異世界配信惑星ファンタジーライブマスター衆神環視惑星

中級中破微小提督

文字の大きさ
12 / 25
第二章 072防衛イベント戦

第12話 エリクサー

しおりを挟む
「なあ、援軍が来てる割にこっちに敵が来すぎてねぇか?」
 俺はレーザーで迎撃しながらアレスと話す。大型は少ないが数が多い。
「確かに。名前付きはどうやら外で戦っているようですね。それでこっちに敵が逃げてきているという所でしょう」
「それ防衛になってねぇじゃねぇか」
「多分ですけどボス級が外にいるんでしょう。中の援護は望めないようですね」

「これはマズイな」
 ゼロスもやってくる。
「ボスは倒せても中は壊滅するパターンだな。生き残りを考えた方がいい。援護どころじゃねぇな」
 確かに旗色は悪い。だが逃げ場もない。唯一の逃げ場のアレグシオンも敵が取り付いている。
「これはエリクサーの使い処ですね」
 アレスは何かの瓶を手に持つ。
「これは一定時間MPの制限をなくすアイテムです。効果時間は恐らく30分から一時間。それを過ぎたら数日はMPは使えなくなります。その間の護衛を頼みたいのですが」
「任せろ」
 俺は即答する。コイツならスリングを繋いでおけば戦力になるだろう。
「シコルさんがいうなら安心ですね。使うタイミングですが、何かありますか?」
 アレスがゼロスの方を見る。
「今、だろうな。ボスの撃破まで待てば凌げるはずだ」
「では、使います。ここで押し返しましょう」

 アレスがエリクサーを使うと俺たち全員にフィジカルアップオールが掛けられる。エリクサーの使用中はMP上限で使えない魔法も使える様だ。まさに起死回生のアイテムだな。
 アレスは走るとウォールを通路にかけていく。素通りだった道が地面から盛り上がった光の壁で塞がれていく。あれは確か味方の攻撃も遮ると言っていた魔法だ。
 そしてあちこちにバリアーを張り、敵の進軍を止めていく。そして味方を次々に強化回復していく。劣勢が完全に覆りそうだ。

「シコル。これは何があったの?」
 ギンガだ。
「アレスのエリクサーだ。しばらくMP無限らしい。今のうちに盛り返すぜ」
 ギンガが悩む様に手を顎に当てる。
「・・・シコル。お願いがあるんだけど」
「なんだ?」
「あのバッテリー強化をかけて欲しい。今なら大型を止められる」
「オーケー」
 俺はギンガのレーザーライフルのバッテリーを大容量化を付与する。
 礼を言うギンガの背に声をかける。
「ギンガ。残りのMPはお前用に残しておくからな。大型は頼むぜ」
 俺はレーザーライフルを背にするとアサルトに持ち替える。
 それで伝わったようだ。頷くギンガを見届けると俺はアレスの援護に向かう。

「ギンガさんは凄いですね」
 今はアレス、俺、ゼロスで戦場を駆け回ってる最中だ。
 見ているとギンガが大型の関節をライフリングレーザーで打ち抜いている。
 ・・・いやいやいや。大型でも動いていると体に当てるのも難しい。それを間接に確実にヒットさせてやがる。肘や膝だ。俺だったら肩と股間を狙うのが精一杯だな。
「奴は生体マウサーかよ。腕がマウスで動いてるのかアレ」
「マウスで動く腕とかなんだそりゃ」
「どう見てもパッドじゃないだろあのエイムは」
「パッド? パッドでエイムが出来るのか?」
「おいおいゼロス先生はトラックボール派かよ」
 ゼロスが会話に入ってくるが上手く伝わらないな。

「皆さん!!! エリクサーが切れます!!! 援護はここまで!!! 無事を祈ります!!!」
 アレスの言葉に多くの使徒たちが感謝の言葉を返す。
 実質こいつのお陰で立て直せた。安全圏まで来たと言ってもいいだろう。
「アレス。繋ぐぜ」
 俺はスリングをアレスに掛けるといつもの左斧ブルパップライフルを渡す。
「はい。これで凌げそうですね」
「ああ。お前のお陰だな。ボスは長引いてるみてぇだがこっちは安泰だな。片付いたらボス戦でも見に行くか」
「それは止めておきましょう。名前付きがボスに負けたら負けイベントです。逃げる準備をした方がいいでしょうね」
「だったら頑張ってもらわねぇとだな」
 ギンガの方は大型を片付け終わっている。中の掃討が先だな。

