119 / 165
第9章 合流!
119
しおりを挟む
正直、何がなんだか分からない。気がついたら春日翔がいてるし、いきなり戦闘中だし。だけどハルカの危機には咄嗟に体が動いた。殆ど無意識だった。
「私じゅーぶん満足したし、これでホントに帰るよ」
少女(後でベルと知った)はボクから離れると、アリスの方に向きながら自分の背中をポンと叩いた。すると真っ黒な翼がバサッと開く。
「皆んなが無事で終わる、コレがホントに最後のチャンスだよ?」
アリスは言葉を発することが出来ない。悔しそうな表情で、ただ黙ってベルのことを睨みつけていた。
「分かってくれたみたいで嬉しーよ」
ベルが「アハッ」と笑った。それからスゥーと空中に浮かび上がる。ボクらは視線でベルの姿を追いかけるが、誰も身動き出来なかった。
分かってるんだ。これ以上戦うと、誰か本当に死んでしまうと…
だけど彼女が他の味方と連携でもされたら、もっとトンデモないことになるんじゃないのか?敵対してる以上、いつかは戦わないといけない相手。だったら単独でいる今が、最後のチャンスにならないか?
そのとき、ベルの姿がパッと結界に包まれた。
「どういうつもり?」
ベルが空中から鋭い視線を投げかける。視線の先にはハルカがいた。
「逃がさないって言ってるでしょ!」
「例え何枚重ねたって、こんなので私を拘束出来ないって分かってるよね!」
ベルが鎌を振り上げた。
「分かってるわよ!」
言いながらハルカが、ブンブンと右腕を振り回し始めた。連動しているように捕縛結界が動き始める。まるで紐の先に結び付けた結界を振り回すように、グルグルと高速回転し始めた。
「ぐ…このっ!」
結界内のベルは、遠心力で結界壁面に無理矢理押しつけられる。
そのときハルカがボクの方に顔を向けた。視線が合わさった瞬間、閃光が脳内を駆け巡った…ような気がした。
ボクはスマホを操作すると、トライメテオを100倍に拡大する。
タイミングを見計らっていたハルカが、突然結界を解除した。カタパルトから射出されたように、ベルが地面に叩きつけられる。
「がはっ」
まるでゴムボールのように、ベルの身体が地面の上を一回弾んだ。
間髪入れず、トライメテオで強襲する。3メートル程のミスリル銀の塊を交互に合計3発、ベルの身体に叩きつけた。
「あ…あ、う」
クレーターのように陥没した地面の底で、ベルが半分埋れたまま呻いていた。
即座に動いたアリスがベルの元に駆け寄ると、彼女の上に馬乗りになった。
「聖騎士の…お兄ちゃんじゃ、ないんだ?」
「ショウにはまだ、人を殺す心の準備が出来てないの…ゴメンね」
「仕方…ないなー」
ベルが弱々しく笑った。
アリスの剣がベルの心臓を刺し貫いた。
~~~
アリスがボクらのところに戻ってくると、「パン」と両手を叩いた。
「さて、大きな案件も片付いたコトですし、もう一つの案件を片付けましょうか」
皆んなが「?」と不思議そうな顔をしてる中、アリスが春日翔の前に立つ。
「ショウも持っているのですよね?」
アリスがにこやかな笑顔を見せる。
「な…何を?」
「破廉恥な本を、です。男子コーコーセーとやらは皆んな持っているのでしょう?」
笑顔を崩さないアリスはしかし、背中に「ゴゴゴ」と恐ろしいオーラを背負っていた。
「い…いやー、俺は持ってないゼ」
春日翔は目を逸らしながら否定した。あんニャロ、人を散々堕としといて自分だけ助かろうーってか!
そーはいくか!
「モチロン持ってるよ、ソイツ。結構エグイの」
「エグイ…とは?ケータさま」
「アリスさんみたいな…」
「恵太っ!」
ボクの声を遮るように春日翔が大声を出した。驚いてソチラに顔を向けると、美しく完璧な「土下座」スタイルで額を地面に擦り付けていた。
「個人のセンシティブな情報を軽々しく他人に教えるなんて、あってはならないことだった!全面的に俺が悪い。この通りだ、頼む、許してくれ!」
ここまでされてしまうと、流石にこれ以上続ける訳にはいかない。ボクは「はぁー」と大きな溜め息をついた。
「もう言わねーよ。だから顔を上げてくれ」
ボクは春日翔に右手を差し出した。その手に気付いた春日翔は、ボクの手を取り立ち上がった。
「すまない恵太、恩に着る」
「何言ってんだ、ボクとお前の仲だろ?」
ボクたちは右腕をガッチリ組み合わせると、改めて友情を確かめ合った。
「私じゅーぶん満足したし、これでホントに帰るよ」
少女(後でベルと知った)はボクから離れると、アリスの方に向きながら自分の背中をポンと叩いた。すると真っ黒な翼がバサッと開く。
「皆んなが無事で終わる、コレがホントに最後のチャンスだよ?」
アリスは言葉を発することが出来ない。悔しそうな表情で、ただ黙ってベルのことを睨みつけていた。
「分かってくれたみたいで嬉しーよ」
ベルが「アハッ」と笑った。それからスゥーと空中に浮かび上がる。ボクらは視線でベルの姿を追いかけるが、誰も身動き出来なかった。
分かってるんだ。これ以上戦うと、誰か本当に死んでしまうと…
だけど彼女が他の味方と連携でもされたら、もっとトンデモないことになるんじゃないのか?敵対してる以上、いつかは戦わないといけない相手。だったら単独でいる今が、最後のチャンスにならないか?
