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第5章 合同演習1日目
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「始めてください」
女性教官の開始の合図と共にポケットから「トライメテオ」を取り出すと、適当に眼前に放り投げた。それからスマホの写真を開いて、いつでも対応出来るように準備する。
「嵐竜壁!」
ルーが半歩手前に出ると、両手を広げて魔法を唱えた。するとボクたちを中心に竜巻が発生する。まるで、風の壁に守られる形になった。
気がつくと、周りで観戦している訓練生たちが何やら騒ついている。どうやらコレも上級魔法ということなんだろう。
「こんな子どもが嵐竜壁なんて、本気かよ」
アインザームが度肝を抜かれたように狼狽した。
「ハイライン、頼めるか?」
「…仕方ない」
ハイラインが大戦鎚を担ぎ上げる。こうして見ると凄まじい大きさだ。威圧感半端ない。
「くっ…」
ルーが少し焦ったような顔をする。ルーの防御壁はあくまで風だ。あれ程の質量の武器を防ぐのは無理なのかもしれない。
ハイラインがコチラに向けてのそりと歩き出した。
それに合わせて、ボクは写真の100倍アイコンをタップする。突然出現した3メートル程の大きさのミスリル銀の塊に、アインザームとハイラインが動揺しているようだ。とりあえず、先手を譲ったことを後悔してもらおうか。
ボクは3つのトライメテオを5メートル程の高さまでフワリと浮遊させた。
「おいおい…」
アインザームがトライメテオを見上げ、焦ったような声を出す。ん?空間術士が珍しいとはいえ、持ち上げただけだぞ?
「あれ程の質量を3個も…」
空間術士の主任教官が驚嘆している。周りの観戦者のザワつきも一層激しくなる。もしかして、ヤラカシタ系か?とはいえ今は、どうでもいい。
「ハリボテかなんかだろ?こんな事あり得ない」
「試してみるか?」
ボクはトライメテオの一つを彼らの眼前に叩きつけた。激しい轟音とともに土煙が舞い上がる。ミスリル銀の塊は、その姿の半分ほどが地面にめり込み、周囲にクレーターを形成していた。
「次は、当てるぞ」
ボクはアインザームを見据えながら、静かに宣言する。アインザームは目前に突然出来たクレーターを見ながら蒼い顔をしていた。
「分かった、負けを認めよう」
しかし、声を出したのはハイラインだった。思わぬ方向から飛び出た言葉に、一瞬困惑した。あ、でもルール上、ボクらの勝ちか?しかしこの場合、アインザームとの勝負はどうなるんだ?アイツの性格からして、このまま終わるとは思えない。
「ハイライン、貴様勝手なことを!」
アインザームがハイラインを責め立てた。ま、予想通りの反応ですな…
「元々こうなる気がしていた」
「どういう意味だ…」
「若い女の尻ばかり追いかけるから、相手の力量を見誤るんだ。お前にはいい薬になったな」
「何を馬鹿な!俺たち二人がかりで接近すれば、まだまだこれから…」
「そう簡単にやれると思うか?あの子は風使いだぞ?」
「な…に?」
アインザームは信じられないモノでも見るかのように、ルーの方に目を向けた。
「時間さえかければ勿論可能だが、嵐竜壁に集中しながら頭上のアレを対処出来るのか?」
ハイラインは言いながら、右手の人差し指を空に向けた。アインザームも忌々しそうに空を見上げる。
「アインザーム、お前からも何か言うことがあるだろう?」
「く…」
アインザームは暫く顔を伏せていたが、キッとボクの顔を見た。
「俺の負けだ」
「ではこの勝負、ここまで!」
主任教官が演習終了を高らかに宣言した。その瞬間、ボクらに向けて歓声が湧いた。…主に野太い声だった。
女性教官の開始の合図と共にポケットから「トライメテオ」を取り出すと、適当に眼前に放り投げた。それからスマホの写真を開いて、いつでも対応出来るように準備する。
「嵐竜壁!」
ルーが半歩手前に出ると、両手を広げて魔法を唱えた。するとボクたちを中心に竜巻が発生する。まるで、風の壁に守られる形になった。
気がつくと、周りで観戦している訓練生たちが何やら騒ついている。どうやらコレも上級魔法ということなんだろう。
「こんな子どもが嵐竜壁なんて、本気かよ」
アインザームが度肝を抜かれたように狼狽した。
「ハイライン、頼めるか?」
「…仕方ない」
ハイラインが大戦鎚を担ぎ上げる。こうして見ると凄まじい大きさだ。威圧感半端ない。
「くっ…」
ルーが少し焦ったような顔をする。ルーの防御壁はあくまで風だ。あれ程の質量の武器を防ぐのは無理なのかもしれない。
ハイラインがコチラに向けてのそりと歩き出した。
それに合わせて、ボクは写真の100倍アイコンをタップする。突然出現した3メートル程の大きさのミスリル銀の塊に、アインザームとハイラインが動揺しているようだ。とりあえず、先手を譲ったことを後悔してもらおうか。
ボクは3つのトライメテオを5メートル程の高さまでフワリと浮遊させた。
「おいおい…」
アインザームがトライメテオを見上げ、焦ったような声を出す。ん?空間術士が珍しいとはいえ、持ち上げただけだぞ?
「あれ程の質量を3個も…」
空間術士の主任教官が驚嘆している。周りの観戦者のザワつきも一層激しくなる。もしかして、ヤラカシタ系か?とはいえ今は、どうでもいい。
「ハリボテかなんかだろ?こんな事あり得ない」
「試してみるか?」
ボクはトライメテオの一つを彼らの眼前に叩きつけた。激しい轟音とともに土煙が舞い上がる。ミスリル銀の塊は、その姿の半分ほどが地面にめり込み、周囲にクレーターを形成していた。
「次は、当てるぞ」
ボクはアインザームを見据えながら、静かに宣言する。アインザームは目前に突然出来たクレーターを見ながら蒼い顔をしていた。
「分かった、負けを認めよう」
しかし、声を出したのはハイラインだった。思わぬ方向から飛び出た言葉に、一瞬困惑した。あ、でもルール上、ボクらの勝ちか?しかしこの場合、アインザームとの勝負はどうなるんだ?アイツの性格からして、このまま終わるとは思えない。
「ハイライン、貴様勝手なことを!」
アインザームがハイラインを責め立てた。ま、予想通りの反応ですな…
「元々こうなる気がしていた」
「どういう意味だ…」
「若い女の尻ばかり追いかけるから、相手の力量を見誤るんだ。お前にはいい薬になったな」
「何を馬鹿な!俺たち二人がかりで接近すれば、まだまだこれから…」
「そう簡単にやれると思うか?あの子は風使いだぞ?」
「な…に?」
アインザームは信じられないモノでも見るかのように、ルーの方に目を向けた。
「時間さえかければ勿論可能だが、嵐竜壁に集中しながら頭上のアレを対処出来るのか?」
ハイラインは言いながら、右手の人差し指を空に向けた。アインザームも忌々しそうに空を見上げる。
「アインザーム、お前からも何か言うことがあるだろう?」
「く…」
アインザームは暫く顔を伏せていたが、キッとボクの顔を見た。
「俺の負けだ」
「ではこの勝負、ここまで!」
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