 だがこのシチュエーションは前にもあったな。
 アレスの俺に付いたマガジンを取る手が怪しい。そして荒い呼吸。盛り上がるお鎮鎮。
 俺がアレスに繋いだスリングを外すのとアレスが襲い掛かってくるのは同時だった。
 辛うじてアサルトの銃床で殴りつけマウントは避ける。
「アレス!」
 アレスの瞳の色が変わっている。
 魔物堕ちの兆候か!? これは本格的にマズイ。
 それでもアレスは棒立ちしている。これは意識して止めているのか?
 俺はアレスの足にライフルを絡ませると転倒させお鎮鎮を取り出す。
 これは、大きさがおかしい。これは元に戻るのか?
 だがやるしかないか。
「アレス!!! 戻れ!!!」
 俺は転倒したアレスのお鎮鎮に組んだ両手を叩きつける。
「アレス!!! これはオネショタじゃないだろう!!!」
 叩きつけた両手から♂が絞り出される。
「アレス!!! ショタオネは邪道だろう!!!」
 叩きつけた両手から更に♂が絞り出される。
「アレス!!! わたしは!!! お姉ちゃんはここに居るぞ!!!」
 叩きつけた両手から伝わる感覚から硬さが取れる。
「アレス!!! わたしがお姉ちゃんだ!!!」
 最後の盛大に♂を吐き出したお鎮鎮がその起立を止め、元に戻る。
「シコルさん・・・」
「戻ったかアレス!!!」
「はい。僕は、僕は、興奮していました。無力な僕に。シコルさんに引き連れられる無力な僕に。このまま永遠に。ただ僕の体はこのまま。ならば、ならば、」
 アレスが涙を流す。
「ならば、僕がゴブリンに堕ちて、シコルさんにショタオネを敢行しようとしてしまいました。僕が一番嫌っていたショタオネを、今この時に、僕が無力なこの時に、これならば許されると、僕が容認してしまった。僕は、僕自身を裏切ってしまった」
「・・・馬鹿だなアレス。俺と同じじゃ世話ないぜ」
 俺の独白にアレスの視線が俺に向けられる。
「俺も、お鎮鎮のためならオークに堕ちて生やそうと思っちまった。一番簡単でやっちゃいけないことだな。そんなお鎮鎮じゃシコれねぇのにな」
「シコルさん・・・」
 俺とアレスの視線が合わさる。
「俺達変態には大変な場所だけどな。それでも理想のお鎮鎮を目指してい行こうぜ。アレス」
 俺が伸ばした手をアレスが掴む。
 もう大丈夫だな。
「ありがとう。シコルさん。さっきの私というのはシコルさんの素なんですか?」
「そんなわけあるか。わたしなんて使うわけないだろ。お姉ちゃんを名乗るならわたしだって思っただけだ。そんなにわたしが気になるのか? アレス」
 アレスの俺を掴む手が怪しくなってくる。息が荒く、お鎮鎮が蘇ってくる。
「アレス!!! 全力でシコル・ギウス!!!」
「んほぉぉぉーーー♂♂♂」
 アレスは果てた。そして二度と立ちがらなかった。

ーーー

「外も終わったみてぇだな」
 ゼロスがやってくると、丁度アリアの飛行姿が見えてくる。
 さっきのジョイントに重火器をつけた姿だ。
「あいつまだあんなにMPが残ってたのか」
「いや、アレは違うだろ。召喚魔法じゃない。普通にこの世界で作った武器だろうな。あの薬莢が消えずに落ちてるだろう」
 確かに。ガトリングのようなものから落ちる薬莢が消えずに落ちている。
「あんなものもあるんだな」
「そりゃあのデカイ船があるんだからな。普通の武器もある。まあ、ここじゃ貴重品だろうけどな。使徒以外でも戦いたい奴ってのはいるのさ」
 使徒だけの世界ではないんだな。
 そんなことを考えながら俺達はアレスを引きずる。
 まったくこいつは。功労者じゃなかったら捨てていく所だぞ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極限効率の掃除屋 ――レベル15、物理だけで理を解体する――

銀雪 華音
ファンタジー
「レベル15か? ゴミだな」 世界は男を笑い、男は世界を「解体」した。 魔力も才能も持たず、万年レベル15で停滞する掃除屋、トワ。 彼が十年の歳月を費やして辿り着いたのは、魔法という神秘を物理現象へと引きずり下ろす、狂気的なまでの**『極限効率』**だった。 一万回の反復が生み出す、予備動作ゼロの打撃。 構造の隙間を分子レベルで突く、不可視の解体。 彼にとって、レベル100超えの魔物も、神の加護を受けた聖騎士も、ただの「非効率な肉の塊」に過ぎない。 「レベルは恩恵じゃない……。人類を飼い慣らすための『制限(リミッター)』だ」 暴かれる世界の嘘。動き出すシステムの簒奪者。 管理者が定めた数値(レベル)という鎖を、たった一振りのナイフで叩き切る。 これは、最弱の掃除屋が「論理」という名の剣で、世界の理(バグ)を修正する物語。気になる方は読んでみてください。 ※アルファポリスで先行で公開されます。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

もしもゲーム通りになってたら?

クラッベ
恋愛
よくある転生もので悪役令嬢はいい子に、ヒロインが逆ハーレム狙いの悪女だったりしますが もし、転生者がヒロインだけで、悪役令嬢がゲーム通りの悪人だったなら? 全てがゲーム通りに進んだとしたら? 果たしてヒロインは幸せになれるのか ※3/15 思いついたのが出来たので、おまけとして追加しました。 ※9/28 また新しく思いつきましたので掲載します。今後も何か思いつきましたら更新しますが、基本的には「完結」とさせていただいてます。9/29も一話更新する予定です。 ※2/8 「パターンその6・おまけ」を更新しました。 ※4/14「パターンその7・おまけ」を更新しました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない

葉泪秋
ファンタジー
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー) ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。 神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。 そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。 ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。 早く穏やかに暮らしたい。 俺は今日も、規格外に育った野菜を手、皆の姿を眺めている。 【毎日18:00更新】 ※表紙画像はAIを使用しています

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...