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朝の眩しさがカーテンの隙間から割り込んできて、寝惚けた瞼に刺さる。時計は朝、8時にたどり着こうとしていた。
夏のさなかでも案外、朝は涼しい。開けた窓から吹き込む夜に冷やされた風に、目がさめる。部屋が陽光に満ちると、外の世界に女装した姿をさらけ出すようで、ちょっと気恥ずかしくなった。
兄はというとーーー当然といえば当然なのだがーーーあまりよく眠れなかったようだ。解いてくれ、と言わんばかりに仕切りにベッドを軋ませている。もちろん、従ったりしない。主導権はこちらにある。
床に散乱したものを一通り片付けた後で
「朝にしようか」
キッチンから菓子パン1つとスナック類1袋、冷蔵庫で冷えた水をコップ1杯。
ベッドの側にそれらを乗せたトレイを置いた後で、兄の口を塞ぐテープを思い出した。
(......どうしよ、これ)
テープを剥がしたら多分、兄は喉の奥に閉じ込められていた全ての不満を吐き出してくるだろう。特別な生活の始まりの朝から、鬱屈とした気分にはなりたくない。
そこで、我ながら卑怯な口封じを思い付いた。
「これからガムテープ剥がすけど、もし兄さんが余計なこと喋りだしたら、今の兄さんの恥ずかしい姿、動画に撮るか、配信で流すから。顔隠したりしてあげないよ?ダメなサイトにもあげるから」
あからさまにぎょっと目を見開いた。分かりやすい反応が嗜虐心をくすぐる。
ガムテープを剥がす甲高い音が部屋に響く。口のまわりが赤くなっているのが痛痛しい。でも、それが愛おしい。
「なあ、やめろよ。やめろって!...こんな事ーーー」
「動画と配信。どっちが良い?」
言いたいことがあったようだが、わざとらしく撮影用の機材の音をたてると、途端に静かになった。スイッチみたいで面白い。動画、配信、その言葉、ただそれだけに怯えて何もできなくなる、普段の兄が決して見せない弱弱しさに、にやけが止まらない。
菓子パンを手でちぎって、兄の口に運ぶ。兄が口を開く。咀嚼し、喉が動く機械的な操作の繰り返しを眺めていると、ペットに餌をあげているみたいで堪らない。尊敬していた兄が、力強い兄が今、僕の助け無しには何もできないという事実が、ぞくぞくと全身を這う。
「暑いから喉、渇いたよね」
部屋の湿度ですっかり水浸しになったコップに手をかける。冷たくて気持ちいい。
「その体勢だと上手く飲めないでしょ?手伝ってあげる」
一口の水を口に含む。兄の身体にそっとまたがり、顔と顔を近付ける。
「......は!?おい、ちょっと待っーーー」
両手でしっかり掴んだ兄の顔へ、唇と唇を重ねる。顔全体をぼっと駆け巡る熱さと、唇から唇へ伝う水の冷たさが混じり合って、おかしくなりそうだ。ゆっくりと、何十秒もかけて、口に含んだ水を移していく。
ぷは、と息継ぎのような短い呼吸と共に、唇が離れる。
「......何考えてんだ。何考えてんだ、お前」
「ふ、......あははっ」
自分でも、ああ僕ヤバい顔してるな、と分かった。
兄さんの、混乱と羞恥心が一緒になった顔、普段見せない顔、今まで見たことのない顔。火照って赤くなった顔、痛痛しくひりひりと赤い口。......たまらない。まだ足りない。
さっきよりも多めに水を含む。夢中になってキスをする。水を飲ませているのは僕の方なのに、まるで兄さんの口の中から何かを掻き出そうとするように、夢中で。兄さんの硬い唇の震え。
「......ねえ、初めて?キスするの。喋っていいよ、兄さん、ほら。初めてでしょ?初めてのキス女装したヘンタイな弟に奪われて、どう?」
兄は言葉にならない呻きをあげていた。兄の視線は多分、スカートの内側でガチガチに固く腫れた僕のものに向けられている。同時に、僕の倍以上は大きい兄のものも、またがった僕の臀部の後ろで熱く脈打っている。
兄さんも僕と同じーーーダメになり始めているな、と感じた。
「兄さん、弟の見て興奮してんの?」
またがった姿勢から戻り、ベッドの側から兄の勃起したペニスをじっと見つめる。やめてくれ、という小さい呟きは無視して、じっと見つめる。
「だいぶ辛そうだけどさ、溜まってたりする?」
兄は黙っていた。
「答えてよ、ほら」
撮影用のカメラを見せびらかすと、兄は悔しそうに頷いた。
「手とか固定されてたらできないよね。かわいそ」
つん、と先端を指でつつくだけで、凄い勢いで跳ねる。面白くなって、つまんだり握ったりするたびに、兄さんが情けない声を漏らす。
さっきから兄と目が合って気まずいので、タオルで目隠しをする。そして、しばらく黙る。
「......ねえ?」
不意に耳元で囁いてあげると、兄の身体がびくんと波打った。
「......何、もじもじしてんの?期待した?男に弄られるのを?」
兄は落胆しているようだった。
「......ヘンタイ。」
カーテンを閉め、飲みかけの水や未開封のスナックの袋をガサゴソいわせながら、部屋を出る。
