ハズレ召喚として追放されたボクは、拡大縮小カメラアプリで異世界無双

さこゼロ

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第6章 合同演習2日目

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アインザームの言う通り、コンビニ前でハルカの姿を発見した。深緑色のスリムなワンピースに白のスラックス姿の3人の女性と何かを話しているようだった。

「ハルカ、知り合いか?」

ボクはハルカに近付きながら声をかけた。

「あ、ケータ」

ハルカがこちらに気付いて駆け寄ってきた。3人の女性は何も言わずに寮の中に帰っていく。

「良かったのか?」

ボクは彼女たちの後ろ姿を見送りながら、ハルカに確認した。

「いーのいーの!」

ハルカはさも嬉しそうに笑った。なんか違和感。友達じゃなかったのだろうか…

「ケータはどうしたの?」

「喉が渇いたんで、飲み物を…」

「付き合うよ」

ボクらは並んでコンビニに入ると、それぞれ飲み物を購入した。それからコンビニ前で栓を開ける。

ハルカとは久しぶりの二人きりだ。ここファーラスに来てから初めてかもしれない。

緊張する…

何を話したらいいのか分からない。家では2人きりなんてしょっちゅうあったのに、どうやって接していたのか全く思い出せない…

何も気の利いたことじゃなくてもいいんだ。くだらない雑談でもいい。ただハルカと話がしたいだけなのに、全く頭が回らない。

「ケータ、元気なかったから心配してたんだよ」

ハルカが話しかけてくれた。しかもどうやら心配をかけていたようだ。自己嫌悪に襲われる。情けない兄でホントすまない。

「悪い悪い。部屋帰ってベッドの上でまばたきしたらさー、2時間経ってたからメッチャ驚いた」

「何それ?それは『まばたき』とは言わないよ!」

ハルカが「アハハ」と大笑いした。

「最初、タイムスリップを疑ったからな。いやマジで…」

ボクも一緒に大笑いする。あー楽しい。あーあ、コレ、兄妹の感情じゃねーや…

前代未聞の三股宣言の前に、念のため、ハルカに探りを入れてみる。

「ハルカさー、子どもの頃のこと覚えてる?」

ボクは何でもないことのようにハルカに聞いた。

「ん…いつのこと?」

ハルカがキョトンとした表情で質問を返してきた。そりゃまあ、当然だわな…

ボクはハルカに気付かれないように、一度深呼吸をした。落ち着け、何でもない風を装うんだ。

「そうだなー。例えば、ハルカが2歳の頃とか…」

「え…2歳?」

この場を沈黙が支配する。それが普通なんだと自分に言い聞かす。

ボクは3歳だったけど「両親の死」という大事件以外は虚ろにしか覚えてない。2歳のハルカが覚えてる訳がないんだ。

「変なこと聞いて悪かったな。特に深い意味はないから気にしないでくれ」

ボクは飲み終わった容器をゴミ箱に入れた。ハルカが不思議そうな顔でボクを見てくる。

ホントは言うべきではないのかもしれない。こんな三股宣言、下手したら全員に総スカンもあり得る。特にハルカには受け入れてもらえないだろう。

とはいえ「3人とも好きなんだ」これが今のボクの「本心」…。もし受け入れられなかったとしても、悪いのは自分だ、しょーがない。

だけどここをハッキリ伝えておかないと、ボクはきっとパンクする。だから…決めたんだ!

「もう寝るわ。ハルカも早く寝ろよ、おやすみ」

ボクはハルカに手を振ると、男子寮に向けて歩き出した。あー、地獄の沙汰を待つ罪人の心境て、こんな感じなのかなぁ…

「ケータ!」

突然ハルカに呼び止められた。ボクは振り返るとハルカに胸ぐらを掴まれ、強引に引き下ろされた。

ボクは目を見開いた。

目の前に、瞳を閉じたハルカの顔…

唇には、とても柔らかな感触…

それはとても一瞬のことだった。

次の瞬間には、胸のあたりをドンと突き飛ばされる。ボクはその衝撃に2、3歩後退った。ハルカはそのまま女子寮の方へ駆けていった。ボクが呆然と見送っていると、入り口付近で振り返る。

「私、覚えてる。全部覚えてる!」

ハルカの声がボクに届く。

え…覚えてる?何を?2歳の頃のことを?だったらハルカは知ってたのか?ボクらが兄妹じゃないってことを…

「おやすみ!」

そう言い残し、ハルカは女子寮に消えた。

ボクは自分の唇に無意識に触れた。

今の、キス…だよな?

顔の温度が急上昇していくのが分かる。

ボクはどうやって自分の部屋に戻ったのか、全く覚えてない。ただ、それからは一睡も出来なかった。
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