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序章〜乙視点
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「それでは次は、そこのあなた」
女性は真中聡子さんを呼んだ。しかし彼女は動かない。早く恵太から離れてほしいのに…
恵太が呼ばれていることを伝えるが、真中聡子さんは頑なな態度を崩さない。コレはマズイ!このままだと恵太がいらない事を言い出してしまう。
「あの、ボクたちふたり同時でもいいでしょうか?」
言ってしまったー!私はガックリ肩を落とした。これではふたりを引き離すことが出来ない。
「ええ、構いません」
さらに了承したー!
「真中さん、行こう」
「う、うん」
真中聡子さんはまるですがりつくように、恵太の右腕に抱きついた。
な、何をやっているんだ、彼女は…?自分がどれほどのモノを持っているのか、自覚していないのか?コレが計算じゃないなんて…
私は頭がクラクラした。これほどの存在が私に感知されることなく、毎日今まで恵太の隣に座っていたとは…
間違いなく、私の最強の敵たり得る存在である。
「それでは、スマーホを見せてください」
女性の声を合図に、恵太と真中聡子さんがスマホを石台に置いた。3人の老人たちも覗き込んでくる。
「……」
長い沈黙がこの部屋を支配した。何故だか、悪い予感がする。
「見たこと無いのう」
老人の言葉に、私は息が詰まりそうになった。イヤイヤ焦るな。彼らが見たこともないくらい珍しいスキルという可能性も充分考えられる。
「アイコンをタップしてみてください」
恵太がスマホを操作すると、画面にこの部屋の景色が映し出される。
アレってただのカメラモードじゃない!どうなってるのよ、スキルの神さま!
横で「プッ」と吹き出す春日翔の気配がする。
チキショー!私は自分のこと以上に悔しかった。
真中聡子さんについても、結果はあまり良くなかったみたいだ。ハートマークのステッカーが3枚、彼女の手に出現しただけだった。
「あなた方おふたりは、この部屋で暫くお待ちください。後ほど改めて、今後のことをお伝え致します」
女性が恵太と真中聡子さんに声をかけた。心なしか冷たさが増した気がする。
「私たち、どうなるんですか?」
真中聡子さんがすがるような目で女性に質問したが「後で話す」と彼女の答えは変わらない。
ちょっと待って。この感じ、死ぬほどヤバイ!同じ境遇に置かれた男女間の距離が急速に接近するという、あの伝説の…
「真中さん、今は仕方がないよ。ここで待とう」
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!真中聡子さん、それ以上は本当にヤメて!
「新島くん!」
真中聡子さんは恵太の手をギュッと握りしめると同時に、ポロポロと涙を流す。
「私たち、一体どうなっちゃうの?」
私の結界も、育んできた時間さえも一瞬で無効にする「超フラグイベント」…
吊り橋効果だぁーーー!
「ちょっと待ってください」
私は堪らず声を張り上げた。
「その男の人は私の兄なんです。一緒に居させてください」
これ以上、彼女の横行を赦す訳にはいかない。しかし恵太は落ち着いた顔で私を見る。
「大丈夫だよ、春香。ボクはここで待ってるから」
それでも食い下がろうとする私の言葉を、恵太が遮った。
「あまりここの人たちを困らせると、別の問題が発生してしまうかもしれない。今は大人しく従おう」
「春香ちゃん、恵太の言う通りだ。ここはこの人たちに従おう」
春日翔が、ここぞとばかりに畳み掛けてくる。コイツの発言のせいで、私だけがワガママを言う悪者になってしまった。
恵太、分かって!全く大丈夫じゃないんだよ!真中聡子さんと恵太がこのまま一緒にいるのを見過ごす訳にはいかないんだよ。
私は視線で恵太に訴えかけるが当然伝わらない。私は渋々諦めた。どう考えても、今は私の方が分が悪い。私が恵太の中に詰め込んだ「今までの私」を信じるしかない。
そして私たちは、恵太たちを残して部屋から連れ出された。
女性は真中聡子さんを呼んだ。しかし彼女は動かない。早く恵太から離れてほしいのに…
恵太が呼ばれていることを伝えるが、真中聡子さんは頑なな態度を崩さない。コレはマズイ!このままだと恵太がいらない事を言い出してしまう。
「あの、ボクたちふたり同時でもいいでしょうか?」
言ってしまったー!私はガックリ肩を落とした。これではふたりを引き離すことが出来ない。
「ええ、構いません」
さらに了承したー!