「......後でシてあげるから」
部屋の扉を閉めた。
夏のさなかでも案外、朝は涼しい。開けた窓から吹き込む夜に冷やされた風に、目がさめる。部屋が陽光に満ちると、外の世界に女装した姿をさらけ出すようで、ちょっと気恥ずかしくなった。
兄はというとーーー当然といえば当然なのだがーーーあまりよく眠れなかったようだ。解いてくれ、と言わんばかりに仕切りにベッドを軋ませている。もちろん、従ったりしない。主導権はこちらにある。
床に散乱したものを一通り片付けた後で
「朝にしようか」
キッチンから菓子パン1つとスナック類1袋、冷蔵庫で冷えた水をコップ1杯。
ベッドの側にそれらを乗せたトレイを置いた後で、兄の口を塞ぐテープを思い出した。
(......どうしよ、これ)
テープを剥がしたら多分、兄は喉の奥に閉じ込められていた全ての不満を吐き出してくるだろう。特別な生活の始まりの朝から、鬱屈とした気分にはなりたくない。
そこで、我ながら卑怯な口封じを思い付いた。
「これからガムテープ剥がすけど、もし兄さんが余計なこと喋りだしたら、今の兄さんの恥ずかしい姿、動画に撮るか、配信で流すから。顔隠したりしてあげないよ?ダメなサイトにもあげるから」
あからさまにぎょっと目を見開いた。分かりやすい反応が嗜虐心をくすぐる。
ガムテープを剥がす甲高い音が部屋に響く。口のまわりが赤くなっているのが痛痛しい。でも、それが愛おしい。
「なあ、やめろよ。やめろって!...こんな事ーーー」
「動画と配信。どっちが良い?」
言いたいことがあったようだが、わざとらしく撮影用の機材の音をたてると、途端に静かになった。スイッチみたいで面白い。動画、配信、その言葉、ただそれだけに怯えて何もできなくなる、普段の兄が決して見せない弱弱しさに、にやけが止まらない。
菓子パンを手でちぎって、兄の口に運ぶ。兄が口を開く。咀嚼し、喉が動く機械的な操作の繰り返しを眺めていると、ペットに餌をあげているみたいで堪らない。尊敬していた兄が、力強い兄が今、僕の助け無しには何もできないという事実が、ぞくぞくと全身を這う。
「暑いから喉、渇いたよね」
部屋の湿度ですっかり水浸しになったコップに手をかける。冷たくて気持ちいい。
「その体勢だと上手く飲めないでしょ?手伝ってあげる」
一口の水を口に含む。兄の身体にそっとまたがり、顔と顔を近付ける。
「......は!?おい、ちょっと待っーーー」
両手でしっかり掴んだ兄の顔へ、唇と唇を重ねる。顔全体をぼっと駆け巡る熱さと、唇から唇へ伝う水の冷たさが混じり合って、おかしくなりそうだ。ゆっくりと、何十秒もかけて、口に含んだ水を移していく。
ぷは、と息継ぎのような短い呼吸と共に、唇が離れる。
「......何考えてんだ。何考えてんだ、お前」
「ふ、......あははっ」
自分でも、ああ僕ヤバい顔してるな、と分かった。
兄さんの、混乱と羞恥心が一緒になった顔、普段見せない顔、今まで見たことのない顔。火照って赤くなった顔、痛痛しくひりひりと赤い口。......たまらない。まだ足りない。
さっきよりも多めに水を含む。夢中になってキスをする。水を飲ませているのは僕の方なのに、まるで兄さんの口の中から何かを掻き出そうとするように、夢中で。兄さんの硬い唇の震え。
「......ねえ、初めて?キスするの。喋っていいよ、兄さん、ほら。初めてでしょ?初めてのキス女装したヘンタイな弟に奪われて、どう?」
兄は言葉にならない呻きをあげていた。兄の視線は多分、スカートの内側でガチガチに固く腫れた僕のものに向けられている。同時に、僕の倍以上は大きい兄のものも、またがった僕の臀部の後ろで熱く脈打っている。
兄さんも僕と同じーーーダメになり始めているな、と感じた。
「兄さん、弟の見て興奮してんの?」
またがった姿勢から戻り、ベッドの側から兄の勃起したペニスをじっと見つめる。やめてくれ、という小さい呟きは無視して、じっと見つめる。
「だいぶ辛そうだけどさ、溜まってたりする?」
兄は黙っていた。
「答えてよ、ほら」
撮影用のカメラを見せびらかすと、兄は悔しそうに頷いた。
「手とか固定されてたらできないよね。かわいそ」
つん、と先端を指でつつくだけで、凄い勢いで跳ねる。面白くなって、つまんだり握ったりするたびに、兄さんが情けない声を漏らす。
さっきから兄と目が合って気まずいので、タオルで目隠しをする。そして、しばらく黙る。
「......ねえ?」
不意に耳元で囁いてあげると、兄の身体がびくんと波打った。
「......何、もじもじしてんの?期待した?男に弄られるのを?」
兄は落胆しているようだった。
「......ヘンタイ。」
カーテンを閉め、飲みかけの水や未開封のスナックの袋をガサゴソいわせながら、部屋を出る。
「......後でシてあげるから」
部屋の扉を閉めた。
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