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第5章 合同演習1日目
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「教官、ひとついいだろうか」
アインザームが空間術士の主任教官に顔を向けた。
「見本演習などという面倒を引き受けたのだ。俺の頼みをひとつ聞いてもらいたい」
「内容にもよるが、言ってみなさい」
「もう一本、演習を組んでもらいたい。相手はこちらで指名する」
言いながらアインザームは、コチラの方にチラリと目を向けた。やってくれる…。ボクを晒し者にする気満々だな。
「ふむ…」
壮年の教官が思案する素ぶりを見せる。
「今の演習を見せられて、その相手は本当に了解するのかね?」
「どうだろうな。ただ勝負の約束をしただけだ。出て来なければ、それは俺の勝ちということだ」
アインザームが勝ち誇ったように笑う。来るなら来てみろ、と…
「来いよ、お兄さん。ただしハニーたちをこの場に巻き込むことは許さない」
「ちょっと!」
ハルカが立ち上がって、声を張り上げた。
「当事者は私たちでしょ!私が出るわよっ!」
「駄目だ。俺は愛するハニーに手を上げられない。それともお兄さんは、そんな卑怯者なのか?」
「何をっ!」
ハルカは顔を真っ赤にして唇を噛み締めた。ああ、こんなにもボクのために怒ってくれるなんて、カッコ悪いとこ見せられないな。
「ありがとう、ハルカ。ここでボクのこと見てて」
ボクは立ち上がると、ハルカの頭をポンポンと撫でた。抱きしめたい衝動をグッと堪える。
「ルー、悪いけど付き合ってくれるか?」
「モチロンです。なんだか私にも責任の一端があるようですので」
ルーが「テヘヘ」と笑った。
「ルーのせいなんかじゃないけど、今は力を貸してほしい」
「はい!全力でいきます!」
ルーは胸の前で、両手で小さくガッツポーズした。
「ルー!」
ハルカとサトコがルーに駆け寄った。
「ケータ(くん)をお願いっ!」
ふたりの声がハモる。ルーは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに表情を引き締める。
「大丈夫です。任せてください!」
~~~
消魔壁の空間内に入ったボクたちを見て、アインザームが嘲るように笑った。
「子どもを連れてくるとはな。ハイラインあたりになら効果はあるかもしれないが…」
「そうだな、あまり気分のいいモノではない」
ハイラインが表情を変えることなく頷く。イマイチ本心の見えにくい人だな。
「俺はハニー以外の相手に手加減をするつもりは毛頭ないが、本当にいいのか?逃げるなら今のうちだぞ」
アインザームが馬鹿にしたようにルーを見る。
「舐めないでください。アナタたち程度に遅れをとるつもりはありません」
「ほう」
ルーの鋭い視線に、アインザームが感心したように声を出した。
「さっきの戦いを見たうえで、そんなことが言えるのか。面白い」
アインザームの表情が変わった。
「ハイライン、今回は少し様子を見よう」
「いいのか?」
「どういう意味だ?」
「いや、いい」
余裕なんだろうが、全部聞こえてる。さっきのような速攻が来ないのなら大変助かる。
「ケータお兄ちゃんは攻撃に集中してください。必ず私が守ってみせます」
ルーが隣からボクを見上げてくる。元々ボクは、身を守る手段が極端に少ない。ソレを分かってるんだろーな。ルーの言葉がスゴく心強い。
「ああ、任せた!」
言いながらルーの頭に左手を軽くのせた。ルーはそんなボクの左手に自分の左手を重ねてきた。頰が少しだけ上気している。
「始めてください」
ボクたちの準備が整ったのを確認してから、女性教官が演習の開始を宣言した。
アインザームが空間術士の主任教官に顔を向けた。
「見本演習などという面倒を引き受けたのだ。俺の頼みをひとつ聞いてもらいたい」
「内容にもよるが、言ってみなさい」
「もう一本、演習を組んでもらいたい。相手はこちらで指名する」
言いながらアインザームは、コチラの方にチラリと目を向けた。やってくれる…。ボクを晒し者にする気満々だな。
「ふむ…」
壮年の教官が思案する素ぶりを見せる。
「今の演習を見せられて、その相手は本当に了解するのかね?」
「どうだろうな。ただ勝負の約束をしただけだ。出て来なければ、それは俺の勝ちということだ」
アインザームが勝ち誇ったように笑う。来るなら来てみろ、と…
「来いよ、お兄さん。ただしハニーたちをこの場に巻き込むことは許さない」
「ちょっと!」
ハルカが立ち上がって、声を張り上げた。
「当事者は私たちでしょ!私が出るわよっ!」
「駄目だ。俺は愛するハニーに手を上げられない。それともお兄さんは、そんな卑怯者なのか?」
「何をっ!」
ハルカは顔を真っ赤にして唇を噛み締めた。ああ、こんなにもボクのために怒ってくれるなんて、カッコ悪いとこ見せられないな。
「ありがとう、ハルカ。ここでボクのこと見てて」
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「ルー、悪いけど付き合ってくれるか?」
「モチロンです。なんだか私にも責任の一端があるようですので」
ルーが「テヘヘ」と笑った。
「ルーのせいなんかじゃないけど、今は力を貸してほしい」
「はい!全力でいきます!」
ルーは胸の前で、両手で小さくガッツポーズした。
「ルー!」
ハルカとサトコがルーに駆け寄った。
「ケータ(くん)をお願いっ!」
ふたりの声がハモる。ルーは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに表情を引き締める。
「大丈夫です。任せてください!」
~~~
消魔壁の空間内に入ったボクたちを見て、アインザームが嘲るように笑った。
「子どもを連れてくるとはな。ハイラインあたりになら効果はあるかもしれないが…」
「そうだな、あまり気分のいいモノではない」
ハイラインが表情を変えることなく頷く。イマイチ本心の見えにくい人だな。
「俺はハニー以外の相手に手加減をするつもりは毛頭ないが、本当にいいのか?逃げるなら今のうちだぞ」
アインザームが馬鹿にしたようにルーを見る。
「舐めないでください。アナタたち程度に遅れをとるつもりはありません」
「ほう」
ルーの鋭い視線に、アインザームが感心したように声を出した。
「さっきの戦いを見たうえで、そんなことが言えるのか。面白い」
アインザームの表情が変わった。
「ハイライン、今回は少し様子を見よう」
「いいのか?」
「どういう意味だ?」
「いや、いい」
余裕なんだろうが、全部聞こえてる。さっきのような速攻が来ないのなら大変助かる。
「ケータお兄ちゃんは攻撃に集中してください。必ず私が守ってみせます」
ルーが隣からボクを見上げてくる。元々ボクは、身を守る手段が極端に少ない。ソレを分かってるんだろーな。ルーの言葉がスゴく心強い。
「ああ、任せた!」
言いながらルーの頭に左手を軽くのせた。ルーはそんなボクの左手に自分の左手を重ねてきた。頰が少しだけ上気している。
「始めてください」
ボクたちの準備が整ったのを確認してから、女性教官が演習の開始を宣言した。
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