そのとき、ベルの姿がパッと結界に包まれた。
「どういうつもり?」
ベルが空中から鋭い視線を投げかける。視線の先にはハルカがいた。
「逃がさないって言ってるでしょ!」
「例え何枚重ねたって、こんなので私を拘束出来ないって分かってるよね!」
ベルが鎌を振り上げた。
「分かってるわよ!」
言いながらハルカが、ブンブンと右腕を振り回し始めた。連動しているように捕縛結界が動き始める。まるで紐の先に結び付けた結界を振り回すように、グルグルと高速回転し始めた。
「ぐ…このっ!」
結界内のベルは、遠心力で結界壁面に無理矢理押しつけられる。
そのときハルカがボクの方に顔を向けた。視線が合わさった瞬間、閃光が脳内を駆け巡った…ような気がした。
ボクはスマホを操作すると、トライメテオを100倍に拡大する。
タイミングを見計らっていたハルカが、突然結界を解除した。カタパルトから射出されたように、ベルが地面に叩きつけられる。
「がはっ」
まるでゴムボールのように、ベルの身体が地面の上を一回弾んだ。
間髪入れず、トライメテオで強襲する。3メートル程のミスリル銀の塊を交互に合計3発、ベルの身体に叩きつけた。
「あ…あ、う」
クレーターのように陥没した地面の底で、ベルが半分埋れたまま呻いていた。
即座に動いたアリスがベルの元に駆け寄ると、彼女の上に馬乗りになった。
「聖騎士の…お兄ちゃんじゃ、ないんだ?」
「ショウにはまだ、人を殺す心の準備が出来てないの…ゴメンね」
「仕方…ないなー」
ベルが弱々しく笑った。
アリスの剣がベルの心臓を刺し貫いた。
~~~
アリスがボクらのところに戻ってくると、「パン」と両手を叩いた。
「さて、大きな案件も片付いたコトですし、もう一つの案件を片付けましょうか」
皆んなが「?」と不思議そうな顔をしてる中、アリスが春日翔の前に立つ。
「ショウも持っているのですよね?」
アリスがにこやかな笑顔を見せる。
「な…何を?」
「破廉恥な本を、です。男子コーコーセーとやらは皆んな持っているのでしょう?」
笑顔を崩さないアリスはしかし、背中に「ゴゴゴ」と恐ろしいオーラを背負っていた。
「い…いやー、俺は持ってないゼ」
春日翔は目を逸らしながら否定した。あんニャロ、人を散々堕としといて自分だけ助かろうーってか!
そーはいくか!
「モチロン持ってるよ、ソイツ。結構エグイの」
「エグイ…とは?ケータさま」
「アリスさんみたいな…」
「恵太っ!」
ボクの声を遮るように春日翔が大声を出した。驚いてソチラに顔を向けると、美しく完璧な「土下座」スタイルで額を地面に擦り付けていた。
「個人のセンシティブな情報を軽々しく他人に教えるなんて、あってはならないことだった!全面的に俺が悪い。この通りだ、頼む、許してくれ!」
ここまでされてしまうと、流石にこれ以上続ける訳にはいかない。ボクは「はぁー」と大きな溜め息をついた。
「もう言わねーよ。だから顔を上げてくれ」
ボクは春日翔に右手を差し出した。その手に気付いた春日翔は、ボクの手を取り立ち上がった。
「すまない恵太、恩に着る」
「何言ってんだ、ボクとお前の仲だろ?」
ボクたちは右腕をガッチリ組み合わせると、改めて友情を確かめ合った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
よくゲームとかで敵を回復するうざい敵キャラっているだろ?
――――それ、オレなんだわ……。
昔流行ったゲーム『魔剣伝説』の中で、悪事を働く辺境伯の息子……の取り巻きの一人に転生してしまったオレ。
そんなオレには、病に侵された双子の妹がいた。
妹を死なせないために、オレがとった秘策とは――――。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる