにようこそ〜

さこゼロ

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番外編

イバキ市奪還作戦 12

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ハベードは自身の身長よりも長い杖で、再度地面をコツンとついた。同時に周辺の空一面に無数の魔法陣が出現する。

ホリンとターニャは周囲の警戒を強めた。

「なんだよ、やめたんじゃないのかよ?」

ターニャが面倒そうに愚痴をこぼす。

「そう、焦るな」

ハベードは「ククッ」と嗤うと、地面を杖でコンコンと2回ついた。途端に無数の魔法陣が一ヶ所に集まり、大きな魔法陣へと融合していく。

それに伴い落ちていた様々な武器や鎧の破片、抉れた岩盤等がガチャガチャと集合し、一匹の巨大な大蛇を形作る。

そうして大蛇は鎌首をもたげると、一気にホリンへと襲いかかった。

ホリンは光槍で大蛇の頭を横に薙ぐが、ガキーーンと甲高い音が鳴るだけでビクともしない。そのまま大蛇の勢いは止まらず、まるで噛み付くように大口を開けてホリンに突っ込んだ。

喰いつかれる寸前に、ホリンは槍を地面につき、オーラを伸ばす反動を利用してその場から離脱する。

大蛇は地面を抉り取るように突き進んだ後、再び鎌首をもたげ、ホリンの方に顔を向けた。

「成る程…厄介。魔法陣に固定さてるせいで、弾き飛ばせない」

ホリンはサッと周囲を確認すると、ターニャのそばに寄っていく。

「おい、コッチ来んな!オレも狙われるだろうが」

ターニャが慌てて距離を取った。しかし大蛇は、執拗にホリンを狙い続ける。

「なんで…ボクばっかり」

ホリンは大蛇の攻撃をかいくぐりながら、愚痴るように呟いた。

「ターニャ、今のうちにサッサとソイツ倒してよ」

「それがコイツ、なかなかかてーんだよ!」

ターニャの攻撃は全て、ハベードの防護壁に阻まれてしまい本体まで届かない。

地獄の業火ヘルフレイム!」

その瞬間ハベードの足下に、円形の魔法陣がパッと広がった。

「ぬ!」

魔法陣から噴き上がった炎の柱に、ハベードの姿が飲み込まれる。同時にターニャの目前に立ちはだかっていた防護壁が突然消え去った。

「え、やったのか?」

ターニャがパチクリと目を瞬かせる。

「まだですわ!」

直後に駆けつけたソアラが、鋭い声を発した。

やがて噴き出した炎が消滅すると、球状の防護壁に包まれたハベードが、フワリと宙に浮いていた。

   ~~~

「ボクを…警戒してるのか?」

何処に逃げても自分だけを執拗に狙い続ける大蛇の攻撃に、ホリンはひとつの仮説に辿り着く。

「だとしたら、ボクだけがコレを止められる?」

ホリンは周辺の様子を探った。この場で自分だけが持っているものと言えば、最初に思いつくのは闘気オーラ以外にない。

「コッチだ、そのまま来い!」

そのとき、凛とした女性の力強い声がホリンの耳に届いた。

「あれは…」

確か、黒い幻影ブラックファントム

ホリンは言われるがまま、真っ直ぐに駆け抜けた。

電磁網サンダーネット
粘土壁クレイウォール!」

その瞬間、大口を開けてホリンに肉迫していた大蛇の顔を電気の網が絡め取り、さらに粘土の壁が受け止めた。

「今だ」

ホリンは瞬時に振り返ると、棒高跳びの要領で大蛇の頭上に躍り出る。そして真上から、光槍を大蛇の魔法陣目掛けて突き刺した。

次の瞬間、パリーンと魔法陣が砕け散り、大蛇の巨躯がバラバラと崩れ落ちていく。

「やはり、子ども騙しでは倒せぬか」

その様子を遠巻きに見ていたハベードが、落胆する素ぶりもなく嗤った。

直ぐさまホリンやアサノたちも合流し、ハベードの周りを取り囲む。

「親玉クラスだ、必ず倒すぞ!」

「やれやれ…頑張り過ぎたこと、後悔するが良い」

そのとき宙に浮いてるハベードが、杖の先端を地上に向けた。すると巨大な魔法陣が地面に描かれスーっと広がっていく。

同時に大地が大きく振動し、ゴゴゴと地響きをたてて岩石が迫り上がっていった。

「あらー…」

ターニャがポカンと口を開けたまま、背中を反らすように仰ぎ見る。

10mを超すであろう巨大な岩石の巨兵が、夜空をバックに佇んでいた。
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