ハズレ召喚として追放されたボクは、拡大縮小カメラアプリで異世界無双

さこゼロ

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第3章 湖の魔獣

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ボクたちはカリューの背に乗り、湖に向けて空を移動していた。いつも通り目立たないように、サイズは10分の1に縮小している。

ファナの話だと危険な魔物らしいので、ルーには残ってもらって家のことをお願いしてきた。

ルーはちょっと残念そうにしてたけど、聞き分けが良くてとても助かる。

「見えてきたぞ、サトコ」

カリューの声に誘われて、ボクたちは下の様子を伺った。緑豊かな森に囲まれた大きな湖が目に入る。

しかし、なんだ?湖の水面が白くて水面ぽくない。

そしてその湖の中心あたりに、銀色の毛並みの何かが、丸くなって眠っていた。

「銀狼…だな」

カリューが呟く。

「銀狼?」

先頭に座っているサトコが、カリューの首筋に触れながら尋ねた。

「雪と氷を操る魔物だ」

「じゃああの湖、凍ってるの?」

サトコが驚いて声を張り上げた。気持ちは分かる。あの湖、結構なデカさだぞ!

「大型魔核を創り出せる魔族が、まだ生き残っていたのだな」

「そのこと、なんだけど…」

カリューの言葉を聞いてハルカが疑問を投げかけた。

「異界の門は、結局どうなったの?」

「勇者の死とともに消滅した。故に、永い年月をかけて人間どもが戦争に勝利した」

「魔族は増えないの?」

「偶然だが、母体となる存在がこちらに流れて来なかったからな」

「な、なるほど」

「とはいえ魔族は長命だ。老衰などというものに期待はしない方がいい」

「な、なるほどー…」

ハルカは渇いた笑いを浮かべていた。

「なあカリュー。お前アイツを抑え込めないか?」

魔物とはいえ、あれ程強力な存在、サトコのスキルで仲間に出来ないものか。

「戦えば勝つが、手加減は出来んぞ」

それを聞いて、尚更欲しくなった。

「だったら、力の差が開けばいいんだろ?」

ボクはスマホをクイっと持ち上げた。

   ~~~

カリューは森の外側から進入し、木々の合間を器用にすり抜けて飛んでいく。やがて森の切れ目に近付くと、ゆっくりと着地した。

ボクは自分とハルカとサトコを原寸大に戻すと、念のため木の陰に姿を隠す。ハルカも「聖女」を発動させた。

そこから湖の中心にカメラを向けるが、遠くて何も映らない。ボクはピンチアウトで拡大を繰り返す。すると、銀狼の姿をフレームに捉えた。機能ではなく流石スキルということか。これだけ拡大を繰り返しても、銀狼の姿が綺麗に映る。

その時銀狼が上体を起こし、ボクの方を真っ直ぐに見据えた。カメラ越しに目線が合う。

気付かれた?

一瞬焦ったが、落ち着いてシャッターをタップする。流石は大型魔核クラスということか。気付かれるとは思わなかったが、これで準備は整った。

「カリュー、お願い」

「心得た」

サトコがカリューを送り出す。カリューが銀狼の上空に着いたころに、ボクはカリューを原寸大に戻した。

銀狼は前傾姿勢をとり、カリューを威嚇する。体長はカリューの半分くらいで、5、6メートルはありそうだ。

その時、銀狼の頭上に雪が渦巻き、氷柱つららのような氷の槍を3本創り出した。カリューもブレスの準備に入る。

「頼むぞ、カリュー」

ボクは銀狼のサイズを10分の1に縮小した。同時にカリューがブレスを噴く。あたりの氷が一瞬で水蒸気へと昇華して湯気が吹き上がった。

銀狼により創り出された3本の槍は、放たれることなく消滅していく。それからカリューが、ザブンと湖に飛び込んだ。湯気のせいでよく分からないが、銀狼が湖に沈んだのだろう。

しばらくしてボクらの元に戻ってきたカリューが、口から「ペッ」と何かを吐き出した。

それは、5、60センチメートル程の小型犬のような銀狼の姿だった。
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