中2女子が夏休みに、異世界を救うことになりました!〜RPGにようこそ〜

さこゼロ

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第3章(続き)

斬岩刀を持つ漢 2

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ヨーケバ城跡の拠点にも、仮設の転移部屋が設置されており、ターニャのおかげで一瞬で到着することが出来た。

昨日とは違い、「アイさんたちの強さを見せつけてやってください」と、エリサも随分乗り気で送り出してくれた。

アイたち3人と、ターニャにゾンボルを合わせた5人が転移部屋の天幕から外に出ると、昨日の雰囲気とは一変していた。

何もなかったこの遺跡に、丸太でバツマークを並べたような柵が、周囲をグルリと囲んでいる。更にサーカステントのような天幕が、一晩で何ヶ所か設置されていた。

「ひゃー、スゴい」

アイが周囲を見回して、感嘆の声を上げる。

それから5人は、軍の拠点を勝手に歩き回って良いものかと心配になった。するとこちらに気付いた兵士のひとりが「ターニャだ」と声を上げる。

少しの間、遠巻きに注目を浴びていたが、やがて一人の女性兵士がターニャの元に駆けてきた。

「ターニャさま、申し訳ございませんが、少しお時間よろしいでしょうか?」

「ああ、大丈夫だ」

「当拠点の司令官がお呼びです」

そう言って女性兵士が先導して歩き出す。

「一体、何だろ?」

アイがおキクとフランにコソッと話しかけた。

「さあ?」
「何だか少し緊張しますね」

おキクは肩をすくめて首を傾げ、フランはぎこちなく微笑んだ。

「多分だけどな…」

すると前を歩いていたターニャが、3人の方に振り返った。

「勝負の方法が決まったんだ」

   ~~~

「わざわざお呼びだてして申し訳ない」

女性兵士の案内で目的の天幕の中に入ると、白髪混じりのオールバックで、やや角ばった輪郭の初老の男性が出迎えた。

「討伐依頼か?」

ターニャが先手を取ってニヤリと笑う。途端に司令官が驚いたような顔をした。

「…話が早くて助かります」

それから司令官は机の上で両手の指を組むと、恐縮そうに微笑んだ。

「昨夜のうちに2度ほど、クルミ山方面から魔物の襲撃がありまして…」

「クルミ山?」

「ここからウジル川を渡って南東に行ったところにある山です」

「南東…良くねーな」

「はい。こちら側が手付かずのうちに、どうやら魔物の勢力が伸びていたようです」

「規模は?」

「分かりません。お恥ずかしい話、ここの兵力はまだ充分ではないため、調査が出来ていないのです」

「なるほど分かったよ。オレたちに任せてくれ」

「そう言っていただけて恐縮です。依頼はあくまで調査です。可能であれば殲滅の判断はお任せしますが、決して無理はなさらないでください」

「誰に言ってんだ?黒地竜を討伐したのは、このオレだぜ?」

ターニャが目を細めてニヤリと笑った。

「ハハハ、そうでしたね」

司令官も笑って頷く。

「それではターニャさん。よろしくお願いします」

   ~~~

「こりゃ、いい舞台が整ったじゃねーか」

ターニャはゾンボルに、嫌らしく笑いかけた。

「そ…そうでゴザルな。やはりC級との差を見せつけるためには、このくらい重要な任務でないと…」

ゾンボルは「ハハハ」と渇いた声で笑う。

「そこだけで済めばいいのだけど」

おキクがちょっと心配そうに呟いた。

「そーだな。でも、ま、ソレは今心配してもしょーがない。クルミ山を確保してから考えればいい」

「…ですね」

おキクが吹っ切れたように大きく頷く。

「ターニャさま、馬車の用意が出来ました!」

そのとき先程の女性兵士が、敷地の門扉のところで両手を振って声を張り上げた。

「お、サンキュー」

ターニャは右手を挙げてお礼を返すと、アイたちの方に振り返る。

「そんじゃ出発しますか!」
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