34 / 165
第3章 湖の魔獣
34
しおりを挟む
「あれ?いつのまにか、スマホに通知がきてた」
ハルカが自分のスマホを確認しながら、驚いた声を出した。
「また、アプリがダウンロード出来るみたい」
「へー、良いなぁ」
さすがレアモノは違うと言うことか。なんだか、どんどんアプリが増える。
「あ、ケータ。もしかして羨ましい?」
さっきハルカに驚いて、立ち上がったまま座り直すタイミングがなかったボクの横に、ハルカがスッとすり寄ってきた。
「大丈夫。私のモノは全部、お兄ちゃんのモノだから」
ハルカが上目遣いで微笑んでくる。ボクは堪らず後退りした。
「お、おま…。急にお兄ちゃんとか、どうしたんだよ!」
ハルカは妹なんだから別におかしなことはないんだが、何故か「気になるあの娘が親の再婚で急に妹になった」かのようなラノベ的な気分になる。
てか「気になる」てなんだ?妹だぞ、ハルカは!
ボクは髪の毛をワシャワシャかき混ぜた。顔がひたすら熱い。
「ケータがイヤなら止めるけど…?」
ハルカが口を尖らせて哀しそうに言う。
「い、イヤって訳じゃ…」
何なんだボクは…、訳が分からない!
今までのハルカはちょっとマセた妹だった。なのに、兄と呼んでくる今のハルカからは妹の匂いが全くしない。なんだ、この矛盾は?本当に訳が分からないっ!
「ち、ちょっとハルカ!ケータくんが困ってるでしょ!」
サトコが立ち上がって、ハルカの腕をグイッと引いた。
「でも私、妹だし…」
「う…」
ハルカの返答にサトコも言葉に詰まる。そう、ハルカは別におかしなことはしていない。おかしいのはボクの方、それは分かるんだけど…
「ケータお兄ちゃん、今はそんなことよりハルカさんの魔法道具の話を聞こうよ」
ルーも立ち上がり、ボクの左手を引いた。
「そ、そうだな。ハルカ、頼むよ」
ルーの提案は渡りに船だった。これ以上この事について考えたら、ボクの頭がパンクしてしまう。
「ん、分かった」
ハルカが可愛く微笑んだ。
~~~
皆んなが注目する中、ハルカがアプリをダウンロードすると、スマホのホーム画面に「ウォレット」のアイコンが現れた。
「おお、財布か!」
感激しているボクを横目に、ハルカがアイコンをタップする。すると画面に「所持金を登録しますか?」とインフォメーションが表示される。ハルカは迷わず「OK」をタップした。
「248,950リング」と表示が更新した。
喜ぶのもつかの間、すぐにインフォメーションが表示される。
『付近のスマホとアプリを共有しますか?』
「え?」
「マジか?」
ボクらは驚きを隠せない。ハルカはボクとサトコの顔を順に見た。ボクたちはゆっくり頷く。ハルカが「OK」をタップすると、ボクとサトコのスマホが「ピロリン」と鳴った。
「き、来た!」
ボクのスマホにも「ウォレット」の表示が…。興味本位で直ぐさま開く。すると「自由に使用出来ますが、履歴は全てホストに通知されます」とインフォメーションが入る。まあ、そういうモノかもしれないな。
しかしこれで便利になった。いちいち皆んなでお小遣いを分ける必要がなくなったのだから。ハルカのアプリのお陰で環境面が整っていく。
「でも、そうか!ルーには…」
「私は大丈夫ですよ」
ボクの言葉を遮って、ルーが答えた。
「必要経費として、ファナさまから渡された分が有りますので」
「あ、そうなの?」
いつの間に…。というか、ルーはホントに察しが良いな。家事も得意そうだし、なんというか「いい奥さんになりそうだな」とかルーを見ながら考える。
「え?今…」
急にルーが頬を両手で押さえて、ボクを見上げてきた。頬が赤く染まっている。
「ちち、ちょっとケータ!どういう意味よ」
ハルカがボクの顔を掴んで、強引に自分の方に向けた。
「なな、なんか今、ルーに向かって『いい奥さんになる』とかなんとか…」
サトコがアワワと狼狽えている。
え……?
「あ、あれ?ボク今、声に出てた?」
マジか、やっちまった!顔が火照ってくるのが分かる。
「あの、期待に応えられるように頑張るね」
ルーがボクの服の裾を掴んで、上目遣いで顔を真っ赤にしている。
一方で、ハルカとサトコの鬼のような視線が突き刺さる。生きた心地がしない。
3人に囲まれて逃げ道もない。
一体どうしたらいいんだ、誰かボクを助けてくれーーー!