「真中さん、行こう」
「う、うん」
真中聡子さんはまるですがりつくように、恵太の右腕に抱きついた。
な、何をやっているんだ、彼女は…?自分がどれほどのモノを持っているのか、自覚していないのか?コレが計算じゃないなんて…
私は頭がクラクラした。これほどの存在が私に感知されることなく、毎日今まで恵太の隣に座っていたとは…
間違いなく、私の最強の敵たり得る存在である。
「それでは、スマーホを見せてください」
女性の声を合図に、恵太と真中聡子さんがスマホを石台に置いた。3人の老人たちも覗き込んでくる。
「……」
長い沈黙がこの部屋を支配した。何故だか、悪い予感がする。
「見たこと無いのう」
老人の言葉に、私は息が詰まりそうになった。イヤイヤ焦るな。彼らが見たこともないくらい珍しいスキルという可能性も充分考えられる。
「アイコンをタップしてみてください」
恵太がスマホを操作すると、画面にこの部屋の景色が映し出される。
アレってただのカメラモードじゃない!どうなってるのよ、スキルの神さま!
横で「プッ」と吹き出す春日翔の気配がする。
チキショー!私は自分のこと以上に悔しかった。
真中聡子さんについても、結果はあまり良くなかったみたいだ。ハートマークのステッカーが3枚、彼女の手に出現しただけだった。
「あなた方おふたりは、この部屋で暫くお待ちください。後ほど改めて、今後のことをお伝え致します」
女性が恵太と真中聡子さんに声をかけた。心なしか冷たさが増した気がする。
「私たち、どうなるんですか?」
真中聡子さんがすがるような目で女性に質問したが「後で話す」と彼女の答えは変わらない。
ちょっと待って。この感じ、死ぬほどヤバイ!同じ境遇に置かれた男女間の距離が急速に接近するという、あの伝説の…
「真中さん、今は仕方がないよ。ここで待とう」
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!真中聡子さん、それ以上は本当にヤメて!
「新島くん!」
真中聡子さんは恵太の手をギュッと握りしめると同時に、ポロポロと涙を流す。
「私たち、一体どうなっちゃうの?」
私の結界も、育んできた時間さえも一瞬で無効にする「超フラグイベント」…
吊り橋効果だぁーーー!
「ちょっと待ってください」
私は堪らず声を張り上げた。
「その男の人は私の兄なんです。一緒に居させてください」
これ以上、彼女の横行を赦す訳にはいかない。しかし恵太は落ち着いた顔で私を見る。
「大丈夫だよ、春香。ボクはここで待ってるから」
それでも食い下がろうとする私の言葉を、恵太が遮った。
「あまりここの人たちを困らせると、別の問題が発生してしまうかもしれない。今は大人しく従おう」
「春香ちゃん、恵太の言う通りだ。ここはこの人たちに従おう」
春日翔が、ここぞとばかりに畳み掛けてくる。コイツの発言のせいで、私だけがワガママを言う悪者になってしまった。
恵太、分かって!全く大丈夫じゃないんだよ!真中聡子さんと恵太がこのまま一緒にいるのを見過ごす訳にはいかないんだよ。
私は視線で恵太に訴えかけるが当然伝わらない。私は渋々諦めた。どう考えても、今は私の方が分が悪い。私が恵太の中に詰め込んだ「今までの私」を信じるしかない。
そして私たちは、恵太たちを残して部屋から連れ出された。
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