ハズレ召喚として追放されたボクは、拡大縮小カメラアプリで異世界無双

さこゼロ

文字の大きさ
128 / 165
第10章 彼女の切り札

128

しおりを挟む
「さてと、シャワーでも入るかな」

少し変な空気だけど話も一段落ついたので、ボクは席から立ち上がった。

「ケータお兄ちゃん、それは私がやっとくよ」

自分の使ったコップをさげようと手に持ったとき、ルーが声をかけてきた。

「いつもアリガトな、ルー」

ボクがルーの頭を優しく撫でると、「お安い御用だよ」と嬉しそうに笑った。くー、ホント可愛いなコイツ。

それから二階のクローゼットから着替えを持ってきて、脱衣所に入ろうと扉を開けたとき、急に後ろからドンと突き飛ばされた。

トトッとつんのめって2、3歩よろめくと、背後で扉が閉まり「カチリ」と鍵を掛ける音がした。

焦って振り返ると、そこにサトコが立っていた。

「サ、サト…ムグッ」

驚いて声を出そうとした瞬間、突然口を塞がれた。目の前に真っ赤な顔のサトコのドアップ、唇には柔らかな感触。ボクは目を見張ったまま硬直した。

「ケータ、なんかあった?」

外からハルカの声が聞こえてきた。しかしサトコのキスは継続中、背中に回された腕で強く抱きしめられ、そのうえサトコの胸のボリュームに頭が完全にショートしていた。

しばらくしてハルカの離れていく足音が聞こえた。それでもボクは解放されず、どれくらいの時間がたったのだろうか?ずっと背伸びをしていたサトコの踵が床につくと、自動的にサトコの唇が離れた。

しかしサトコはまだ離れない。ボクの肩に自分の額をのせるように押し付けると、背中に回す腕に更に力が入る。

サトコの温もりに、柔らかさに、甘い匂いに、ボクの全身はフニャフニャになって全く力が入らない。

そのときサトコが、ボクを押し出すように前に進み始めた。ボクは後ろ歩きでヨタヨタと歩くと、何かにつまずきストンと座らされる。脱衣所にひとつだけ置いてある椅子だった。

間髪入れず、サトコが向き合う形でボクの膝の上に座った。少しだけ、サトコの方が目線が上になる。

「ケータくんはちゃんと分別のある大人だよね?」

「え?」

サトコはボクのおデコとおデコをくっ付ける。超至近距離。目がグルグル回って、何がなんだか分からない。

「ケータくんの全てを私が受けとめる。私の全てをケータくんにあげる。だからっ!」

サトコは再び唇を合わせた。今度は濃密なキス。ボクの中に侵入してきたサトコの舌が、ボクの舌に絡みつく。これヤバイ…メッチャ気持ちいい。ボクは今日、ここで死ぬかもしれない。

そのとき脱衣所の扉がドンドンと激しく叩かれた。

「サトコ!ここにいるんでしょ!」

ハルカの怒鳴り声が響いてくる。

「残念、気付かれちゃったか」

サトコは立ち上がると、ペロッと舌を出した。ボクは座り込んだまま呆然とサトコを見上げた。

「ケータくん、どこに出しても、誰に見せても恥ずかしくないのは絶対私だよ…覚えておいて」

そう言って「チュッ」と軽い口づけをかわす。

「どいてください、ハルカさん!こうなったら鍵を壊します!」

ルーの過激な発言が出たところで、サトコが扉の外に出ていった。扉を閉める直前に振り向いたサトコの可愛い顔が目に焼き付いて離れない。

「サ、サトコ!アンタ、中で何してたのよ!」

「何もしてないって」

「だけどサトコさん、火照った顔でイヤらしい感じがします!」

「しようと思ったけど、二人が邪魔するから出来なかったのよ」

「ア、ア、アンタよくもそんなコトが言えるわね!この…い、淫乱!」

「サトコさん、今日はケータお兄ちゃんの横で寝るのは禁止です!」

「それは、イヤ!」

3人の声がだんだんと遠のいていくのを聞きながら、ボクはしばらく動けないでいた。
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
よくゲームとかで敵を回復するうざい敵キャラっているだろ? ――――それ、オレなんだわ……。 昔流行ったゲーム『魔剣伝説』の中で、悪事を働く辺境伯の息子……の取り巻きの一人に転生してしまったオレ。 そんなオレには、病に侵された双子の妹がいた。 妹を死なせないために、オレがとった秘策とは――――。

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...