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外、正午過ぎの街は意外と静かだ。
夏まで伸ばしまくってショートボブという具合になった髪。長袖の白のブラウスは、身体のラインを隠すためにわざと緩めで、やや長めのスカートが揺れる。外を女装で歩く背徳感とスリルには、最近気付いて以来、すっかり虜になってしまっていた。人々の、すれ違う刹那ふと注がれる視線に興奮する。正体が見透かされてしまわないかとそわそわしながら歩けば、見慣れた通りでさえ、日常と鏡写しの異世界のように、反転した色彩を放っていた。
コンビニの自動ドア、聴き慣れたベルが鳴る。目当てはボディシートだ。刺激が弱いものと強いものを、それぞれ一個ずつ手に取る。それだけではどこか格好がつかないので、適当に炭酸やらも。
女装して外出するときは大抵、胸元をギリギリまではだけさせてレジに並ぶ。この時、相手が冴えない感じの男なら、かなり期待できるーーー今回はばっちりだ。やらしい視線が存分に注がれたところで、今さら気付いたみたいに
「ああ、ごめんなさい」
そう言って服を直した時の反応が、最高。僕の声はとりわけ高い方(いわゆる、両声類)ではないので、ここで相手が気付く。うろたえる彼に、去り際ふわりと微笑みかければ、もう彼は多分、僕のことを、ずっと、忘れられない。
「ただいまー」
気分良く部屋の扉を開けると、依然みっともない姿で拘束された兄の姿。弱めのクーラーはほとんど意味をなしておらず、熱された空気が肺を蒸すような感覚に目がまわる。
「......汗くさ」
じきに身体まで気化してしまうのではないかと杞憂してしまうほどの発汗。依然、目隠しをされた兄は干からびたみたいにベッドの上で伸びていた。とりあえず水をーーーさすがに前のやり方だとこっちが限界になってしまいそうなのでーーーふつうに飲ませてから
「キレイにしてあげるから。じっとしてて」
刺激が弱い方のボディシートを開ける。1枚引き出して兄の首にあてがうと、不意の冷たさに驚いて兄の身体がはねる。
兄は割と鍛えているらしく、改めて触ると、胸筋も腹筋もかなり硬い。ラインをなぞると、ちょっとどきどきする。
首、胸、腹、...と下がっていくと、どうしても意識させられてしまう。
「......この状況でガチガチなの、普通にキモいんだけど」
充血して大きくなったそれは、非常にグロテスクで、それでいて不思議なくらい魅力的だった。びくびくという、別の生き物じみた動きを見ていると、暑さも手伝ってか、なんだか頭がぼーっとしてくる。
(配信で使ったディルドより...?)
頭をよぎった計画外の考えを振り払い、ボディシートを一旦どける。
「手、縛ってるの外すね。もちろん抵抗したらダメだよ」
ゆっくりと、1つずつ、厳重に何重にも施した腕の部分の拘束を外していく。そして、今朝と同じように、ゆっくりと兄の上にまたがる。
「自分でできない代わりに、ちょっと気分転換ってことで。好きに触って良いよ」
兄のため、という口実で、自分が何かされたいだけかもしれないけど...
目隠しをしたままの兄のごつごつした腕、大きい手がゆっくりと腹のあたりに伸びてくる。まさぐる動きの後で、徐々に指が胸の辺りに這い上がってくる。
「っ...ん」
ブラウス越しに指が敏感な所に触れる。探るようにべたべたとさわってくるのにじれったくなって、両手で胸まで服をたくし上げる。途端に、指の動きがいやらしく、正確になる。
「...っな、なんでな、んか...慣れてんの?」
話には聞いていたが、本当に、自分で触るのと他人に触られるのとではかなり勝手が違う。欲しい時に急に刺激を弱められたり、逆に良すぎて自分では無意識にブレーキをかけてしまうような時にもお構いなく責めてくる。その違和感が、思ったよりキツい。
「...俺の配っ...し、ん...見てた?」
間違いないと感じた。触り方が、配信でやったときとそっくりだった。それに、僕の弱いところをなぜ?
(ちょっと、これは、ヤバい)
執拗な乳首責めの甘く強い快感に、強制的に変な気分にさせられる。「好き」という衝動が無理に引き出されるような感覚で、我慢できなくなりそうになって、逃げようとする。
が、片手で腰の辺りを強く掴まれる。こんな状況下とは思えない力で、上手く逃げられない。弄る方の手を両手で退けようとしても、弄り方が余計に乱暴になるばかりで、退かすことが出来ない。
「ふっ......ん、んっ......」
ぞくぞくと全身を不本意な快感が這う。脳が侵食されるような浮遊感。何かがのぼってくるような感覚。
「ふーっ...ぅ......んっ、ん......‼︎」
ダメな呼吸、果てるときの息遣いになりかけたところで、手の力が少し弱まり、何とか脱出。
どくどくと激しい脈動が去っていくような感覚に、多少の安心と、大きなもどかしさ。切ない...
「...配信見てたならさ、こういうこともしてくれる、って事だよね」
乱れたブラウスを直し、そろそろとスカートをたくし上げる。
夏まで伸ばしまくってショートボブという具合になった髪。長袖の白のブラウスは、身体のラインを隠すためにわざと緩めで、やや長めのスカートが揺れる。外を女装で歩く背徳感とスリルには、最近気付いて以来、すっかり虜になってしまっていた。人々の、すれ違う刹那ふと注がれる視線に興奮する。正体が見透かされてしまわないかとそわそわしながら歩けば、見慣れた通りでさえ、日常と鏡写しの異世界のように、反転した色彩を放っていた。
コンビニの自動ドア、聴き慣れたベルが鳴る。目当てはボディシートだ。刺激が弱いものと強いものを、それぞれ一個ずつ手に取る。それだけではどこか格好がつかないので、適当に炭酸やらも。
女装して外出するときは大抵、胸元をギリギリまではだけさせてレジに並ぶ。この時、相手が冴えない感じの男なら、かなり期待できるーーー今回はばっちりだ。やらしい視線が存分に注がれたところで、今さら気付いたみたいに
「ああ、ごめんなさい」
そう言って服を直した時の反応が、最高。僕の声はとりわけ高い方(いわゆる、両声類)ではないので、ここで相手が気付く。うろたえる彼に、去り際ふわりと微笑みかければ、もう彼は多分、僕のことを、ずっと、忘れられない。
「ただいまー」
気分良く部屋の扉を開けると、依然みっともない姿で拘束された兄の姿。弱めのクーラーはほとんど意味をなしておらず、熱された空気が肺を蒸すような感覚に目がまわる。
「......汗くさ」
じきに身体まで気化してしまうのではないかと杞憂してしまうほどの発汗。依然、目隠しをされた兄は干からびたみたいにベッドの上で伸びていた。とりあえず水をーーーさすがに前のやり方だとこっちが限界になってしまいそうなのでーーーふつうに飲ませてから
「キレイにしてあげるから。じっとしてて」
刺激が弱い方のボディシートを開ける。1枚引き出して兄の首にあてがうと、不意の冷たさに驚いて兄の身体がはねる。
兄は割と鍛えているらしく、改めて触ると、胸筋も腹筋もかなり硬い。ラインをなぞると、ちょっとどきどきする。
首、胸、腹、...と下がっていくと、どうしても意識させられてしまう。
「......この状況でガチガチなの、普通にキモいんだけど」
充血して大きくなったそれは、非常にグロテスクで、それでいて不思議なくらい魅力的だった。びくびくという、別の生き物じみた動きを見ていると、暑さも手伝ってか、なんだか頭がぼーっとしてくる。
(配信で使ったディルドより...?)
頭をよぎった計画外の考えを振り払い、ボディシートを一旦どける。
「手、縛ってるの外すね。もちろん抵抗したらダメだよ」
ゆっくりと、1つずつ、厳重に何重にも施した腕の部分の拘束を外していく。そして、今朝と同じように、ゆっくりと兄の上にまたがる。
「自分でできない代わりに、ちょっと気分転換ってことで。好きに触って良いよ」
兄のため、という口実で、自分が何かされたいだけかもしれないけど...
目隠しをしたままの兄のごつごつした腕、大きい手がゆっくりと腹のあたりに伸びてくる。まさぐる動きの後で、徐々に指が胸の辺りに這い上がってくる。
「っ...ん」
ブラウス越しに指が敏感な所に触れる。探るようにべたべたとさわってくるのにじれったくなって、両手で胸まで服をたくし上げる。途端に、指の動きがいやらしく、正確になる。
「...っな、なんでな、んか...慣れてんの?」
話には聞いていたが、本当に、自分で触るのと他人に触られるのとではかなり勝手が違う。欲しい時に急に刺激を弱められたり、逆に良すぎて自分では無意識にブレーキをかけてしまうような時にもお構いなく責めてくる。その違和感が、思ったよりキツい。
「...俺の配っ...し、ん...見てた?」
間違いないと感じた。触り方が、配信でやったときとそっくりだった。それに、僕の弱いところをなぜ?
(ちょっと、これは、ヤバい)
執拗な乳首責めの甘く強い快感に、強制的に変な気分にさせられる。「好き」という衝動が無理に引き出されるような感覚で、我慢できなくなりそうになって、逃げようとする。
が、片手で腰の辺りを強く掴まれる。こんな状況下とは思えない力で、上手く逃げられない。弄る方の手を両手で退けようとしても、弄り方が余計に乱暴になるばかりで、退かすことが出来ない。
「ふっ......ん、んっ......」
ぞくぞくと全身を不本意な快感が這う。脳が侵食されるような浮遊感。何かがのぼってくるような感覚。
「ふーっ...ぅ......んっ、ん......‼︎」
ダメな呼吸、果てるときの息遣いになりかけたところで、手の力が少し弱まり、何とか脱出。
どくどくと激しい脈動が去っていくような感覚に、多少の安心と、大きなもどかしさ。切ない...
「...配信見てたならさ、こういうこともしてくれる、って事だよね」
乱れたブラウスを直し、そろそろとスカートをたくし上げる。
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