ハルカが自分のスマホを確認しながら、驚いた声を出した。
「また、アプリがダウンロード出来るみたい」
「へー、良いなぁ」
さすがレアモノは違うと言うことか。なんだか、どんどんアプリが増える。
「あ、ケータ。もしかして羨ましい?」
さっきハルカに驚いて、立ち上がったまま座り直すタイミングがなかったボクの横に、ハルカがスッとすり寄ってきた。
「大丈夫。私のモノは全部、お兄ちゃんのモノだから」
ハルカが上目遣いで微笑んでくる。ボクは堪らず後退りした。
「お、おま…。急にお兄ちゃんとか、どうしたんだよ!」
ハルカは妹なんだから別におかしなことはないんだが、何故か「気になるあの娘が親の再婚で急に妹になった」かのようなラノベ的な気分になる。
てか「気になる」てなんだ?妹だぞ、ハルカは!
ボクは髪の毛をワシャワシャかき混ぜた。顔がひたすら熱い。
「ケータがイヤなら止めるけど…?」
ハルカが口を尖らせて哀しそうに言う。
「い、イヤって訳じゃ…」
何なんだボクは…、訳が分からない!
今までのハルカはちょっとマセた妹だった。なのに、兄と呼んでくる今のハルカからは妹の匂いが全くしない。なんだ、この矛盾は?本当に訳が分からないっ!
「ち、ちょっとハルカ!ケータくんが困ってるでしょ!」
サトコが立ち上がって、ハルカの腕をグイッと引いた。
「でも私、妹だし…」
「う…」
ハルカの返答にサトコも言葉に詰まる。そう、ハルカは別におかしなことはしていない。おかしいのはボクの方、それは分かるんだけど…
「ケータお兄ちゃん、今はそんなことよりハルカさんの魔法道具の話を聞こうよ」
ルーも立ち上がり、ボクの左手を引いた。
「そ、そうだな。ハルカ、頼むよ」
ルーの提案は渡りに船だった。これ以上この事について考えたら、ボクの頭がパンクしてしまう。
「ん、分かった」
ハルカが可愛く微笑んだ。
~~~
皆んなが注目する中、ハルカがアプリをダウンロードすると、スマホのホーム画面に「ウォレット」のアイコンが現れた。
「おお、財布か!」
感激しているボクを横目に、ハルカがアイコンをタップする。すると画面に「所持金を登録しますか?」とインフォメーションが表示される。ハルカは迷わず「OK」をタップした。
「248,950リング」と表示が更新した。
喜ぶのもつかの間、すぐにインフォメーションが表示される。
『付近のスマホとアプリを共有しますか?』
「え?」
「マジか?」
ボクらは驚きを隠せない。ハルカはボクとサトコの顔を順に見た。ボクたちはゆっくり頷く。ハルカが「OK」をタップすると、ボクとサトコのスマホが「ピロリン」と鳴った。
「き、来た!」
ボクのスマホにも「ウォレット」の表示が…。興味本位で直ぐさま開く。すると「自由に使用出来ますが、履歴は全てホストに通知されます」とインフォメーションが入る。まあ、そういうモノかもしれないな。
しかしこれで便利になった。いちいち皆んなでお小遣いを分ける必要がなくなったのだから。ハルカのアプリのお陰で環境面が整っていく。
「でも、そうか!ルーには…」
「私は大丈夫ですよ」
ボクの言葉を遮って、ルーが答えた。
「必要経費として、ファナさまから渡された分が有りますので」
「あ、そうなの?」
いつの間に…。というか、ルーはホントに察しが良いな。家事も得意そうだし、なんというか「いい奥さんになりそうだな」とかルーを見ながら考える。
「え?今…」
急にルーが頬を両手で押さえて、ボクを見上げてきた。頬が赤く染まっている。
「ちち、ちょっとケータ!どういう意味よ」
ハルカがボクの顔を掴んで、強引に自分の方に向けた。
「なな、なんか今、ルーに向かって『いい奥さんになる』とかなんとか…」
サトコがアワワと狼狽えている。
え……?
「あ、あれ?ボク今、声に出てた?」
マジか、やっちまった!顔が火照ってくるのが分かる。
「あの、期待に応えられるように頑張るね」
ルーがボクの服の裾を掴んで、上目遣いで顔を真っ赤にしている。
一方で、ハルカとサトコの鬼のような視線が突き刺さる。生きた心地がしない。
3人に囲まれて逃げ道もない。
一体どうしたらいいんだ、誰かボクを助けてくれーーー!
10
あなたにおすすめの小説
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
よくゲームとかで敵を回復するうざい敵キャラっているだろ?
――――それ、オレなんだわ……。
昔流行ったゲーム『魔剣伝説』の中で、悪事を働く辺境伯の息子……の取り巻きの一人に転生してしまったオレ。
そんなオレには、病に侵された双子の妹がいた。
妹を死なせないために、オレがとった秘策とは――――。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる