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【転移1日目】 所持金11万1100ウェン 「勝ったなガハハ!」
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「遠市厘、君は追放だ。」
真顔で司祭が俺に告げる。
クラスメイト達のクスクスとした笑い声が背後で聞こえる。
ラノベで100万回くらい読んだ展開なので割愛するが、俺こと遠市厘(といち りん)は高校のクラスメートと共に集団転移させられてきた。
呼びつけたのは眼前のナーロッパ人。
どうやら魔王を倒して欲しいらしい。
こちらの都合も聞かずにスキル診断が始まり、クラスで俺だけが外れスキル認定されてしまった。
『あの…
一応、念を押しておきますが。
本当に俺が不要なんですか?』
後であれこれ言われるのも面倒なので、一応念を押しておく。
そんなに魔王とやらを倒したいなら、俺の能力を是非とも活用するべきだと思うのだが…
「君なんぞは必要ない!
大体何だね!
その【複利】などというスキルは?
私は長年スキル鑑定業務に携わっているが、そんな名前のスキルは聞いた事もない!」
…そうか。
この世界には複利の概念が無いか。
まあ、見た所中世か近世あたりの文明レベルだもんな。
そりゃあ、仕方ないか。
「しかも備考欄には1%としか書かれていない!」
そりゃあ、利率を記載しなくちゃ金商法に抵触するだろうからな。
いや、問題はそこじゃない。
この中世民共が【複利】の概念を知らないのは、まあ許せる。
だが、級友よ…
オマエラァ…
「おいおい 遠市w
【複利】って何だよw
変な名前のハズレスキル引いちまったなあw」
「あははははww
遠市君って、1人で本ばっかり読んでるから変なスキルを引いちゃうんだよww」
「何だよw 【複利】ってw
聞いたこともねーぞw」
…あのさ。
君達、一応高等学校の生徒なんだよね?
日本国文部科学省が設定した高校入学試験に合格して入学してるんだよね?
ん?
【複利】ってそんなに難解な概念か?
いや、授業で習わなかったか?
いやいやいや
経済大国ニッポンの国民として、当然知っておくべきではないか?
いやいやいやいや
資本主義社会に生きるエコノミックアニマルとして、当然【複利】の概念くらいはだな…
知っておこうよ
それくらいは
常識やんけ!
…マジか?
ここに居る全員が【複利】を知らないのか?
俺、ランドセルを背負ってた時期には、既に理解していたぞ?
「しかも、君のステータスは全て一桁台!!
常人の1%程度の能力しかないじゃないか!」
司祭の声で我に返る。
==========================
そう俺のパラメーターは極めて低い。
《LV》 1
《HP》 3
《MP》 1
《腕力》 1
《速度》 1
《器用》 1
《魔力》 1
《知性》 2
《精神》 1
《幸運》 1
司祭曰く、生まれたての赤ん坊でももっと高いらしい。
この世界の初期レベルステータス平均値は概ね100から200の間であり、クラスメートも大体そんなものだった。
例えば、柔道部の岩田。
彼は中学の頃、重量級の県選抜選手として活躍していたこともあるのだが、その《腕力》は419ポイントだった。
逆に、あからさまに運動経験のなさそうな図書委員の和田和子の《腕力》は84ポイントだ。
ちなみに《速度》が一番高かったのはサッカー部の橋本。
コイツの362ポイントが表示された時は、尊敬のどよめきが起こった。
流石にマラソン大会で優勝するだけの事はある。
また、我が校が低民度県の底辺高校である所為か、《知性》は概ね低かった。
そりゃあ、我が県は毎年沖縄県と熾烈な偏差値ワースト争いを繰り広げているのだから、低くて当然だろう。
《魔力》に関しては、キモい順に高い値が割り当てられるらしく、鉄オタの荒木(799ポイント)とドルオタの布川(785ポイント)、いつもアニメTシャツを着用している金本(782ポイント)がトップ3だった。
トップ15までは700ポイント台後半で占められており、これには司祭も満足そうだった。
コイツらと一緒にされるぐらいなら俺は魔法なんか一生要らない。
確かに、クラスメートに比べれば、俺のステータスは異常だよな。
==========================
「しかもだ!
君のスキル【複利】のランク評価はGと表記されている!
G!?
そんなランクは初耳だ!!
スキルの評価は最低でもFだぞ!?
例えば、宮本君が引き当てた【剣豪】のスキルはB評価だ!!」
スキルランクは、価値順にSからFまで序列付けられており、「G」等というランクは本来存在しない、とのこと。
存在しないものなら、そこに稀少価値が生まれるような気もするのだが、この世界はまだ柔軟な知性を備えてないらしい。
でも、我【複利】ぞ?
「陛下!
この者は追放が妥当でしょう!
神の恩寵を受けながら、この低ステータス!
これは冒涜ですぞ!
大臣も将軍も、それで構いませんな!」
司祭と俺との遣り取りを眺めていた王様が「あー、うー。」とか唸っている。
最初俺を追放するのを渋ってくれているのかと思って期待したが、どうやら喉の調子が悪いだけらしい。
近侍の者に何事かを耳打ちされると「そうせい」とだけ呟いた。
左右に立っているハゲとマッチョが、それぞれ大臣・将軍なのだろう。
転移者の扱いは彼らの管轄外なのか、ポカーンとした表情でこちらを見ている。
どうやら転移者の扱いに関しては司祭が権限を与えられているらしい。
で、その司祭は俺が気に入らなかったようである。
==========================
結局。
俺の追放は決定。
てっきり荒野にでも捨てられるのかと身構えたのだが、そこまで鬼畜ではないらしい。
この国の平民と同様に、この王宮がある中央区とその周辺の貴族区への入区を禁じられるだけで済んだ。
一応、手切金も貰った。
その額、1万ウェン。
他の連中は支度金として100万ウェン貰えるらしいから、1%野郎に対する手当としてはこれが妥当だと思われたのだろう。
取り敢えず駄目元で王宮を追い出される前に、周囲にカネをせびってみる。
クラスメートは「校則でカネの貸し借りは禁じられているからw」とニヤニヤしながら断ってきた。
意外に王様が人の良さそうな雰囲気だったので、涙ながらに慈悲を乞うが、王宮法とやらで王様は直接現金を持てないらしいので断られる。
(即位以来、現金を触る機会が本当に無いらしい。)
大臣と将軍にも駄目元で頼んでみると、5万ずつ貸してくれた。
『出世払いで返します!』
と宣言したら、残念そうな顔をされたので、彼らは俺の前途に期待してくれてないらしい。
王宮を出るまでに衛兵やらメイドにカネを恵んでもらおうとするが、「僕達も生活にゆとりがあるわけじゃないからねえ」と申し訳なさそうに断られる。
雰囲気からして断り口上ではない。
着ている制服がみんな微妙に薄汚いのだ。
この国はあまり豊かではないのだろう。
そう言えば司祭もしきりに維持費の話ばかりしていた。
「勇者候補を養っていくのもタダではないんですぞ、陛下!」
というニュアンスの発言を何度か聞いた。
まあ、カネが無いのだろう。
丁度、あの女の口癖も「タダやないねんで!?」だった。
==========================
俺は肩を落とした素振りで王宮を出る…
衛兵達が同情的な言葉を投げかけてくれたので、弱弱しい笑いを作って礼を述べる。
『いやあ、これからは目立たずこっそり生きていきます。』
半ば皮肉でそう言ったのだが、衛兵たちは真に受けたらしく、悲痛な表情で見送ってくれた。
…。
駄目だ、まだ笑うな。
勝ち誇るのは、せめて人目の無い所に行ってからだ。
っぷw
駄目だ、まだ笑うな!
ぷぷっw
ヤバいヤバい。
こっちの本音を悟られたらヤバいって…
…。
…。
…。
跳ね橋を渡って、内堀を越える。
街並みもどんどん貧しくなってきた。
道端に人気のない井戸があったので、、しゃがんでその陰に身を隠す。
…。
キョロキョロ。
…よし、誰も見てないな。
『…ステータスオープン。』
誰にも聞かれないように、口の中でこっそり呟く。
視界の左半分に透明化ウィンドウが展開された。
さて、この喜びを噛み締めるかw
検証も手早く行いたいしな。
==========================
【名前】
遠市厘
【ステータス】
《LV》 1
《HP》 3
《MP》 1
《腕力》 1
《速度》 1
《器用》 1
《魔力》 1
《知性》 2
《精神》 1
《幸運》 1
《経験》 0
※次のレベルまで残り10ポイント。
【スキル】
「複利」 (配当まで残り00時間07分)
※1%
【所持金】
11万ウェン
==========================
改めて低いステータスだな。
そりゃあ、追放されるわ。
さて、やはり特筆すべきは「配当まで残り00時間07分」という表記だな。
ふふふw
「配当」という単語に心がときめく。
ぷwくくくw
たまらんなw
…7分
駄目だ、我慢できないww
俺は踊りだしたい気持ちを必死で押し殺しながら、井戸の陰に身を潜めて7分を待つ…
くくくw
6分、5分、4分…
駄目だ動悸が激しくなってきた…
ヤバいw 嬉し過ぎて心臓発作を起こしそうww
3分、2分、1分…
ふー、ふー。
落ち着け… 落ち着け…
マジで心臓発作で死に兼ねんぞ…
落ち着け、俺の鼓動…
13秒、12秒、11秒、10秒…
ふー、ふー。
9秒、8秒、7秒、6秒…
やばい! 緊張してきた!!!
やばい! ウンコ漏れそう!!
5秒、4秒、3秒、2秒、1秒、ぜ…
《1100ウェンの配当が支払われました。》
脳内に淡白な機械音が響いた。
俺はもう一度周囲に人が居ない事を確認してから、ポケットの中のコインを慎重に確かめる。
1万ウェン金貨が11枚、ここに来るまでに何度も触って確認してきたから間違いない。
ゴソゴソ…
ゴソゴソ…
ッ!?
『ふおっ!!』
思わず声を漏らしてしまう。
13枚!!
『あ、あ、あ。』
ポケットには、いつの間にか銀貨と銅貨が1枚ずつ増えていた。
こっそり取り出すと、銀貨には1000と書かれ、銅貨には100と書かれている。
『しゃぁっ!!』
堪えきれずにガッツポーズ!
==========================
【スキル】
「複利」 (配当まで残り23時間58分)
※1%
【所持金】
11万1100ウェン
==========================
『うおおおおお!!!!』
ついに叫んでしまう。
慌てて周囲を警戒。
屋台のおばさんがこちらを振り返ったので、早歩きで井戸を離れる。
オイオイオイww!
【複利】って【日利】かよww!!!
はははw
これ反則だろww
オイオイオイw
これ、俺のスキルの存在がバレたら、マジで殺されるだろww
やべーよ、やべーってw
ふひっw ふひひひひw
笑いが止まらんww
ぷぷぷのぷーーーーーーーーーーーーwwww
勝ったなガハハww
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
遠市厘
【職業】
無職
【ステータス】
《LV》 1
《HP》 3
《MP》 1
《力》 1
《速度》 1
《器用》 1
《魔力》 1
《知性》 2
《精神》 1
《幸運》 1
《経験》 0
※次のレベルまで残り10ポイント。
【スキル】
「複利」
※日利1%
【所持金】
11万1100ウェン
【応援よろしくお願いします!】
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「カネが欲しい!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。
真顔で司祭が俺に告げる。
クラスメイト達のクスクスとした笑い声が背後で聞こえる。
ラノベで100万回くらい読んだ展開なので割愛するが、俺こと遠市厘(といち りん)は高校のクラスメートと共に集団転移させられてきた。
呼びつけたのは眼前のナーロッパ人。
どうやら魔王を倒して欲しいらしい。
こちらの都合も聞かずにスキル診断が始まり、クラスで俺だけが外れスキル認定されてしまった。
『あの…
一応、念を押しておきますが。
本当に俺が不要なんですか?』
後であれこれ言われるのも面倒なので、一応念を押しておく。
そんなに魔王とやらを倒したいなら、俺の能力を是非とも活用するべきだと思うのだが…
「君なんぞは必要ない!
大体何だね!
その【複利】などというスキルは?
私は長年スキル鑑定業務に携わっているが、そんな名前のスキルは聞いた事もない!」
…そうか。
この世界には複利の概念が無いか。
まあ、見た所中世か近世あたりの文明レベルだもんな。
そりゃあ、仕方ないか。
「しかも備考欄には1%としか書かれていない!」
そりゃあ、利率を記載しなくちゃ金商法に抵触するだろうからな。
いや、問題はそこじゃない。
この中世民共が【複利】の概念を知らないのは、まあ許せる。
だが、級友よ…
オマエラァ…
「おいおい 遠市w
【複利】って何だよw
変な名前のハズレスキル引いちまったなあw」
「あははははww
遠市君って、1人で本ばっかり読んでるから変なスキルを引いちゃうんだよww」
「何だよw 【複利】ってw
聞いたこともねーぞw」
…あのさ。
君達、一応高等学校の生徒なんだよね?
日本国文部科学省が設定した高校入学試験に合格して入学してるんだよね?
ん?
【複利】ってそんなに難解な概念か?
いや、授業で習わなかったか?
いやいやいや
経済大国ニッポンの国民として、当然知っておくべきではないか?
いやいやいやいや
資本主義社会に生きるエコノミックアニマルとして、当然【複利】の概念くらいはだな…
知っておこうよ
それくらいは
常識やんけ!
…マジか?
ここに居る全員が【複利】を知らないのか?
俺、ランドセルを背負ってた時期には、既に理解していたぞ?
「しかも、君のステータスは全て一桁台!!
常人の1%程度の能力しかないじゃないか!」
司祭の声で我に返る。
==========================
そう俺のパラメーターは極めて低い。
《LV》 1
《HP》 3
《MP》 1
《腕力》 1
《速度》 1
《器用》 1
《魔力》 1
《知性》 2
《精神》 1
《幸運》 1
司祭曰く、生まれたての赤ん坊でももっと高いらしい。
この世界の初期レベルステータス平均値は概ね100から200の間であり、クラスメートも大体そんなものだった。
例えば、柔道部の岩田。
彼は中学の頃、重量級の県選抜選手として活躍していたこともあるのだが、その《腕力》は419ポイントだった。
逆に、あからさまに運動経験のなさそうな図書委員の和田和子の《腕力》は84ポイントだ。
ちなみに《速度》が一番高かったのはサッカー部の橋本。
コイツの362ポイントが表示された時は、尊敬のどよめきが起こった。
流石にマラソン大会で優勝するだけの事はある。
また、我が校が低民度県の底辺高校である所為か、《知性》は概ね低かった。
そりゃあ、我が県は毎年沖縄県と熾烈な偏差値ワースト争いを繰り広げているのだから、低くて当然だろう。
《魔力》に関しては、キモい順に高い値が割り当てられるらしく、鉄オタの荒木(799ポイント)とドルオタの布川(785ポイント)、いつもアニメTシャツを着用している金本(782ポイント)がトップ3だった。
トップ15までは700ポイント台後半で占められており、これには司祭も満足そうだった。
コイツらと一緒にされるぐらいなら俺は魔法なんか一生要らない。
確かに、クラスメートに比べれば、俺のステータスは異常だよな。
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「しかもだ!
君のスキル【複利】のランク評価はGと表記されている!
G!?
そんなランクは初耳だ!!
スキルの評価は最低でもFだぞ!?
例えば、宮本君が引き当てた【剣豪】のスキルはB評価だ!!」
スキルランクは、価値順にSからFまで序列付けられており、「G」等というランクは本来存在しない、とのこと。
存在しないものなら、そこに稀少価値が生まれるような気もするのだが、この世界はまだ柔軟な知性を備えてないらしい。
でも、我【複利】ぞ?
「陛下!
この者は追放が妥当でしょう!
神の恩寵を受けながら、この低ステータス!
これは冒涜ですぞ!
大臣も将軍も、それで構いませんな!」
司祭と俺との遣り取りを眺めていた王様が「あー、うー。」とか唸っている。
最初俺を追放するのを渋ってくれているのかと思って期待したが、どうやら喉の調子が悪いだけらしい。
近侍の者に何事かを耳打ちされると「そうせい」とだけ呟いた。
左右に立っているハゲとマッチョが、それぞれ大臣・将軍なのだろう。
転移者の扱いは彼らの管轄外なのか、ポカーンとした表情でこちらを見ている。
どうやら転移者の扱いに関しては司祭が権限を与えられているらしい。
で、その司祭は俺が気に入らなかったようである。
==========================
結局。
俺の追放は決定。
てっきり荒野にでも捨てられるのかと身構えたのだが、そこまで鬼畜ではないらしい。
この国の平民と同様に、この王宮がある中央区とその周辺の貴族区への入区を禁じられるだけで済んだ。
一応、手切金も貰った。
その額、1万ウェン。
他の連中は支度金として100万ウェン貰えるらしいから、1%野郎に対する手当としてはこれが妥当だと思われたのだろう。
取り敢えず駄目元で王宮を追い出される前に、周囲にカネをせびってみる。
クラスメートは「校則でカネの貸し借りは禁じられているからw」とニヤニヤしながら断ってきた。
意外に王様が人の良さそうな雰囲気だったので、涙ながらに慈悲を乞うが、王宮法とやらで王様は直接現金を持てないらしいので断られる。
(即位以来、現金を触る機会が本当に無いらしい。)
大臣と将軍にも駄目元で頼んでみると、5万ずつ貸してくれた。
『出世払いで返します!』
と宣言したら、残念そうな顔をされたので、彼らは俺の前途に期待してくれてないらしい。
王宮を出るまでに衛兵やらメイドにカネを恵んでもらおうとするが、「僕達も生活にゆとりがあるわけじゃないからねえ」と申し訳なさそうに断られる。
雰囲気からして断り口上ではない。
着ている制服がみんな微妙に薄汚いのだ。
この国はあまり豊かではないのだろう。
そう言えば司祭もしきりに維持費の話ばかりしていた。
「勇者候補を養っていくのもタダではないんですぞ、陛下!」
というニュアンスの発言を何度か聞いた。
まあ、カネが無いのだろう。
丁度、あの女の口癖も「タダやないねんで!?」だった。
==========================
俺は肩を落とした素振りで王宮を出る…
衛兵達が同情的な言葉を投げかけてくれたので、弱弱しい笑いを作って礼を述べる。
『いやあ、これからは目立たずこっそり生きていきます。』
半ば皮肉でそう言ったのだが、衛兵たちは真に受けたらしく、悲痛な表情で見送ってくれた。
…。
駄目だ、まだ笑うな。
勝ち誇るのは、せめて人目の無い所に行ってからだ。
っぷw
駄目だ、まだ笑うな!
ぷぷっw
ヤバいヤバい。
こっちの本音を悟られたらヤバいって…
…。
…。
…。
跳ね橋を渡って、内堀を越える。
街並みもどんどん貧しくなってきた。
道端に人気のない井戸があったので、、しゃがんでその陰に身を隠す。
…。
キョロキョロ。
…よし、誰も見てないな。
『…ステータスオープン。』
誰にも聞かれないように、口の中でこっそり呟く。
視界の左半分に透明化ウィンドウが展開された。
さて、この喜びを噛み締めるかw
検証も手早く行いたいしな。
==========================
【名前】
遠市厘
【ステータス】
《LV》 1
《HP》 3
《MP》 1
《腕力》 1
《速度》 1
《器用》 1
《魔力》 1
《知性》 2
《精神》 1
《幸運》 1
《経験》 0
※次のレベルまで残り10ポイント。
【スキル】
「複利」 (配当まで残り00時間07分)
※1%
【所持金】
11万ウェン
==========================
改めて低いステータスだな。
そりゃあ、追放されるわ。
さて、やはり特筆すべきは「配当まで残り00時間07分」という表記だな。
ふふふw
「配当」という単語に心がときめく。
ぷwくくくw
たまらんなw
…7分
駄目だ、我慢できないww
俺は踊りだしたい気持ちを必死で押し殺しながら、井戸の陰に身を潜めて7分を待つ…
くくくw
6分、5分、4分…
駄目だ動悸が激しくなってきた…
ヤバいw 嬉し過ぎて心臓発作を起こしそうww
3分、2分、1分…
ふー、ふー。
落ち着け… 落ち着け…
マジで心臓発作で死に兼ねんぞ…
落ち着け、俺の鼓動…
13秒、12秒、11秒、10秒…
ふー、ふー。
9秒、8秒、7秒、6秒…
やばい! 緊張してきた!!!
やばい! ウンコ漏れそう!!
5秒、4秒、3秒、2秒、1秒、ぜ…
《1100ウェンの配当が支払われました。》
脳内に淡白な機械音が響いた。
俺はもう一度周囲に人が居ない事を確認してから、ポケットの中のコインを慎重に確かめる。
1万ウェン金貨が11枚、ここに来るまでに何度も触って確認してきたから間違いない。
ゴソゴソ…
ゴソゴソ…
ッ!?
『ふおっ!!』
思わず声を漏らしてしまう。
13枚!!
『あ、あ、あ。』
ポケットには、いつの間にか銀貨と銅貨が1枚ずつ増えていた。
こっそり取り出すと、銀貨には1000と書かれ、銅貨には100と書かれている。
『しゃぁっ!!』
堪えきれずにガッツポーズ!
==========================
【スキル】
「複利」 (配当まで残り23時間58分)
※1%
【所持金】
11万1100ウェン
==========================
『うおおおおお!!!!』
ついに叫んでしまう。
慌てて周囲を警戒。
屋台のおばさんがこちらを振り返ったので、早歩きで井戸を離れる。
オイオイオイww!
【複利】って【日利】かよww!!!
はははw
これ反則だろww
オイオイオイw
これ、俺のスキルの存在がバレたら、マジで殺されるだろww
やべーよ、やべーってw
ふひっw ふひひひひw
笑いが止まらんww
ぷぷぷのぷーーーーーーーーーーーーwwww
勝ったなガハハww
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
遠市厘
【職業】
無職
【ステータス】
《LV》 1
《HP》 3
《MP》 1
《力》 1
《速度》 1
《器用》 1
《魔力》 1
《知性》 2
《精神》 1
《幸運》 1
《経験》 0
※次のレベルまで残り10ポイント。
【スキル】
「複利」
※日利1%
【所持金】
11万1100ウェン
【応援よろしくお願いします!】
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「カネが欲しい!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。
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身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
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2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
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一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
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